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発明の名称: 可変容量圧縮機・可変圧膨張機
技術分野
[0001]  本発明は、往復ピストン式圧縮機、及び往復ピストン式膨張機に関する。
背景技術
[0002]  冷媒圧縮機に用いられる往復ピストン式圧縮機で連続的にガス容量を変化
させられるものとしては、斜板圧縮機の斜板角度を変化させるものが知られ
ている(特許文献1参照)。
[0003]  内燃機関用過給機に用いられるスクリュー圧縮機で、吸気バルブの閉タイ
ミングを連続的に遅らせることにより供給ガス量を抑制するものは知られて
いる(特許文献2参照)。
特許文献1:特開2008-184933
特許文献2:特許2007-85174
発明の開示
発明が解決しようとする課題
[0004]  一般的に空調装置の冷媒圧縮機は固定容積の容積型圧縮機が用いられてい
る。車両用の冷媒圧縮機は走行用の機関により駆動されているので、作動停
止を繰り返す必要があり、電磁クラッチで断続して使用されている。そのた
め居室温度の調整が荒くなり、車両の駆動力が変化し不快である。
[0005]  特許文献1のような可変容量圧縮機はこの点を改善するが、斜板角度を可
変とする機構を配置するために構造が複雑となり、高回転化が難しい。また
、機構を配置するためにピストンが片面のものとなり大型化する。
[0006]  一般的に過給機として容積型圧縮機を用いる場合、固定容量の圧縮機が容
積型機関から駆動されて用いられている。容積型機関に対して常にフリクシ
ョンとなるため、同一出力の無過給機関に比べて燃費は低下する。
[0007]  特許文献2のようなスクリュー圧縮機は吸気側バルブの閉タイミングを連
続的に遅らせることしか出来ないので、供給圧を吸気圧以下に変化させるこ
とは出来ない。そのため出力の制御にはスロットルバルブを用いることにな

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る。そのためスロットルバルブの絞りにより、圧縮機や機関にはポンピング
ロスが発生する。
[0008]  容積型機関の排気バルブ開口時の圧力は供給圧により変化する。それに対
して、回転当たりのガス容積は排気量により決まるので常に一定である。従
って、その変動する排気圧を無駄なく動力に変換するには、吸気容量は変化
せず膨張比を連続的に変えられる可変圧膨張機が必要になる。更に小型化の
ためには高回転化が容易なものが望まれる。
課題を解決するための手段
[0009]  圧縮機であれば吸気バルブの開閉タイミングを、膨張機であれば排気バル
ブの開閉タイミングを連続的に変化させることにより、可変容量圧縮機また
は可変圧膨張機を実現する。
[0010]  往復ピストン式圧縮機(膨張機)の圧縮室(膨張室)の周りを円筒状のロ
ータリーバルブで包む形に配置し、吸気ポート(排気ポート)を、当該ロー
タリーバルブの半径方向に放射状に配置する。当該ロータリーバルブ及びポ
ートは互いに点対称のバルブの回転軸方向に幅の変化する開口部を備え、当
該ロータリーバルブもしくは当該ポートを構成する部材をバルブの回転軸方
向に移動することにより開角を変化させる。
発明の効果
[0011]  空調装置の冷媒圧縮機に本発明による可変容量圧縮機を用いれば、斜板や
クランクなどの強度部材を固定式のものとすることが出来るので、高回転化
及び小型化が容易である。連続的に0から最大まで冷却能力を変化させるこ
とができるので、断続のための電子クラッチを省略することが可能となる。
電動モーターにより駆動する場合にも、残圧が残る状態からの再始動が可能
となり、高価なインバーターを用いずに冷却能力の制御が可能となる利点が
ある。
[0012]  容積型機関の過給機として本発明による可変容量圧縮機を用いれば、供給
ガス量を0から最大容量まで連続的に変化させることができるので、過給圧
による機関出力の制御が可能となる。そのためスロットルバルブが省略可能
となる。また、当該圧縮機は吐出側の圧が負圧となっているときには、動力
を発生する。つまり、当該圧縮機は容積型機関のポンピングロスを動力とし
て回生することができる。
[0013]  容積型機関の排気圧回生機として本発明による可変圧膨張機を用いれば、
機関の負荷により変化する排気圧に対応する膨張比を取ることが可能となり
、排気に残るエネルギーを無駄なく回生することが出来る。
図面の簡単な説明
[0014] [図1]吸気バルブが軸方向に可動する可変容量圧縮機の断面図(実施例1)
[図2]同圧縮機のV-V断面図(実施例1)
[図3]同圧縮機の吸気バルブと吸気ポートの展開配置図(実施例1)
[図4]同圧縮機の吸気バルブの開閉タイミングの説明図(実施例1)
[図5]可変容量圧縮機と容積型機関の動力伝達系スケルトン図(実施例1、2

[図6]吸気ポート構成部材が可動する可変容量圧縮機の断面図(実施例2)
[図7]同圧縮機のX視図(実施例2)
[図8]同圧縮機の吸気バルブと吸気ポートの展開配置図(実施例2)
[図9]同圧縮機の吸気バルブの開閉タイミング図(実施例2)
[図10]同圧縮機の排気バルブの開閉タイミング図(実施例2)
[図11]同圧縮機のW-W断面図(実施例2)
[図12]6サイクル機関と変容量圧縮機兼可変圧膨張機の断面図(実施例3)
[図13]同圧縮機のY-Y断面図(実施例3)
[図14]同圧縮機の吸気バルブと膨張機の排気バルブの開閉タイミング図(実
施例3)
[図15]同圧縮機の排気バルブと膨張機の吸気バルブの開閉タイミング図(実
施例3)
[図16]同圧縮機の吸気バルブと膨張機の排気バルブと各ポートの展開配置図
(実施例3)
符号の説明
[0015]  1 ピストン式膨張機
  2 容積型機関(6サイクル機関)
  3 ピストン式圧縮機
  10 シリンダーブロック
  22 排気マニホールド
  30 バランサー
  101 主軸
  102 クランクピン
  105 連接棒
  110 ピストン
  111 ガスシール面(シリンダー内壁面)
  112 ピストンヘッド
  115 ピストン摺動面(シリンダー内壁面)
  121 膨張室
  130 膨張機吸気バルブ
  132 膨張機吸気ポート
  140 膨張機排気バルブ
  141、331,341 バルブ開口部
  142 膨張機排気ポート
  151 斜板カム
  152 スライダー
  155,156 スプロケット
  158 タイミングチェーン
  161 バルブ駆動シャフト
  162,163 バルブギヤ
  321 圧縮室
  330 圧縮機吸気バルブ
  332 圧縮機吸気ポート
  332b シリンダーブロックの圧縮機吸気ポート
  340 圧縮機排気バルブ
  342 圧縮機排気ポート
  345 バルブストッパー
  375 バルブシフター
  411 Vベルト
  412 プーリー
  441 駆動チェーン
  442 ドリブンスプロケット
  451 トルクリミッター
  500 クランクケース
  510,520 摺動面構成部材
  530 膨張機吸気ポート構成部材
  540 圧縮機排気ポート構成部材
  541 オイルドレイン
  550 シール面構成部材
  560,561 ハウジング
  562,563 ヘリカルギヤ
  570 円環ポート構成部材
  571,572 フレキシブルガスシール
  573 ボール勘合部
  574 支軸
  575 シフトアーム
  576 ジョイントボール
発明を実施するための最良の形態
[0016]  本発明を図に表した実施例に基づき説明する。
実施例1
[0017]  図1は、本発明の1実施例である空調装置の冷媒圧縮機としての斜板式可
変容量圧縮機3の断面図である。
[0018]  当該斜板式圧縮機3は、円筒状の吸気バルブ330が複数の圧縮室を包む
形で配置されている。吸気バルブ330はバルブギヤ162、163を介し
てバルブ駆動シャフト161により回転駆動されている。バルブ駆動シャフ
ト161は、主軸101に取り付けられたスプロケット155からタイミン
グチェーン158、スプロケット156を介して駆動されている。
[0019]  吸気バルブ330と一体に形成されたバルブギヤ163部の両側面は、バ
ルブシフター375により位置を固定されている。このバルブシフター37
5を介して吸気バルブ330を左右に移動させることができる。バルブギヤ
162、163はヘリカルギヤとなっており、バルブ330を左に移動する
とバルブは主軸101に対して進角する。バルブギヤ163とバルブ330
との結合にヘリカルスプラインを用いても同様の効果が得られる。
[0020]  本図は、吸気バルブ140が最も右にあり、バルブ開角が最大の最大ガス
容量の状態を示している。吸気バルブ330を左に移動することで、バルブ
が開かないバルブ休止状態にまで連続的に変化させることができる。
[0021]  図2は最大ガス容量のときのV-V断面図で、吸気バルブ330の開口部
331と吸気ポート332の位相関係を表している。当該圧縮機3は6つの
ピストン110を有し、その主軸101は右回りに回転している。吸気バル
ブ330にはバルブ開口部331が5ヶ所あり、吸気バルブ330は主軸1
01の1/5の回転数で左に回転している。ピストンの数をnとしたとき、
バルブ開口部141の数は(n-1)であり、回転数は主軸101及び斜板
カム151の回転数の1/(n-1)である。
[0022]  吸気バルブ330が主軸101と同一方向に回転する場合には、バルブ開
口部の数は(n+1)、回転数は主軸の1/(n+1)とする必要がある。
[0023]  当該圧縮機3の排気バルブ340は花びら形の板ばねによる一方向弁にな
っており、圧縮室の内部圧の上昇により開口し、ガスを排気ポートに導く。
[0024]  図3は、本圧縮機の吸気バルブ330の開口部331と吸気ポート332
の展開配置図である。バルブの回転に伴い、吸気ポート332に対してバル
ブ開口部331は上方に動く。実線は吸気バルブ330が最も右に移動した
バルブ開角が最大となる開口部位置を示している
[0025]  吸気バルブ330の開口部331と吸気ポート332は軸方向に幅の変化
する形状にしてあるので、吸気バルブ330を左右に移動することによりバ
ルブ開角を変化させることが出来る。開口部331と吸気ポート332を互
いに点対称の形状にしているのは、開閉時の開口面積の変化を大きくするた
めである。
[0026]  二点鎖線は吸気バルブ330が最も左にあるときのバルブ位置とその開口
部331’位置を示している。この位置では開口部331’はポート332
と交差せず、バルブが開くことは無い。二点鎖線331’の位置が実線の3
31の位置より下にあるのは、バルブギヤ162、163がヘリカルである
ことにより吸気バルブ330が左に移動すると主軸101に対して進角する
からである。
[0027]  図4の6つの図は、本実施例の圧縮機の吸気バルブの開閉タイミングを、
ピストン上死点(TDC)を上方向として、左回転で表している。VOがバ
ルブ開タイミング、VCがバルブ閉タイミングである。1段目の左図はバル
ブ開角が最大のときを示す。バルブが左に移動することにより、以下1段目
右、2段目の左、右、3段目左と徐々にバルブ開角が狭くなる。バルブが最
も左に寄ると3段目の右の状態となり、バルブは開かなくなる。
[0028]  吸気バルブの開口タイミングが上死点後にあるのは、ピストン上死点での
圧縮室321のガスが吸気圧になるまで膨張させてからバルブを開く方が、
残留ガスのエネルギーを有効利用できるからである。同時に残留ガスの吸気
ポートへの逆流を防止している。空調装置の冷媒圧縮機の場合、冷媒のガス
圧と液化圧によりこの膨張比が決まるので、本実施例では吸気バルブの開口
タイミングは常に一定としている。
[0029]  本実施例では開口タイミングを一定とするために、図3の三角形の吸気バ
ルブ330の開口部331と吸気ポート332の開口側の辺の傾斜を、バル
ブギヤ162、163がヘリカルであることによる吸気バルブの移動に対す
る位相回転角に一致させている。
[0030]  図5左図は、本実施例の斜板ピストン式圧縮機3と容積型機関2の動力伝
達系のスケルトン図である。圧縮機3は容積型機関2からVベルト411を
介して駆動される。当該圧縮機は0から容量を変化させられるので、本実施
例では電磁クラッチを省略している。
実施例2
[0031]  図6は、本発明の第2の実施例である最大圧3気圧の過給機としての斜板
ピストン式可変容量圧縮機3の断面図である。当該圧縮機3も、円筒状の吸
気バルブ330が複数の圧縮室を包む形で配置されている。当該吸気バルブ
330も同様に、主軸101からタイミングチェーン158、バルブ駆動シ
ャフト161、バルブヤ162、163を介して回転駆動されている。
[0032]  円環ポート構成部材570とシリンダー構成部材510、540との間に
は、円筒状のフレキシブルガスシール512、542がある。図示していな
いが、フレキシブルな配管により圧縮機の吸気ポート332はエアークリー
ナーと、排気ポート342は容積型機関の吸気系に接続されている。
[0033]  当該吸気バルブ330の両側面は、圧縮機を構成するハウジング560、
561により位置を固定されている。それに対して吸気ポートを構成する円
環ポート構成部材570は左右に移動可能となっている。本図は過給圧3気
圧の状態で、円環ポート構成部材570は最も左にあり、バルブ開角が最大
の位置にある。円環ポート構成部材570を右に移動することでバルブ開角
は狭まる。
[0034]  円環ポート構成部材570は、圧縮機3の本体に支えられた支軸574を
中心に回転するシフトアーム575により位置が決められている。シフトア
ーム575にはボール勘合部573に勘合するジョイントボール576が固
定されている。ボール勘合部573は円環ポート構成部材570に形成され
た円筒状の穴である。
[0035]  図7は、当該圧縮機3を図6の上方から見たX視図である。実線のシフト
アーム575位置はバルブ開角が最大のときを表している。2点鎖線575
’はバルブ開角が最小のシフトアーム位置を表している。このようにシフト
アーム575の右回転動作により、吸気円環ポート構成部材570は左に移
動すると同時にバルブの回転と逆方向に回転し、吸気バルブの開角は狭まる
と同時に進角する。
[0036]  図8は、本実施例の圧縮機の吸気バルブ330の開口部331と吸気ポー
ト332の展開配置図である。実線331は吸気バルブの開口部を示す。点
線332bはシリンダーブロックの吸気ポート形状を示す。二点鎖線332
は過給圧3気圧のとき、332’は2気圧のとき、332’’は0.5気圧
のときの円環ポート構成部材570の吸気ポート位置を示している。過給圧
3気圧のときは332と332bは同じ位置にあるが、シリンダーブロック
の吸気ポート332bは、円環ポート構成部材570の吸気ポートが332
’ 332’’の位置に移動しても開口面積が確保できるように、一部張り出
した形状となっている。
[0037]  図9の6つの図は、当該可変容量圧縮機3の吸気バルブの目標開閉タイミ
ングを表している。1段目左は過給圧3気圧のとき、以下、右下へ順に2.
5気圧、2気圧、1.5気圧、1気圧、0.5気圧のときの目標開閉タイミ
ングを表している。過給圧0.5気圧というのは、吸気量を全開の1/6に
減らしたアイドリング状態を想定している。本実施例ではシフトアーム57
5の円弧運動により、この目標開閉タイミングを近似するように設定してい
る。図8のように開口部の辺を直線とした本実施例では、実際には0.5気
圧のときの開角はこの目標開閉タイミングより狭くなっている。
[0038]  本実施例で、吸気バルブの閉タイミングを早めるほど、開タイミングも早
めているのは、過給圧が低下すると、上死点後、圧縮室内部のガスが吸気圧
まで膨張するタイミングが早まるからである。
[0039]  図10は、排気バルブの開閉タイミングを表している。本実施例の圧縮機
は容積型機関から固定レシオの変速比で駆動されているので、回転あたりの
過給気の量は変化させる必要が無い。そのため当該過給機の排気バルブの開
閉タイミングは過給圧によらずに一定である。排気バルブを上死点前に閉じ
るのは、吸気と排気には圧力差が有るので、吸気と排気のバルブの両方が開
くことがあるとガスが逆流するからである。また過給圧が1気圧以下の場合に
、圧縮室の中のガスを吸気圧にまで圧縮してから吸気バルブを開けるためで
もある。
[0040]  過給圧が1気圧以下のときは、吸気バルブが開いているときよりも、排気バ
ルブが開いているときの圧縮室の圧力が低くなる。このことにより当該圧縮
機は駆動力を発生する。すなわち本実施例による圧縮機3は容積型機関側か
ら吸引され、負圧による容積型機関のポンピングロスを再度動力として回生
していることになる。
[0041]  図11は過給圧3気圧のときのW-W断面図で、各バルブとポートの位相
関係を表している。図6に描かれているように円盤状の排気バルブ340は
主軸101とスプラインで勘合しており、主軸と共に右に回転している。排
気バルブの開口部341は排気バルブ340に1つ設けられている。当該開
口部341は斜板カム151に対して常に同じ位置にあるので、各圧縮室に
設けられた排気ポート342を順に同じピストン位置で開口する。
[0042]  図5右図は、本実施例の斜板式圧縮機3と容積型機関2の動力伝達系のス
ケルトン図である。斜板式圧縮機3は容積型機関2からチェーン441を介
して固定レシオで駆動されている。低負荷時には、逆に圧縮機3が回生した
動力を容積型機関2に伝達する。容積型機関はトルク変動が大きいため、回
転慣性マスを持つ圧縮機と共振が発生しやすい。そのため共振による過大ト
ルクを回避するために動力伝達系に一定以上のトルクで滑るトルクリミッタ
ー451を備えている。
実施例3
[0043]  図12は、容積型機関としての単気筒6サイクル機関2と、可変容量圧縮
機兼可変圧膨張機1、3の断面図である。本実施例では、両者は90°の配
置を取り、クランクピン102は共通である。両者の往復部重量による一次
慣性力を、クランクとなっている主軸101に取り付けたバランサー30に
よって打ち消す為である。6サイクル機関2に対して当該圧縮機3は過給機
として用いられ、膨張機1は排気回生機として用いられている。
[0044]  ピストン110は、両端で摺動面構成部材510、520と摺動し、中央
のピストンヘッド112を支えている。ピストンヘッド112は膨張機吸気
ポート構成部材530とともに膨張室121を形成し、圧縮機排気ポート構
成部材540とともに圧縮室321を形成している。ピストンヘッド112
は、膨張室121と圧縮室321を仕切り、シール面構成部材550のガス
シール面111で摺動している。シリンダーは、機関停止時に摺動面115
から潤滑油が膨張室121や圧縮室321に落ちてくるのを防ぐため、おお
よそ水平に配置されている。構成部材520にはオイルドレイン541が形
成されていて、潤滑油を油室に戻している。
[0045]  円筒状の膨張機の排気バルブ140と圧縮機の吸気バルブ330は一体化
しており、膨張室121と圧縮室321を包む形で配置されている。デスク
状の膨張機の吸気バルブ130と圧縮機の排気バルブ340は、バルブ14
0、330と爪で勘合し、同じ回転数で回転している。
[0046]  これらのバルブ130、140、330、340はバルブギヤ162、1
63を介してバルブ駆動シャフト161により駆動されている。バルブ駆動
シャフト161は主軸101と直交する軸上にあり、主軸101からヘリカ
ルギヤ562、563を介して駆動されている。本図ではバルブ駆動シャフ
ト161の配置を表すために、二点差線より下の部分はケース500、摺動
面構成部材510、ポート構成部材570を省略した外観図で示している。
本実施例では、バルブギヤ162、163はスパーギヤを用いており、バル
ブ140、330の左右の移動によっては、回転位相は変化しない。
[0047]  図示していないが、圧縮機3の吸気ポート332はエアークリーナーと、
排気ポート342は容積型機関1の吸気系に接続され、膨張機1の吸気ポー
ト132は容積型機関1の排気マニホールド22と、排気ポート142は車
両の排気管と接続している。
[0048]  図13は、図12のY-Y断面図で、可変圧縮機の最大過給圧時のバルブ
とポートの関係を表している。吸気バルブの開口部331と吸気ポート33
2の数は両方とも1シリンダーに対して5である。同様に圧縮機側のバルブ
130、140の開口部とポートの数も同様に5である。これらのバルブ1
30、140、330、340は出力軸101の1/5の回転数で回転し、
各バルブは5ヶ所のポートを同時に開閉する。
[0049]  図14の左側の6つの図は、当該可変容量圧縮機の吸気バルブの開閉タイ
ミングを表している。右側の6つの図は、当該可変圧膨張機の排気バルブの
開閉タイミングを、膨張室の容積が最小となるピストン下死点(BDC)を
上方向として、左回転で表している。過給圧は上から順に3気圧、2.5気
圧、2気圧、1.8気圧、1.5気圧、1気圧、0.5気圧である。
[0050]  膨張機の排気バルブの開口タイミングは、過給圧3気圧から1.8気圧ま
での間で変化させていない。これは本実施例では膨張機を小型化するために
、1.8気圧のときの必要容量に膨張機の容量を設定しているからである。
[0051]  図15の左側は圧縮機の排気バルブの、右側は膨張機の吸気バルブの開閉
タイミングを表している。これらは過給圧によらずに一定のタイミングで開
閉する。
[0052]  図16は、本圧縮機兼膨張機の膨張機の排気バルブ140と圧縮機吸気バ
ルブ330の開口部141、331と吸気ポート142、332の展開配置
図である。バルブの回転に伴い、各ポート142、332に対してバルブ開
口部331は上方に動く。実線はバルブが最も右に移動した、過給圧0.5
気圧のバルブ開口部位置を示している。二点鎖線141’、331’は過給
圧が1.8気圧のときの開口部位置を、141’
’、331’’は3気圧のときのバルブ位置140’ ’、330’ ’の開
口部位置を示している。
[0053]  本発明による可変圧膨張機の吸入圧低下に対する対応方法として、排気バ
ルブの開タイミングを膨張室の容積が最大となるピストン上死点後にする方
法と、上死点前にする方法がある。本実施例では、膨張機の排気バルブを上
死点前に開口することで、1.8気圧以下の過給圧時の吸入圧の低下に対応
している。このようにすると、過給機の吸気バルブの開角を広げるときには
、膨張機の排気バルブの開角は狭めれば良いので、バルブ開口部141、3
31を交互に中央に寄せることができる。バルブ全長が短くでき、シリンダ
ー全長が短縮できる利点がある。
産業上の利用可能性
[0054]  冷媒圧縮機に本発明による可変容量圧縮機を用いれば、無段階に空調能力
の調整が可能で、作動停止の繰り返しが無く快適である。固定容量のものと
同等の高回転化が容易で小型化が可能である。また、ガス容量を0にまで変
えることができるので、電磁クラッチを不要とすることが出来る。特に回転
数と関係なく空調能力を制御が必要な移動体用空調装置の冷媒圧縮機に適し
ている。電動の空調装置や冷凍機に利用しても、再始動が容易な利点と、高
価なインバーターが不要となる利点がある。
[0055]  容積型機関の過給機に本発明による可変容量圧縮機を用いれば、スロット
ルバルブによらずに機関出力の制御が可能となる。圧縮機にはスロットルバ
ルブに起因するポンピングロスがなく、容積型機関の吸入負圧は過給機が動
力に変換する。従って部分負荷時の機関効率が向上し、燃費が向上する。
[0056]  特に、ミラーサイクル機関や排気回生機付機関と本発明による可変容量圧
縮機を過給機として組み合わせた機関は、過給機のフリクション以上の出力
の向上があり、無過給機関より出力も効率も向上する。部分負荷時の効率も
高く、移動体用の原動機として適している。
[0057]  容積型機関の排気圧回生機に本発明による可変圧膨張機を用いれば、機関
の負荷により変化する排気圧に対して排気エネルギーを無駄なく回生するこ
とが出来る。特に排気圧回生の回生圧を高めることができる6サイクル機関
との組み合わせは適している。6サイクル機関と本発明による可変容量圧縮
機兼可変圧膨張機との組み合わせは、実施例3の形態だけで無く、両面斜板
圧縮機の片面を可変圧膨張機とした可変容量圧縮機兼可変圧膨張機との組み
合わせも有用である。

請求の範囲
[請求項1]  往復ピストン式圧縮機(膨張機)の圧縮室(膨張室)の周りを囲む
形で円筒状のロータリーバルブを吸気(排気)バルブとして備え、当
該ロータリーバルブの開口部および吸気(排気)ポートを当該バルブ
回転軸方向に幅の変化する形状とし、当該ロータリーバルブをその回
転軸方向に移動することにより吸気(排気)バルブの開角を変えるこ
とを特徴とした、圧縮機(膨張機)。
[請求項2]  往復ピストン式圧縮機(膨張機)の圧縮室(膨張室)の周りを囲む
形で円筒状のロータリーバルブを吸気(排気)バルブとして備え、当
該ロータリーバルブの開口部および吸気(排気)ポートを当該バルブ
回転軸方向に幅の変化する形状とし、当該吸気(排気)ポートを構成
する部材を前記ロータリーバルブの回転軸方向に移動することにより
吸気(排気)バルブの開角を変えることを特徴とした、圧縮機(膨張
機)。
[請求項3]  請求項1の圧縮機(膨張機)であって、円筒状のロータリーバルブ
をその回転軸方向に移動するのに伴い、当該圧縮機(膨張機)の主軸
と当該ロータリーバルブの回転位相が変化する機構を備えたことを特
徴とした、圧縮機(膨張機)。
[請求項4]  請求項2の圧縮機(膨張機)であって、吸気(排気)ポートを構成
する部材を円筒状のロータリーバルブの回転軸方向に移動するのに伴
い、当該圧縮機(膨張機)の主軸の回転方向に当該吸気(排気)ポー
トを構成する部材を当該ロータリーバルブの回転方向に回転する機構
を備えたことを特徴とした、圧縮機(膨張機)。
[請求項5]  吸気(排気)ロータリーバルブの開口部および吸気(排気)ポート
の形状を互いに点対称とし、かつ当該ロータリーバルブの回転軸方向
に幅の変化する形状とした、請求項1乃至4のいずれか1項の圧縮機
(膨張機)。
[請求項6]  圧縮機(膨張機)の構成が複数のピストンを供えた斜板式であって
、当該圧縮機(膨張機)全体の外周部に円筒状のロータリーバルブを
吸気(排気)バルブとして備え、ピストンの数をn個とすると当該吸
気(排気)バルブのバルブ開口部の数は(n±1)であることを特徴
とした、請求項1乃至4のいずれか1項の圧縮機(膨張機)。
[請求項7]  請求項1乃至4のいずれか1項の圧縮機(膨張機)を備えた容積形
機関。
[請求項8]  請求項7の容積形機関を備えた移動体。

要約書
  高回転化が容易な往復ピストン式連続可変容量圧縮機(可変圧膨張機)を提供する

  圧縮室(膨張室)の周りを囲む形で円筒状のロータリーバルブを吸気(排気)バル
ブとして備え、当該バルブおよび吸気(排気)ポートはバルブ回転軸方向に幅の変化
する開口部を備え、当該バルブもしくはポート構成部材を回転軸方向移動することに
より開閉タイミングを変える可変バルブ機構を備える。
  冷媒圧縮用の圧縮機、容積型機関の過給機、及び排気回生機として適している。
  特に過給機としてミラーサイクル機関や排気回生機付機関と組み合わせれば、過給
圧を高圧化するほど小型化でき燃費が向上する。そのため移動体用の機関として特に
優れたものとなる。

[図1]



[図2]



[図3]



[図4]



[図5]



[図6]



[図7]



[図8]



[図9]



[図10]



[図11]



[図12]



[図13]



[図16]



[図14]



[図15]