家賃の滞納とは
賃貸借契約において、賃料の支払い義務は借主の基本的な義務となっています。
従って、これを怠れば、「債務不履行」となります。
では、一度でも賃料の不払いがあった場合には、即座に債務不履行解除を申し立てられてしまうのでしょうか。
この点、賃貸借契約は長期に渡って交わされる継続的契約です。その基盤となっているのが、貸主・借主間の信頼関係です。そこで、一度、賃料の不払いがあったとしても、この信頼関係が破壊されるまでには至っていない場合、契約の解除はできないものと考えられています。通常1~2回の家賃滞納があったのみでは、契約を解除されることは無いものと思われます。
家賃滞納を理由とする契約解除の場面
この点、事案によって異なりますが、通常3ヶ月以上の滞納により信頼関係が破壊されたと認められる事が多いと思われます。そしてこの場合貸主は、1週間程度の相当期間の猶予を与えて、借主に対して支払いの催促をし、期間内に支払いがなされなかった場合には契約を解除する事が出来ます。
契約の終了
以上、借主原因の債務不履行解除の代表的な例について述べましたが、この他にも貸主と借主による合意解除、一定の場合になされる解約告知、賃借人破産の場合に貸主に認められる解約申入れ、正当事由ある更新拒絶、定期借地・借家契約の期間満了、建物が朽廃した時等、適法に契約が終了する場合もあります。
借地契約終了時の借主の権利・義務
借地契約終了後、借地上の建物の取壊し・収去義務が発生するのか。それとも建物買取請求権が認められるのか。
借地借家法13条1項は、『借地権の存続期間が満了した場合において』『契約の更新がないとき』は、借地権者は借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に付属させたものを時価で買い取るべきことを請求することができると、規定しています。
つまり、建物の取り壊しという社会経済上の不利益を回避し、借主に資金回収の途を与え、更には借地契約の更新を促す、という効果も期待できるのです。
この点、債務不履行をした借主に対しては建物買取請求権は認められません。貸主に負担を負わせてまで、かくも不誠実な借主を保護するべきではないからです。
また合意解除の場合には、基本的には建物買取請求権は認められません。合意解除の場合は、その交渉過程において建物の買い取りについて協議されると考えられ、この過程でこれがなされなかったのであれば、借主が放棄したものと推定されて然るべきであるからです。
借家契約終了時の借主の権利・義務
借家契約終了後、借主が備えつけた造作(設備)は、収去義務が発生するのか。それとも買取請求権が認められるのか。
~造作とは~
- 建物に付加された物件であり
- 借主の所有物で
- 建物の使用にあたり客観的便益を与えるもの
をいいます。
借家法5条及び借地借家法33条は、借主は『賃貸借契約終了後』に、『家主の同意を得て建物に付加した造作』については、貸主に対し時価で買い取るべき旨を請求する事が出来ると定めています。
借主の債務不履行を原因とする賃貸借契約の終了の場合に、造作買取請求権が認められるかについては、一般的に否定的な見解がとられています。 |