| 建築基準法とは |
建物の敷地・構造・設備・用途に関する一般的な最低基準、都市計画区域内における建ぺい率・容積率・高さ制限などの最低基準を定める法律です。すなわち、あなたの選んだ土地にはどのような目的を持った建物を建てられるのか。そしてそれは、どれくらいの広さ・高さで建てられるのか。またその建物の建つ敷地は、道路に対してどのように接していなければならないのか。これらを規定するのが建築基準法です。
建築基準法に定められる用途規制は、先にのべた都市計画法の用途地域に合わせる形で定められています。 |
| |
| 各用途地域には、どのような種類の建物を建築することができるのでしょうか。 |
用途地域 |
住居系 |
商業系 |
工業系 |
建築物の種類 |
第一種低層住専 |
第二種低層住専 |
第一種中高層住専 |
第二種中高層住専 |
第一種住居 |
第二種住居 |
準住居 |
近隣商業 |
商業 |
|
工業 |
工業専用 |
住居(住宅・共同住宅・下宿・寮) |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
× |
店舗Ⅰ(住宅に付属) |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
× |
店舗Ⅱ(150㎡以内の店舗・飲食店) |
× |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
× |
店舗Ⅲ(500㎡以内の一定の店舗・飲食店) |
× |
× |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
× |
店舗Ⅳ(上記以外物品販売業・飲食店) |
× |
× |
× |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
× |
事務所Ⅰ(住宅に付属) |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
× |
事務所Ⅱ(上記以外) |
× |
× |
× |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
工場Ⅰ(極小規模の食品製造) |
× |
× |
× |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
※×印は、原則として建築禁止ですが、特定行政庁の許可を取れば建築可能です。 |
| |
このような用途規制や、建築基準法あるいは各都道府県市町村条例による土地に対する制限については、購入前に市町村役場にて調べる必要があります。
※なお、建物の敷地が用途規制の異なる地域にまたがる場合は、その敷地の過半の属する地域の用途規制が適用されます。 |
|
|
| |
| 【建ぺい率とは】 |
建ぺい率とは、建物の建築面積の敷地面積に対する割合の事をいいます。役所の建設課等で、この建ぺい率を調べる事ができます。
この規制の目的は主に火災の際の延焼防止にあります。よって、敷地が特定行政庁の指定する角地にあったり、防火地域内に耐火建築物を建てる場合などには規制が緩和されますが、基本的には、建築面積の最高限度は、(敷地面積)×(建ぺい率)で算出する事ができます。 |
| |
|
|
| 【容積率とは】 |
容積率とは、建物の延べ床面積の敷地面積に対する割合の事をいいます。役所の建設課等で、この容積率を調べる事ができます。
この規制の目的は主に建物に出入りする人の数を適度な数に抑える点にあります。よって、前面道路の幅員により規制の程度は異なりますが、基本的には、延べ床面積の最高限度は(敷地面積)×(容積率)で算出する事ができます。 |
| |
|
| |
| <前面道路の幅員との関係> |
前面道路の幅員が12m未満の場合、容積率はその幅員のメートル数に(複数の道路に接している時は、広い方の道路を基準として)、①住居系用途地域では4/10を、②その他の地域では6/10を乗じた数値以下でなければなりません。
そしてこの数値と、都市計画で定められた数値とを比較して小さい方が、その敷地の容積率の最高限度となります。 |
| |
|
|
| 【高さ制限(斜線制限)】 |
| 建築物が道路に近すぎたり、隣地に近すぎると、道路や隣地側の上方空間を圧迫してしまいます。そこで、敷地内における建築物の高い部分の位置を用途地域別に制限しています。 |
| |
| <道路斜線制限> |
| 前面道路の反対側の境界線から、建物の敷地の上空に向かって線を引き、建物がその内側に建てられていなければならないとする規制。 |
| |
| <隣地斜線制限> |
| 隣地との関係で設けられる制限。なお、第一種・第二種低層住居制限地域においては、建物の高さが10mまたは12メートルに制限される為、適用がない。 |
| |
| <北側斜線制限> |
| 最も厳しい斜線規制。第一種・第二種低層住居専用地域、および日影規制を受けていない第一種・第二種中高層住居専用地域において適用される。 |
|
| 【高さ制限(日影規制)】 |
| 規制とは、住宅地にある中高層建築物が、周囲の敷地に日影を落とす時間を一定以内に制限する規制の事をいいます。 |
| |
対象となる区域 |
| 住居系用途地域、近隣商業地域、準工業地域、用途地域無指定区域の中で、特に地方公共団体が条例で定める区域にのみ適用される。 |
制限を受ける建築物 |
| 一定の規模以上の建築物に限られている。 |
規制方法 |
| 一年のうち最も日照条件の悪い冬至日に、一定時間以上日影となる部分を生じさせないという方法による。 |
注意点3点 |
| 同一敷地内に2つ以上の建築物がある場合、これらは1つの建築物とみなされる。よって本来規制の対象外である方も規制対象となる。 |
| 敷地が、道路・川・海等に接する場合、隣地との高低差が激しい場合、これに類する特別事情がある場合、日影規制が緩和される。 |
| 日影規制の規制対象区域外の建物であっても、高さ10mを超え、冬至日に日影規制の適用対象区域内に日陰を生じさせる場合、対象区域内建築物とみなされて日影規制を受ける。 |
|
| |
|
| 【道路規制(接道義務)】 |
| <接道義務> |
| 火災の際の消火活動の円滑等に配慮して、建築基準法は、都市計画区域内・準都市計画区域内において、建物の敷地は、原則として道路に2m以上接していなければならないと規定しています。 |
| <道路とは…> |
| ここで言う道路とは、幅員4m以上の道路法による道路等の事です。消火活動の円滑等を考慮して、一定の道幅を要求しています。 |
| |
|
| |
| <例外> |
| 但し、敷地の周囲に将来に渡って存続する空き地がある場合等、特定行政庁が許可した場合には、例外的に接道義務に従わなくてもよい場合があります。 |
| <条例> |
| 不特定多数の人や、多量の物資が出入りするような一定の建築物については、地方公共団体が条例で、接道義務に関する要件を加重・付加する事が出来ます。 |
|
| |
| 【道路規制(2項道路)】 |
ただ、現実には幅員4m以下の道が多数存在します。
そこで建築基準法42条2項は、
①建築基準法の集団規定が適用されるに至った時点で、現に道として存在している
②既に建物が建っている
③特定行政庁が指定している、これら条件を満たした場合、例外的に道路とみなしています。
これを2項道路と言います。
但しこの場合将来の道路拡張のため、道路の中心線から2m後退した線が道路の境界線とみなされ、この境界線よりも内側には原則として建物を建ててはいけない事になっています。このことをセットバックと言います。
※なお、接道義務の対象となる道路の幅員が6m以上の場合があります。これは、都市計画区域・準都市計画区域のうち、特定行政庁がその地方の特殊性や状況により特に必要と認め、都道府県都市計画審議会の議決を経て指定する区域内の場合です。その目的は、土地の有効活用・道路整備等にあります。
※自動車専用道路、一定の特定高架道路は接道義務の対象となる道路には含まれません。なぜならば、これらの道路では消防車あるいは救急車が自由に乗り降りしたり出来ないうえ、非難用道路としても不適当だからです。
※道路が私道(接道義務対象の道路は一定の私道も含みます)である場合、これを接道義務の要件を欠くに至らしめる変更をしたり廃止したりする事は、特定行政庁により禁止・制限される事があります。 |
|
| |
| 【防火・準防火地域内の建築制限】 |
火災から私たちの生命・財産を守るために、市街地の不燃化を図る必要があります。
このような目的から、防火・準防火地域において、以下の制限が課されます。 |
| |
| <防火地域内の建築規制> |
① 地階を含む3階以上または延べ床面積100㎡を超える建物は、原則として耐火建築物にしなければなりません。
② それ以外の建物、すなわち2階以下かつ延べ床面積100㎡以下の建物は、原則として耐火建築物または準耐火建築物にしなければなりません。(但し、延べ面積50㎡以内の平屋建ての付属建築物で、外壁と軒裏が防火構造であるもの・高さ2m以下の門または塀・高さ2mを超える門または塀で、不燃材料で作り、又は覆われたものは、耐火建築物・準耐火建築物としなくてもよい事となっています。)
③ 看板・広告塔・装飾等の工作物で、屋上に設置するもの、または高さ3mを超えるものは不燃材料で作るか、覆わなければなりません。 |
| |
| <準防火地域内の建築規制> |
① 地階を除く4階以上または延べ床面積が1500㎡を超える建物は、原則として耐火建築物としなければなりません。
② ①以外の建物のうち、3階以下かつ延べ床面積が500㎡を超え1500㎡以下の建物は原則として耐火建築物または準耐火建築物としなければなりません。
③ 3階以下かつ500㎡以下の建物のうち、地階を除く階数が3の建物(つまり3階建て)は原則として耐火建築物または準耐火建築物または『一定の事項について防火上必要な政令で定める技術的基準に適合する建築物』としなければなりません。
④ 木造建築物(準耐火建築物を除く)は、外壁・軒裏で延焼の可能性がある部分は防火構造としなければなりません。 |
| |
| <防火地域・準防火地域に共通する建築規制> |
①屋根の構造は一定の技術的基準に適合しなければなりません。
②外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に防火戸など一定の防火設備を設置しなければなりません。
③外壁が耐火構造の場合、外壁を隣地境界線に接して設ける事が出来ます。
※建物(土地ではありません)が、複数の地域にまたがる場合は最も重い基準によります。《例:建物が準防火地域と防火地域にまたがる場合は、防火地域の規制が適用されます。》 |
|
| 【建築確認】 |
いざ、建物を建ててしまってから建築基準法に違反する部分を直そうと思っても困難極まりないですね。そこで全ての工事に対してチェックが必要となるわけではありませんが事前にチェックするシステムが必要となります。これが建築確認制度です。
では、その手続きはどのように行えばよいのでしょうか。 |
| |
いつ? |
工事施工前 |
だれが? |
建築主=請負契約の注文者または自ら建築する者 |
どこへ? |
建築主事=公務員
または指定確認検査機関=一定の民間機関 |
|
| |
さらに中間検査、完了検査もあります。
どのような場合に建築確認が必要となるのか、例をあげてみます。
①防火・準防火地域においては、全ての建築物の新築および増改築・移転に建築確認が必要となります。
②都市計画区域・準都市計画区域・知事指定区域における、新築および床面積10㎡を超える増改築・移転は建築確認が必要となります。
③大規模建築物に関しては、原則的に、新築、床面積10㎡を超える増改築・移転、大規模の修繕・模様替えについて建築確認が必要となります。 |
|
|