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(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気ポートと掃気ポートを備えた(1)吸気、(2)圧縮、(3)爆発・膨張、(4)
排気、(5)掃気導入、(6)掃気排気の全6行程を持つ内燃機関(以下、6サイクル機
関という。)であって、排気ポートから分離した循環ポートを掃気ポートに接続し、掃気
を全て排気循環ガスに置換可能なことを特徴とする6サイクル機関。
【請求項2】
吸気ポートに第1バルブを備え、掃気ポートに第2バルブを備え、これらのバルブはア
クセル操作に連動して動作する手段と、アクチュエータの動作により第1バルブの開度と
第2バルブの開度を相対的に変化させることのできる手段を備えたことを特徴とする、請
求項1の6サイクル機関。
【請求項3】
直噴式6サイクル機関であって、吸気バルブが掃気導入行程のときにも開き、かつその
掃気導入行程時のバルブ開角を変化させることの出来る連続可変バルブタイミング機構を
備えたことを特徴とする、請求項2の6サイクル機関。
【請求項4】
請求項2又は請求項3の6サイクル機関のバルブ制御システムであって、排気触媒の温
度を感知する手段を備え、排気触媒の温度により第1のバルブと第2のバルブの相対的な
開度を制御するアクチュエータを駆動する手段を備えたことを特徴とするバルブ制御シス
テム。
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【請求項5】
第2のバルブとは別に掃気ポートの上流に掃気ポートバルブを備え、当該掃気ポートバ
ルブと第2バルブの中間に排気ポートから排気ガスを循環供給する循環ポートの接続部を
備えたことを特徴とする、請求項2又は請求項3の6サイクル機関
【請求項6】
請求項5の6サイクル機関の掃気ポートバルブのコンピュータを用いた制御システムであ
って、当該コンピュータは排気触媒の状態を感知する手段と、第1バルブの開度を感知す
る手段と、掃気ポートバルブの開口量を変化させるアクチュエータを駆動する手段を備え
たことを特徴とするバルブ制御システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、6サイクル機関の排気触媒の状態の制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
燃料供給装置を備え、混合気を供給する吸気ポートと、新気のみを供給する掃気ポー
トを備える予混合式6サイクル機関は知られている(例えば、特許文献1参照)。6サイ
クル機関の掃気ポートを省略し、掃気導入行程で排気バルブを開き、排気を導入する方法
は知られており、燃費競技車両で使われ好成績を残している事実がある(例えば、非特許
文献1参照)。
【0003】
機関の運転状態によりバルブを駆動するカムを切換えて使用する可変バルブタイミン
グ機構は種々のタイプのものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
連続可変バルブタイミング機構はスロットル弁の代用となるものであり、ポンピングロ
スが低減されることは知られている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】実開平2-96435 公報
【特許文献2】特開平5-179913 公報
【特許文献3】特開昭55-137305 公報P9からP10
【非特許文献1】自動車技術 2004年Vol.58 No.10 P27
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
6サイクル機関の特徴は、掃気導入行程と掃気排気行程の存在により燃焼室の温度を低
下させ、4サイクル機関に対して高い圧縮比を実現することにより燃費が向上することに
ある。特許文献1の6サイクル機関は、排気ガス中の酸素濃度を検出する空燃比センサを
安定作動させるために、排気ポートを燃焼ガスの排気用と掃気排気用の2つ備えた。しか
し、実際には触媒のセンサの反応速度はそれほど早くなく、平均的な数値が感知されるの
で危惧するほどの問題ではなかった。逆に、燃焼室に残る燃焼ガスが掃気に混合するので
、その燃焼ガスが後処理なく排出されてしまうことが問題となる。そこで、特許文献1で
言うところの従来型6サイクル機関のように排気ポートは1つとし、排気と掃気排気のガ
スを全て触媒を通過させた上で排出することとし、そのことにより問題となる触媒の温度
低下や酸素過多となる問題を、掃気ポートのバルブの開度調整によって制御しようとする
ものである。
【0006】
排気ポートを1つとした場合、掃気が排気に混じることにより排気触媒の温度が低下し
、触媒が活性化しにくいという問題が生じる。この問題に対しては、6サイクル機関の排
気の保温に配慮することにより解決する。燃焼室ばかりでなく触媒を含めた排気ポート内
壁も断熱材を多用し、排気ガスの温度維持に配慮することである。そのとき、排気触媒温
度が高くなり過ぎる場合が生じるので、温度を調整するための冷却手段を確保すべきであ
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る。本発明はこの温度を調整するための適切な冷却手段を与えるものである。
【0007】
同様に掃気を新気により構成した場合に触媒が酸素過多となり、触媒の還元作用が働か
なくなる問題が生じる。その対策として、4サイクル機関では燃料噴射量を増やしたり、
吸気に排気ガスを循環させるEGR(Exhaust Gas Recirculation:排出ガス再循環)シ
ステムを備えたりする手段が成立するが、6サイクル機関では燃焼に使われない掃気の存
在により、これらの手段を単純に採用しただけではやはり酸素過多の問題が残る。また、
この掃気の存在によりEGRシステムが大きくなるという問題や、暖気に時間が掛かると
いう問題が生じる。
【0008】
本発明において直噴式機関とは、ディーゼル機関のような圧縮着火機関と、ガソリンな
どの燃料を気筒内に直噴する火花着火機関の総称である。また、第1および第2バルブは
一般的には吸気および掃気ポートに設けられたスロットルバルブとしてのバタフライバル
ブやスライドバルブ等を言うが、本発明においては機関のクランク回転に対するバルブの
開く角度やリフト量を連続的に制御する連続可変バルブタイミング機構を採用した吸気や
掃気のポペットバルブも含まれる。第1および第2バルブをこのようなバルブとした場合
、吸気や掃気のガス流入量を絞る場合にバルブ部での圧力低下が無くポンピングロスを削
減することができるので、当該機構を採用した機関はより燃費効率の高いものとなる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の課題解決手段は、吸気ポートに第1バルブと燃料供給装置を備え、掃気
ポートに第2バルブを備え、これらのバルブはアクセル操作に連動して動作する手段と、
アクチュエータの動作により第1バルブの開度と第2バルブの開度を相対的に変化させる
ことのできる手段を備えたことを特徴とする予混合式6サイクル機関である。
【0010】
第2の課題解決手段は、吸気ポートに第1バルブを備え、掃気ポートに第2バルブを備
え、これらのバルブはアクセル操作に連動して動作する手段と、アクチュエータの動作に
より第1バルブの開度と第2バルブの開度を相対的に変化させることのできる手段を備え
、掃気を全て排気循環ガスに置換可能なシステムを備えたことを特徴とする直噴式6サイ
クル機関である。
【0011】
第3の課題解決手段は、掃気を全て排気循環ガスに置換可能なシステムを備えたことを
特徴とする、第1の課題解決手段による6サイクル機関である。
【0012】
第4の課題解決手段は、吸気行程のときに吸気バルブと掃気バルブの両方のバルブが開
くことを特徴とする、第1の課題解決手段による6サイクル機関である。
【0013】
第5の課題解決手段は、吸気バルブが掃気導入行程のときにも開き、かつその掃気導入
行程時のバルブ開角を変化させることの出来る連続可変バルブタイミング機構を備えたこ
とを特徴とする、請求項2の6サイクル機関である。
【0014】
第6の課題解決手段は、第1の課題解決手段から第5の課題解決手段の6サイクル機関
のバルブ制御システムであって、排気触媒の温度を感知する手段を備え、排気触媒の温度
により第1バルブと第2バルブの相対的な開度を制御するアクチュエータを駆動する手段
を備えたことを特徴とするバルブ制御システムである。
【0015】
第7の課題解決手段は、排気バルブに可変バルブタイミング機構を備え、当該可変バル
ブタイミング機構は排気行程と掃気排気行程で排気バルブを開くノーマルモードと、排気
行程と掃気導入行程と掃気排気行程で開く暖気モードに相互に移行可能なものであること
を特徴とする、請求項1から請求項5の6サイクル機関である。
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【0016】
第8の課題解決手段は、第7の課題解決手段の6サイクル機関の可変バルブタイミング
機構のコンピュータを用いた制御システムであって、当該コンピュータは排気触媒の状態
を感知する手段と、当該可変バルブタイミング機構のバルブ開角を変化させるアクチュエ
ータを駆動する手段を備えたことを特徴とするバルブ制御システムである。
【0017】
第9の課題解決手段は、第2のバルブとは別に掃気ポートの上流に掃気ポートバルブを
備え、当該掃気ポートバルブと第2バルブの中間に排気ポートから排気ガスを循環供給す
るポートを備えたことを特徴とする、第1の課題解決手段から第5の課題解決手段の6サ
イクル機関である。
【0018】
第10の課題解決手段は、第9の課題解決手段の6サイクル機関の掃気ポートバルブの
コンピュータを用いた制御システムであって、当該コンピュータは排気触媒の状態を感知
する手段と、第1バルブの開度を感知する手段と、掃気ポートバルブの開口量を変化させ
るアクチュエータを駆動する手段を備えたことを特徴とするバルブ制御システムである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の第1の課題解決手段は、予混合式6サイクル機関の排気の温度の管理を行うこ
とができる利点がある。例えば排気触媒の温度が低い場合には、第2バルブの開度を通常
の負荷に対応した第1バルブの開度に対して相対的に開度を下げ、掃気の割合を減らす。
必要な場合には第2バルブを閉じてしまう。それにより掃気の割合を減らし排気温度を高
め、触媒温度を上げることが出来る。このことは暖気時の暖気時間の短縮にも効果があり
、より早く触媒温度を高めることができる。また逆に排気触媒温度が高い場合には、第2
バルブの開度を相対的に開くことにより、掃気の割合を増やし排気温度を下げ、触媒温度
を下げることができる。このとき掃気導入行程での通路抵抗が減りポンピングロスが削減
できる利点がある。吸気の量に影響する第1バルブと異なり、第2バルブの開閉は機関出
力に大きな影響を与えないため、排気温度を制御するためにスロットルバルブに相当する
第1バルブとは関連しながらも独立して開度を制御することが可能だからである。
【0020】
本発明の第2の課題解決手段は、直噴式6サイクル機関の排気触媒が酸素過多となる問
題を解決し、かつ排気の温度管理を行うことができる利点がある。排気触媒の温度管理の
方法としては第1の課題解決手段と同様である。排気循環ガスは一般的に冷却されて掃気
として利用される。吸気と掃気を区別せずに一様に循環ガスを混合するのと比較して、吸
気の酸素濃度は変化しないため、燃料供給量はあまり減らさずに済むので、出力を下げる
ことなく排気触媒の温度管理が行なえる利点がある。4サイクルのEGRシステムとは異
なり、基本的に掃気の全てを排気循環ガスに置き換えるので、循環ガス量は多くなるが構
造は単純である。更に精密な排気触媒の酸素濃度については吸気と掃気に含まれる新気の
量に対する燃料噴射量を調整することにより行う。必要であれば4サイクル機関と同様に
更に吸気にも循環ガスを回す。
【0021】
本発明の第3の課題解決手段は、第2の課題解決手段と同様に、予混合式6サイクル機
関の掃気を排気循環ガスに置き換えることによって、出力をあまり下げずに排気触媒が酸
素過多となる問題を解決することができる利点がある。
【0022】
本発明の第4の課題解決手段は、6サイクル機関の最高出力を向上させることのできる
利点がある。掃気導入時には掃気バルブのみが開き、新気を多く含む掃気を気筒内に導入
し、吸気時には吸気ポートからは混合気が、掃気ポートからは掃気が導入され気筒内で混
合される。吸気行程では、吸気ポートからの吸気のガス量と関係なく、吸気と掃気のガス
量の合計に比例した燃料を含む濃厚の混合気を導入することにより、気筒内に適切な混合
気を生成することができる。吸気バルブの面積は小さくすることができ、相対的に掃気バ
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ルブの面積は大きく取ることができる。そのため本課題解決手段を採用した予混合式機関
は、掃気時のバルブ開口面積を2バルブの4サイクル機関の吸気バルブと匹敵する大きさ
とすることができ、更に出力に最も影響する吸気時には吸気バルブと掃気バルブの両方の
バルブからガスを導入することになるので、合計のバルブ開口面積は2バルブの4サイク
ル機関以上のものとすることができ、4サイクル機関以上の回転数を実現可能とするもの
である。バルブ面積が確保できることによって通路抵抗が下がりポンピングロスが削減で
きる効果もある。
【0023】
本発明の第5の課題解決手段は、直噴式6サイクル機関の排気触媒の温度と酸素濃度管
理を行うことができる簡単な構成の自己EGRシステムであり、外部EGRシステムと掃
気系をコンパクトに出来る利点がある。乗用車などに使われる機関では最大出力で使われ
る機会は少ないので、最高出力時にまで必要な充分な大きさのEGRシステムを備えるこ
とはあまり合理的なことではない。機関回転数が低い場合には主に掃気ポートから排気循
環ガスを主体とした掃気を導入するが、機関回転数の高いところでは更に吸気バルブから
新気を不足する分だけ導入する。このようにすることにより掃気ポートと掃気バルブをコ
ンパクトに出来、その分吸気バルブや排気バルブを大きく取る事ができ、機関出力を向上
させ、ポンピングロスを削減することができる。また排気循環ガスの設定量が少なくて済
むことにより外部EGRシステム、特にその冷却系をコンパクトに出来る。一時的に高い
機関出力を要求されたときには、より温度の低い新気を吸気バルブから導入し、燃焼室の
温度を冷やす。機関が高出力で運転している場合であるので、排気触媒の温度が低くなり
すぎることはない。一時的に酸素濃度が高くなることになるが機関出力が低くなったとき
に燃料を濃くすることにより触媒の状態を調整することが可能である。
【0024】
本発明の第6の課題解決手段は、排気触媒の温度を感知して、それに対してアクチュエ
ータを駆動することにより、第1バルブと第2バルブの相対的な開度を変えることにより
、触媒の温度を自動的に適切に制御するシステムが得られる利点がある。
【0025】
本発明の第7の課題解決手段は、掃気導入行程で排気ポートから燃焼室に直接大量の排
気ガスを導入し、その量を可変とする内部EGRシステムを簡単な構成で実現することが
できる利点がある。また、制御システムと組み合わせることにより触媒の温度や酸素濃度
を自動制御することが可能となる利点と、機関の暖気を早める利点がある。予混合式の4
サイクル機関の吸気時に、大量の排気ガスを冷却せずに排気ポートから循環させれば、高
温の排気ガスが混合気に直接触れバックファイヤーなどの障害を起こすものであるが、6
サイクル機関の場合には排気に直接触れるのは燃料が含まれていない掃気であることによ
り可能となることである。
【0026】
6サイクル機関では、掃気導入行程で掃気ポートから新気及び冷却した排気循環ガスで
構成された掃気が導入され、燃焼室内部が冷却される。しかし圧縮比等は機関が常に正常
に作動可能なように運転状態が限界的な場合に合わせて設定してあるので、コールド状態
ではもちろんのこと、ある程度暖気された後においても、機関の温度や負荷やその継続時
間などによっては掃気により冷却する必要性が低い場合もある。本課題解決手段は、この
ように必ずしも排気循環ガスを全て冷却する必要がない事情に鑑み、発明されたものであ
る。
【0027】
本発明の第8の課題解決手段は、排気触媒の温度や酸素濃度などの状態を感知して、掃
気導入行程での排気ポートからの排気循環ガス量を自動制御して、触媒の状態を適切に保
つシステムを得られる利点がある。
【0028】
本発明の第9の課題解決手段は、掃気に対する外部EGRによる循環ガス量と新気の量
を、第2バルブと掃気ポートバルブの開度を制御することにより簡単なシステムで変化さ
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せることが出来、自動制御システムと組み合わせることにより触媒の温度や酸素濃度を調
整することが可能となる利点がある。中でも第5の課題解決手段との組み合わせた場合に
は、排気バルブからの内部EGRによる排気循環ガス量と掃気の量の比率を変化させること
ができ、機関の暖気を早める利点と、排気温度を精密に管理できる利点がある。
【0029】
本発明の第10の課題解決手段は、排気触媒の温度や酸素濃度などの状態を感知して、
第2バルブと掃気ポートバルブの開度を自動制御することにより、掃気の中の外部EGR
による排気ガス循環量と新気の割合を調整することにより、触媒の温度や酸素濃度の状態
を適切に保つシステムを得られる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】第1の課題解決手段を採用した多気筒予混合式6サイクル機関のシリンダーヘッ
ドの1気筒部分をピストン側から見た平面図(実施例1)
【図2】同 側面図(実施例1)
【図3】第1及び第2バルブとしての連続可変バルブタイミング駆動システム図(実施例
2)
【図4】第2の課題解決手段による直噴式6サイクル機関のEGRシステム図(実施例3
)
【図5】第4の課題解決手段による第1実施例の6サイクル機関のシリンダーヘッドをピ
ストン側から見た平面図(実施例4)
【図6】第4の課題解決手段による第2実施例の6サイクル機関のシリンダーヘッドをピ
ストン側から見た平面図(実施例5)
【図7】第5の課題解決手段による6サイクル機関のEGRシステム図(実施例6)
【図8】同機関の吸気バルブの連続可変バルブタイミング駆動システム図(実施例6)
【図9】第7の課題解決手段による第1実施例の排気バルブ駆動カムシャフトの断面図(
実施例7)
【図10】図9のカムのクランクの回転角度に対する排気バルブの設定加速度とバルブリ
フト量のグラフ(実施例7)
【図11】第7の課題解決手段による第2実施例の排気バルブ駆動システム図(実施例8
)
【図12】第6、第8、第10の課題解決手段を用いたバルブ制御システム図(実施例9
)
【図13】第6の課題解決手段のアクチュエータ93の制御フローチャート(実施例9)
【図14】第6の課題解決手段による第1バルブ開度に対する第2バルブ開度のマップ(
実施例9)
【図15】第8の課題解決手段による排気バルブ制御マップ(実施例9)
【図16】第10の課題解決手段による掃気ポートバルブ制御マップ(実施例9)
【符号の説明】
【0031】
1 6サイクル機関
16 燃料供給装置
17 点火プラグ
18 直噴インジェクター
20 シリンダーヘッド
20A,20B,20C シリンダーヘッドに設けられたポペットバルブの嵌入部
21 吸気ポート
22 吸気バルブ
23 第1バルブ
24 第1バルブ開度センサ
31 排気ポート
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32 排気バルブ
41 掃気ポート
42 掃気バルブ
43 第2バルブ
43B 掃気ポートバルブ
52 回転数センサ
63 排気触媒
68 触媒センサ
81、82 レバー
83、84 ロッド
85 リンク
91,91B アクチュエータ
92 アクチュエータロッド
93 排気バルブアクチュエータ
94 掃気ポートバルブアクチュエータ
111 循環ポート
112 循環ガス冷却器
120 吸気バルブタイミングカムシャフト
121,121B 吸気カム
123,123B,133,143 コントロールシャフト
124,124B,144 ロッド
126,126B,136,146 ロッカーアーム
126CF,136CF,146CF カムフォロワー
127,137,147 バルブリフター
127RA ラッシュアジャスター
127SH,137SH バルブリフターシャフト
128,128B,148 ロッカーアームシャフト
129,129B,149 ロッカーアームホルダー
130 排気バルブタイミングカムシャフト
131 ノーマルカム
131B 排気カム
132 暖気カム
132B 排気バルブの掃気カム
138 偏心輪
139 スプリングピン
141 掃気ノーマルカム
510 アクセルペタル
610 制御用コンピュータ
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
6サイクル機関の排気ポートは1つとし、排気と掃気排気の全てを排気触媒を通過させ
ることとし、排気触媒の温度低下の問題に対しては燃焼室及び排気系を断熱化し、掃気ポ
ートのバルブの吸気ポートのバルブに対する相対開度の調整を行なうことにより温度管理
を行なう。触媒が酸素過多となる問題に対しては、掃気の全てを排気循環ガスに置換する
EGRシステムにより、EGRシステムが大きくなる問題や暖気に時間が掛かる問題に対
しては、排気バルブを掃気導入行程において開く自己EGRシステムにより解決した。
【実施例1】
【0033】
図1の多気筒機関予混合式6サイクル機関は、燃焼室に吸気バルブ22と排気バルブ3
2と掃気バルブ42の3種のバルブを備えている。点火プラグ17はこれらのバルブ面積
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を少しでも大きく取るように中心を外れて配置されている。吸気ポート21と掃気ポート
41はそれぞれ独立しており、吸気ポート21には燃料供給装置16があり混合気が、掃
気ポート41からは新気である掃気が導入される。吸気ポート21にはバタフライバルブ
である第1バルブ23が、掃気ポート41にも同一の形式の第2バルブ43が、それぞれ
独立して回転可能なシャフトに固定されている。
【0034】
図2は、図1のシリンダーヘッド20を図1の上方から見た側面図であり、その第1と
第2バルブ制御機構のリンク周りの作動を示している。一般的に自動車などの移動体では
アクセルペタルを踏み込むことによって、もしくはスロットルグリップを回すことによっ
て、搭載している内燃機関の吸気ポートにあるスロットルバルブを開く方向に連動して動
作させる(図12参照)。本実施例にも図示されていない同様の連動機構を備え、運転者
の操作に対して、スロットルバルブに相当する第1バルブ23を連動して動作する。更に
第1バルブに対して、レバー81、ロッド83、リンク85、ロッド84、レバー82を
介して、第2バルブ43が連動している。アクチュエータ91は外部から排気温度などに
よりロッド92の突き出し量を変えるように駆動される。排気触媒温度が適切な場合、ア
クチュエータ91は(A)図に示された状態にあり、第2バルブ43は第1バルブ23の
開度と同一の開度となる。排気ガス温度検出値が高くなると(もしくは排気触媒温度が高
くなると予想されると)(B)図に示すようにアクチュエータ91が駆動されリンク85
の支点を支えているロッド92を突き出す。その動きに伴いロッド84は第2バルブ43
を2点鎖線の(A)図の位置から開く方向に動作し、より多くの掃気を導入する。逆に排
気ガス温度検出値が低くなると(もしくは排気触媒温度が低くなると予想されると)アク
チュエータ91のロッド92が引っ込み、第2バルブ43を第1バルブ23に対して相対
的に閉じ、より少ない量の掃気しか導入されないように作動する。
【0035】
本発明の第1の課題解決手段において、アクセルペタルやスロットルグリップに連動す
るバルブを吸気ポートにある第1バルブ23に限定するものでは無く、吸気ポートと掃気
ポート全体に対して、一つのスロットルバルブを備え、その下流の吸気ポートか掃気ポー
トの片方にアクチュエータで開閉する別のバルブを備えた場合でも同様な効果があること
は当業者にとっては自明なものである。また、リンク機構に変えて、直接第2バルブを動
作するアクチュエータを備え、それを第1バルブの動きに連動するように電子制御により
動かすものであっても良い。これらは第1の課題解決手段の発明概念に含まれるものであ
る。
【実施例2】
【0036】
図3は、第1バルブとして吸気バルブに、第2バルブとして掃気バルブにそれぞれ連続
可変バルブタイミング機構を採用した、第1の課題解決手段による6サイクル機関のバル
ブ駆動システムである。シリンダーヘッドは省略されている。吸気バルブ22と掃気バル
ブ42の大きさは等しく、手前が掃気バルブであり、本図ではこのバルブも含めて吸気系
の可変バルブタイミング機構の構成部品(126~129)は掃気系の構成部品と重なり
合っている。掃気バルブや吸気バルブに連続可変バルブタイミング機構を採用した場合、
バルブ部での圧力低下が無くポンピングロスを削減することができるので、吸気や掃気の
ガス流入量を絞るパーシャル領域でより燃費効率の高いものとなる。このポンピングロス
の削減効果は予混合式機関ばかりでなく、直噴式機関でも効果がある。またポンピングロ
スを配慮しないですむので、燃焼速度の遅いリーン燃焼を用いる必要がなく、素早い燃焼
が可能な点でも燃費向上に効果がある。
【0037】
本実施例の吸気バルブ22と掃気バルブ42の連続可変バルブタイミング機構は、それ
ぞれにクランク状のコントロールシャフト123、143を備え、実施例1と同様の2点
鎖線で示したリンク機構(85等)を備え、アクチュエータ91によりバルブ開度を相対
的に制御することができるものである。本実施例では両コントロールシャフトとカムシャ
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フトは2点鎖線で表したシリンダーヘッド上面に位置している。排気触媒温度が適切な場
合、アクチュエータ91は本図の状態となり、吸気バルブ22と掃気バルブ42は比例す
るバルブ開口量となるようにリンク機構により連動して動作する。アクチュエータ91は
外部からロッド92の突き出し量を変えるように駆動され、吸気バルブのバルブ開口量に
対して掃気バルブの相対的開口量を調整する。
【0038】
当該システムは共通のカムシャフト120に対して、それぞれのバルブ機構としてそれ
ぞれのカム121,141が備えられ、それらのカムに対してカムフォロワー126CF
,146CFを備えたロッカーアーム126,146を備え、当該ロッカーアームの揺動
運動に連動して揺動するバルブリフター127,147により、それぞれのバルブを押し
開く。それぞれの連続可変バルブタイミング機構はそれぞれのコントロールシャフトの回
転により、ロッド124,144を介してカムの回転方向にロッカーアームホルダー12
9,149ごと2点鎖線で示したシリンダーヘッドにより形成された円弧状のガイドに沿
ってロッカーアームを移動することにより、カムの回転角に対するカムフォロワーの位置
を変え、それぞれのバルブの開閉タイミングを変化させ、同時にバルブリフターに対する
作用点の位置を変えることによりバルブリフト量を変化させる。
【0039】
本実施例のカムシャフトは反時計回りに回転している。アクセルペタルを踏み込むこと
によって、搭載している内燃機関の第1バルブである吸気バルブのコントロールシャフト
123を反時計回りに回転させ、バルブの開口量を大きくする方向に連動して回転する。
本図の状態がアクセルを踏み込んだ状態に対応し、バルブのリフト量が最大となっている
。アクセルを緩めるとコントロールシャフト123、143が図に対して時計周りに回転
することにより、ロッカーアーム126,146が右に移動し、ロッカーアームの揺動中
心であるロッカーアームシャフト128,148がバルブリフターとの作用点に近づきバ
ルブリフトが減り、同時に開閉タイミングが早くなる。各バルブのポペットバルブ22,
42のヘッド部分にはシリンダーヘッドに嵌入部20A,20Bが設けられており、バル
ブヘッドが当該嵌入部にある場合開口面積が0になる構成になっており、バルブの開口面
積が急速に開くようになっている。
【0040】
本実施例の連続可変バルブタイミング機構はこのコントロールシャフト123,123
Bの回転のみで開角とタイミングを同時に変化させることができ、ロッカーアームに掛か
る力は対向しているのでほぼ打ち消しあい、支持トルクが小さくてすむのでスロットルバ
ルブと同様に操作系に連動させて動作させることができる。電子制御を用いてアクチュエ
ータで動作させる場合にも小さな駆動力のもので済む特徴がある。
【実施例3】
【0041】
図4は第2の課題解決手段による直噴式3バルブ6サイクル機関のEGRシステムの概
念図である。シリンダーヘッド20はピストン側から見た図となっている。本実施例では
排気ポート31から掃気ポート41への循環ポート111を有し、そこに排気ガスを冷却
する冷却器112を備えている。掃気導入行程では掃気バルブ42から冷却された排気循
環ガスを掃気として導入し、吸気行程では吸気バルブ22から新気を導入する。本実施例
の第1バルブ23及び第2バルブ43の作動は実施例1と同様である。排気温度検出値が
高いときは、第2バルブは第1バルブに対して相対的に開き、排気温度検出値が低いとき
は、第2バルブは第1バルブに対して相対的に閉じる。
【0042】
本図のEGRシステムを第1の課題解決手段による吸気ポートに燃料供給装置を備えた
予混合式機関に採用したものが第3の課題解決手段による6サイクル機関である。
【実施例4】
【0043】
図5は第4の課題解決手段による予混合式6サイクル機関のシリンダーヘッド20をピ
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ストン側から見た平面図である。本実施例では掃気バルブ42と排気バルブ32は大きく
、吸気バルブ22は相対的に小さくなっている。吸気ポートからは混合気が、掃気ポート
からは基本的に新気が供給される。掃気導入行程では掃気バルブのみが開くが、吸気行程
では吸気バルブと同時に掃気バルブも開き混合気と新気を導入する。吸気ポートには1回
の爆発に必要な燃料が噴射されており、通常の機関の吸気と比べると濃い混合気となって
おり、吸気行程と圧縮行程の間に掃気バルブから導入された掃気と混合されシリンダー内
を所定の混合気状態とする。本課題解決手段によれば、実施例1の機関のバルブ配置に比
較して掃気バルブ面積を大きく設定することができ、特に出力に最も影響する吸気行程時
のバルブ面積は吸気と掃気の2つのバルブの合計となるため4サイクル機関以上の面積と
なり、4サイクル機関と同等もしくはそれ以上の回転数を実現できるものである。図示さ
れていないが本実施例でも第1と第2バルブが存在し、吸気に対する掃気の量を調整可能
としている。
【実施例5】
【0044】
図6は第4の課題解決手段による5バルブのシリンダーヘッド20をピストン側から見
た平面図である。本実施例ではバルブサイズはほぼ等しいが、掃気バルブ42が2つ、吸
気バルブ22は1つ、排気バルブ32は2つとバルブの数で各バルブの合計面積に差を付
けている。バルブのひとつひとつが小さいことにより、少ないリフト量で全開となるので
機関回転数を高められる利点がある。
【実施例6】
【0045】
図7は、第5の課題解決手段による6サイクル機関のシリンダーヘッド20をピストン
側から見た平面図とそれを含めたシステム模式図である。本機関の掃気バルブ42は排気
バルブ32、吸気バルブ22より一回り小さく、排気バルブに隣接している。排気ポート
31から排気循環ガスを循環ポート111に備えた冷却器112で冷却して掃気ポート4
1に導き、掃気バルブを通してそのガスを燃焼室に導入している。本実施例のEGRシス
テムの容量は機関出力が高い場合には不足する設定となっており、その分EGRシステム
はコンパクトになっている。機関出力が低い場合では掃気導入行程で吸気バルブは開かず
、掃気バルブからのみ掃気を導入する。機関出力が高い場合には掃気ガス量が不足するの
で掃気導入行程で吸気バルブが開き、不足分の新気を燃焼室に導入する。つまり掃気導入
行程で吸気バルブを開くのは一定以上の機関回転数とスロットルバルブ開度で、その開口
量は最大出力付近で最大となる。掃気導入行程における吸気バルブの開口量を制御マップ
で表すと図16のようになる。
【0046】
図8は、本実施例の吸気バルブの連続可変バルブタイミング駆動システムを示している
。本システムは図3のシステムに類似しているが、2つのロッカーアーム146、146
Bの動きに対して作動角の大きい方のロッカーアームに追随する単一のバルブリフター1
27を備え、吸気バルブ22のみを駆動する。コントロールシャフト123は第1バルブ
としての吸気行程での吸気バルブの開口量を、コントロールシャフト123Bは吸気バル
ブの掃気行程での開口量を変化させる。本実施例ではコントロールシャフト123Bは1
23とリンク機構で連動しておらず、独立して駆動されるアクチュエータ91Bにより動
作している。
【実施例7】
【0047】
図9は、第7の課題解決手段による6サイクル機関の排気バルブの可変バルブタイミン
グ機構のカムシャフト130の断面図である。本カムシャフトを含めた6サイクル機関の
全てのバルブ駆動用カムシャフトはクランクが3回転する間に1回転する。本図のカムの
12時方向が爆発・膨張行程の開始のピストンが上死点となるポイントに対応し、本カム
シャフトは反時計回りに回転する。カムシャフト130には2種のカムがあり、手前側に
あるカムが排気バルブ駆動用のノーマルモード用のカム131(以下、ノーマルカムとい
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う。)であり、排気行程及び掃気排気行程でバルブが開くように設定されている。奥に見
えているのが暖気モード用のカム132(以下、暖気カムという。)で、更に掃気導入行
程でもバルブが開くように設定されている。
【0048】
図10は本実施例の排気バルブカムシャフトを用いた6サイクル機関のクランクの回転
角度に対する排気バルブの設定加速度とバルブリフト量を示すグラフである。上のグラフ
の縦軸は排気バルブ設定加速度を表しておりバルブが開く方向の加速度を正としてある。
下のグラフの縦軸は排気バルブのバルブリフト量を表し、横軸は共にクランクの回転角度
を表している。1サイクル6行程でクランクは3回転するが、その内の第3行程である爆
発・膨張行程の開始するピストンが上死点となるポイントを0°として、爆発・膨張、排
気、掃気導入、掃気排気、吸気の第3行程から次のサイクルの第1行程までの全5行程の
クランク角度として計900°を180°を1目盛として表している。
【0049】
点線はノーマルカム131の排気バルブの設定加速度とバルブリフトカーブを示してい
る。バルブリフトカーブの最初と最後の部分にはわずかな傾きの直線で表された緩衝部が
ある。最初の緩衝部の終了ポイントでバルブの設定加速度によるバルブリフトが始まる。
バルブの設定加速度は一定の加速度以下で連続するように設定されている。加速度が連続
していることによりバルブリフトカーブは全体としては滑らかな曲線を描く。ノーマルカ
ムは、排気行程も掃気排気行程も同様に最大バルブリフトの1/8のリフトのところでク
ランク角を見ると、下死点前30°で始まり上死点後5°で終わる合計215°のカム山
を持つ。
【0050】
本実施例の暖気カム132の設定加速度とバルブリフトカーブは実線のように設定され
ている。暖気カムの排気行程におけるバルブ開角はノーマルモード用のカムと同一で、上
死点付近のバルブとピストンのクリアランスはノーマルカムと同じである。しかし上死点
を過ぎるとノーマルカムとは異なりバルブは着座せずに再度リフトを開始し、ノーマルモ
ードの最大カムリフト量を超えたところで一旦リフト量が一定となる。ノーマルモードの
掃気排気行程でのカムリフト最大ポイントに近づくと再度着座方向に加速し始め、バルブ
を着座させるまでノーマルカムに倣う形となる。このように暖気カムはノーマルカムに対
して常にカムリフトが同じか大きい。これにより特許文献2のような単純な可変バルブタ
イミング機構を用いることが出来る特徴がある。
【0051】
本実施例では2つのカム山間のバルブリフトの最小リフトポイントは掃気導入行程が開
始した後のクランク角で上死点後26.5°のポイントとなる。しかし、下死点ではピス
トンとバルブは離れているのでバルブは閉じる必要がなく、バルブリフト量を最大のまま
維持することが出来るので、掃気導入行程におけるバルブ開口量は充分確保することがで
きる上、掃気排気行程におけるバルブ開口量も増える。このバルブ開口量の増加はポンピ
ングロスの削減に効果がある。
【実施例8】
【0052】
図11は、第7の課題解決手段を採用した第2実施例の6サイクル機関の排気バルブ3
2の連続可変バルブタイミング駆動システムである。シリンダーヘッドは省略してある。
時計回りで回転するカムシャフト130に排気行程でバルブを開く排気カム131Bと、
掃気導入行程と掃気排気行程で開く掃気カム132Bを備えており、掃気カムに対しての
み連続可変バルブタイミング機構が備えられている。ロッカーアーム136の支点となる
偏心輪138はコントロールシャフト133とスプリングピン139により1体となり回
転する。当該ロッカーアームの奥に排気カム用のロッカーアーム136Bがあり、その支
点はコントロールシャフト133によって直接支持されているので、コントロールシャフ
トが回転しても支点は移動せず、ロッカーアーム136Bの揺動には変化が無い。これら
2つのロッカーアーム136,136Bは共通のバルブリフター137を揺動させ、排気
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バルブ32を開口する。なお、図示されていないがロッカーアームにはカムフォロワーを
カムに押し付けるスプリングが備えられている。
【0053】
本図は暖気状態であり、掃気導入行程での排気バルブの開口量が最大となるコントロー
ルシャフトの回転角となっている。コントロールシャフトを時計回りに回転させることに
より、カム132の回転方向にロッカーアームの支点位置を移動させることになり、カム
の回転に対するタイミングを遅らせバルブの開閉時期を遅れる。同時にバルブリフターに
対する作用点位置をバルブリフターシャフト137SHから遠ざけることにより、バルブ
リフターの揺動が減り、バルブリフト量を減らす。このようにコントロールシャフトが本
図から右回転することにより、掃気導入行程の間で開き掃気排気行程の終わりで閉じてい
た排気バルブが、徐々に開くポイントを遅らせ、掃気導入行程での開口量を減らして行く
。この間、排気行程では同じタイミングでバルブが開閉している。
【実施例9】
【0054】
図12は、第6、第8および第10の課題解決手段を採用したバルブ制御システム図で
ある。本実施例の6サイクル機関1は、第1バルブと第2バルブとして図3の連続可変バ
ルブタイミング機構を備えた吸気バルブ22と掃気バルブ42を備え、更に第9の課題解
決手段の掃気ポートバルブ43Bを備えている。吸気ポートは掃気ポートの向こう側に有
り、本図では図示されていない。排気バルブには図11の連続可変バルブタイミング駆動
システムが備えられている。排気ポートと掃気ポートの間には排気ガスを循環させるポー
ト111が備えられており、そこには冷却器112が備えられている。
【0055】
制御用コンピュータ610は、ドライバーの操作するアクセルペタル510に連動して
作動する第1バルブのコントロールシャフトに取り付けられた第1バルブ開度センサ24
と、排気の温度と酸素濃度を感知する触媒センサ68からの信号を受ける手段と、排気の
状態により第1バルブと第2バルブの相対的な開度を制御するアクチュエータ91を駆動
する手段を備えている。触媒センサ位置はセンサの感知遅れと、排気ガス変化に対する触
媒の状態変化の遅れがほぼ等しい位置に置かれており、センサの感知遅れの補正を物理的
に行っている。更に制御用コンピュータ610は機関回転数を検知する回転数センサ52
を備え、バルブ43Bの開閉動作をさせるアクチュエータ94を駆動する機能を備え、掃
気吸入時に排気循環ガスが不足する分の新気を掃気ポートに導入する。制御用コンピュー
タ610は、更に排気バルブのコントロールシャフトを回転動作させるアクチュエータ9
3を駆動する機能を備えている。
【0056】
図13は本実施例のアクチュエータ91の駆動制御をフローチャートで示したものであ
る。暖気が済み、排気温度検出値が適切な値となればアクチュエータ91は定常の位置に
あり第1バルブと第2バルブは比例した開口量となるが、排気温度検出値が高いとき(も
しくは排気触媒温度が高くなると予想されるとき)はロッドを押し出し、第2バルブの開
口量を相対的に増やし、排気温度検出値が低いとき(もしくは排気触媒温度が低くなると
予想されるとき)はロッドを引き、第2.バルブの開口量が減らす。本制御のロジックは
単純なものであるので、必ずしもコンピュータ等によって制御する必要はない。例えば熱
によって膨張する流体によりアクチュエータを駆動するシステムであっても制御すること
ができる。
【0057】
図14は、本実施例の排気温度検出値に対する第1バルブ開度に対する第2バルブ開度
をマップに表したものである。電子制御を行なう場合には、第2バルブが常に作動範囲内
にあるように、このようなマップとなっている。
【0058】
図15は、本実施例の排気温度検出値に対する排気バルブ32が開くタイミングを表し
た制御マップである。角度は、掃気導入行程終了点であるピストン下死点から何度手前で
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排気バルブ開くかをクランク角で表している。基本的に一定温度以下では掃気行程での開
角を広げ、一定温度以上では徐々に開角を減らす。また第1バルブが閉じたときには掃気
導入行程で排気バルブを開ける必要がないので、その場合も開角を減らす。開角が最低の
場合でも掃気行程でのバルブリフト量を確保するため下死点後10°で閉じる。コンピュ
ータ610は当該マップで各検出値に対するアクチュエータ93の作動目標値を算出し、
適切な位置にアクチュエータを動作させる。本実施例では連続可変バルブタイミング機構
を使用しているので、連続的にバルブ開度を変化させているが、図9のようなカムを切換
る方式の可変バルブ機構では、第1バルブ開度と温度による1本のラインより上になると
暖気カムからスタンタードカムに切換える。本実施例では酸素濃度の調整は燃料供給量を
調整することにより行なっているが、排気バルブを掃気吸気時に開ける場合には排気が導
入される分掃気の導入量が減ることを考慮して行なっている。
【0059】
図16は、本実施例の機関回転数検出値と機関トルクと対する掃気ポートバルブ43B
の開度の制御マップである。制御用コンピュータ610は、まず、機関回転数検出値と第
1バルブ開度検出値から機関トルクを推定する。次にこの機関トルクと機関回転数検出値
から当該マップにより掃気ポートバルブの目標開度を読み取り、適切な位置にアクチュエ
ータ94を動作させる。基本的には供給可能な循環ガス量に対して掃気が不足する領域で
掃気ポートバルブ43Bを開き、不足分の新気を導入する。そのため、掃気ポート41の
圧力を感知して、圧力が低くなった場合に掃気ポートバルブを開く制御を行なっても同様
である。制御用コンピュータ610は、触媒の酸素濃度が低く還元雰囲気になっている場
合や、排気温度が高すぎる場合には新気の比率を高める方向、すなわち掃気ポートバルブ
を開ける方向に補正する。
【産業上の利用可能性】
【0060】
6サイクル機関は燃費競技車で使用されたと伝えられ、その実績から燃費に対してのポ
テンシャルが高いことは示されてきたが、使われた機関の具体的内容が公開されておらず
、反面、市場では4サイクル機関が技術的に完成されていることもあり、4サイクル機関
に比べて同一回転数で爆発回数が少なく出力低下が予想されたことなどから、本格的に量
産化に向けての検討がなされた形跡がない。しかし、実際に検討してみると、1)圧縮比
が高められるので燃費効率が向上し、2)吸気時の燃焼室温度が4サイクル機関に対して
低いので充填効率が向上し、3)吸気が開始されるときに燃焼室に残っているガスは掃気
なので酸素が存在するのでその分燃料の濃い混合気の使用ができる、という理由から6サ
イクル機関の出力は同一の排気量の4サイクル機関にかなり近い出力を出せることが分か
ってきた。
【0061】
更に、本発明の各課題解決手段により、懸念された触媒の状態を精密に制御する手段を
確立でき、その結果、実用化する際の全ての懸念が解決された。すなわち本発明による6
サイクル機関の利用可能性は、燃費の優れた内燃機関を必要とするすべての利用用途に対
して存在する。
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【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
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【図16】
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フロントページの続き
(51)Int.Cl. FI
F01L 13/00 (2006.01) F02D 13/02 J
F01L 1/12 (2006.01) F02D 13/02 L
F01L 1/18 (2006.01) F01L 13/00 301F
F01L 1/26 (2006.01) F01L 1/12 D
F01L 1/38 (2006.01) F01L 1/18 A
F01N 3/20 (2006.01) F01L 1/26 D
F01N 3/24 (2006.01) F01L 1/38
F02M 25/07 (2006.01) F02D 13/02 Z
F02D 9/02 (2006.01) F02D 21/08 301Z
F02D 21/08 301A
F01N 3/20 A
F01N 3/20 D
F01N 3/24 R
F02M 25/07 570Z
F02D 9/02 361J
F02M 25/07 510B
(56)参考文献 実開平02-096435(JP,U)
特表2004-516405(JP,A)
特開平05-059936(JP,A)
特開2000-170559(JP,A)
特開平04-325723(JP,A)
特開平11-182272(JP,A)
特開平08-296450(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.,DB名)
F02B75/02
F02B25/00
F02D13/02
F02D21/08
F02M25/07 |