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(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)吸気、(2)圧縮、(3)爆発・膨張、(4)排気、(5)掃気導入、(6)掃
気排気の全6行程を持つ内燃機関(以下、6サイクル機関という。)であって、吸気ポー
トに燃料供給装置を備え、
吸気ポートに吸気バルブ、掃気ポートに掃気バルブ、排気ポートに排気バルブを備え、
吸気行程のときに吸気バルブと掃気バルブの両方のバルブが開くことを特徴とする6サイ
クル機関。
【請求項2】
吸気バルブの総面積に比べて掃気ポートの総面積が大きいことを特徴とする請求項1の
6サイクル機関。
【請求項3】
燃焼室に直噴インジェクターを更に備えた請求項1又は請求項2の6サイクル機関。
【請求項4】
機関回転数を検出する手段と、機関の負荷を検出する手段と、当該両検出値によって当
該燃料供給装置と当該直噴インジェクターを制御するプログラムされたコンピュータを備
え、吸気ポートの燃料供給装置から燃料を供給しない運転領域が存在することを特徴とす
る請求項3の6サイクル機関。
【請求項5】
燃焼室内の点火プラグ位置を吸気バルブよりも掃気バルブの近くに配置したことを特徴
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とする請求項3の内燃機関。
【請求項6】
吸気バルブ駆動機構に可変バルブタイミング機構を備え、当該可変バルブタイミング機
構は吸気行程でのみ吸気バルブを開くノーマルモードと、吸気行程と掃気導入行程で開く
高効率モードに相互に移行可能なものであることを特徴とする請求項3の6サイクル機関
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブ開口機会を増やすことによりポンピングロスを削減して燃費向上を図
った6サイクル機関に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の内燃機関では、クランクシャフトにコンロッドを介して取り付けられたピストン
を、シリンダー内で往復させることにより、燃焼室の容積を変化させ圧縮膨張を繰り返す
、火花着火式の4サイクル機関が最も一般的である。混合気は新気を機関に導入する吸気
ポートに設置された燃料供給装置から燃料を供給することによって作られ、吸気ポートに
はスロットルバルブが備えられており、これを開閉することにより機関の負荷を変化させ
る。燃焼室にはポペット型の吸気バルブと排気バルブを備え、これらのバルブはカム駆動
機構を介してクランクの回転と同期して開閉し、吸気バルブから燃焼室に吸気ポートの混
合気を導入し、排気バルブからは燃焼後の排気ガスを排気ポートに排出する。シリンダー
ヘッドの燃焼室側には点火ブラグの着火部が露出しており、燃焼室内の混合気を圧縮した
ときに着火する構造となっている。以下、このような内燃機関を一般機関と呼ぶ。
【0003】
6行程で1サイクルを完了する内燃機関はいくつかのタイプのものが知られている(例
えば、特許文献1、2、3参照)。本発明は、この内のこれまで当業者によってもほとん
ど知られているものではなく産業利用性が見出せなかった(1)吸気、(2)圧縮、(3
)爆発・膨張、(4)排気、(5)掃気導入、(6)掃気排気の6つの行程を持つ内燃機
関にかかるものであり、以下このような6行程サイクル内燃機関のことを6サイクル機関
という。吸気ポート、掃気ポートと排気ポートの3つのポートを備え、吸気ポートに燃料
供給装置を備えた混合気吸気式6サイクル機関と、ディーゼル機関やガソリンのガソリン
直噴機関のように気筒内に直噴インジェクターを備え、吸気と掃気を兼用した掃気ポート
と排気ポートのみを備えた直噴式6サイクル機関とがある。
【0004】
火花着火式機関であって燃料供給を気筒内の直噴インジェクターから噴射することによ
り供給し、混合気を成層化して希薄混合気燃焼を可能として燃費の向上を図ることは知ら
れており、成層状態と混合状態とをいかに両立させるかの課題があること(例えば、特許
文献4参照)、点火プラグのくすぶりや黒煙などの問題を起こす課題があることは知られ
ている(例えば、特許文献5参照)。また2サイクル機関であるが、この気筒内の直噴イ
ンジェクターと別に吸気ポートにも燃料供給装置を備えたものは知られている(例えば、
特許文献6参照)。
【0005】
機関の運転状態によりバルブを駆動するカムを切換えて使用する可変バルブタイミング
機構は種種のタイプのものが知られている(例えば、特許文献7参照)。
【特許文献1】特開平8-210148 公報
【特許文献2】特公昭47-39845 公報
【特許文献3】特開2000-130180 公報
【特許文献4】特開2000-265841 公報
【特許文献5】特開2003-120299 公報
【特許文献6】特許2671225 公報
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【特許文献7】特開平5-179913 公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的に知られていることではないが一般機関に対しての6サイクル機関の利点は、原
理的には掃気導入行程と掃気排気行程により燃焼室内部の掃気冷却を行なうことにより燃
焼室の温度を下げ不整燃焼の発生を抑え、圧縮比を高めることが可能なことにより、燃焼
ガスのエネルギーをより多く運動エネルギーに変換できることにより燃費の向上を図るこ
とができることにある。それに対して6サイクル機関の課題は一般機関のように吸気ポー
トに燃料供給装置を設けた混合気吸気式6サイクル機関では、最低でも吸気、排気、掃気
のそれぞれ専用の3つのポートと3つのバルブを必要とし、そのため各バルブの面積が狭
くなり、機関の各ガスの交換行程でのポンピングロスが拡大するという問題が生じること
である。更にこのことは機関の回転数を上げることができない問題につながっていた。ま
たパーシャル時にスロットルバルブで新気の導入量を絞ると吸気だけでなく掃気も同様に
絞ることになるために、1サイクルで吸気行程と掃気導入行程の2つの行程で負圧による
ポンピングロスが発生し、一般機関よりポンピングロスが大きくなるという問題が発生す
る。
【0007】
6サイクル機関の特徴である燃焼室内部の温度を下げる掃気導入行程と掃気排気行程の
存在により、逆に暖気時に機関本体や排気触媒温度の昇温に時間が掛かるという問題が発
生する。また触媒によっては酸素濃度が高すぎると浄化がうまく進まないものもあるのに
対して、掃気が排気に混じることにより酸素過多となる問題がある。この対策としてEG
R(Exhaust Gas Recirculation:排出ガス再循環)システムを用いる手法があるが、6
サイクル機関では一般機関のように吸気の一部を循環ガスに置き換えるだけではなく掃気
のすべてを循環ガスに置き換えることが可能なので、循環ガス量を多く必要としシステム
が大きくなる問題がある。このように大きなEGRシステムを備えたとしても、コールド
スタート時にはシステムの温度が上昇するまでEGRガス温度が上昇しないため、排気触
媒の温度を急速に上げるのは困難であるという問題があった。
【0008】
火花着火式6サイクル機関の場合でも4サイクル機関と同様に、気筒内を成層混合状態
として薄い混合気に着火できるようにし、パーシャル時により多くのガスを導入できるよ
うにしてポンピングロスを削減することが可能である。本目的のために直噴インジェクタ
ーを備えた直噴式6サイクル機関とした場合には吸気と掃気のバルブを兼用にできるので
、インジェクターのスペースを確保することを条件に一般機関に近いバルブ面積の確保は
可能で、機関回転数は同一排気量の一般機関と同等の回転数を達成することができる。し
かし、4サイクル機関と同様に、燃料噴射量が多く必要となる高負荷高回転のときにはプ
ラグ周りの混合気が濃くなりすぎてプラグのくすぶりが発生したり、燃焼室内に局部的に
濃い領域ができ黒煙が発生する問題があった。また直噴インジェクターを備えた火花着火
式内燃機関全般にいえることであるが、内燃機関の最高出力はほぼ最高回転数で発生する
ので、その時の最大噴射量に合わせて極めて短時間で燃料を大量に供給しなければならな
いため、燃料の供給圧力を極めて高くする必要があり、燃料ポンプの仕事量が大きくなり
、コストを掛けても吸気ポートに燃料供給装置を備えたものに比べて実燃費が良くならな
いという問題があった。
【0009】
これらの問題の解決のために吸気ポートにも燃料供給する手段を備え、低負荷低回転以
外の領域では吸気ポートにも燃料を供給し、混合ガスとして燃料を吸気ポートからも供給
する手法があるが、本手法を採った場合でも燃焼室を均質の混合気とした状態のところに
成層状態にするように設定された直噴インジェクターから燃料を噴射すれば、やはり点火
プラグ周りの混合気が濃くなりすぎてプラグのくすぶりや黒煙が発生するという問題は発
生する。特許文献6にある2サイクル機関の場合、吸気ポートの燃料供給装置で供給した
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燃料は、クランク室で均質混合されてしまうので、気筒内の直噴インジェクターは成層状
態を形成するものにできるものではなく、低負荷時に混合気が排気に混じり捨てられるこ
とのみを防止するものであった。
【0010】
この点火プラグのくすぶりや黒煙の発生に対するひとつの解決手段として、高負荷高回
転のときには直噴インジェクターから燃料を供給せず、吸気ポートの燃料供給装置からの
み燃料を供給し、均質混合気の状態で着火する手法も考えられる。しかし噴射するために
供給される燃料は直噴インジェクターを冷却する効果も持っているので、燃焼室に燃料供
給口を持つ直噴インジェクターを高負荷高回転のときに作動させないとなれば、直噴イン
ジェクターは内部までが高温となり内部の燃料が変性してしまい、次に噴射したい場合に
正常に作動しない事態となるものであり、インジェクターに新たに冷却装置を備えない限
り実施出来ない手段であった。
【課題を解決するための手段と発明の効果】
【0011】
本発明の第1の課題解決手段は、吸気ポートに燃料供給装置を備えた6サイクル機関の
バルブ制御機構であって、吸気ポートにスロットルバルブ、掃気ポートに掃気ポートバル
ブを備え、それらのバルブはスロットル操作に連動して動作する手段と、アクチュエータ
の動作によりスロットルバルブの開度と掃気ポートバルブの開度を相対的に変化させるこ
とのできる手段と、排気触媒の温度を感知する手段を備え、排気触媒の温度が低い場合に
はスロットルバルブに対して掃気ポートバルブの開度を閉じる側に当該アクチュエータを
駆動し、排気触媒の温度が高い場合にはスロットルバルブに対して掃気ポートバルブの開
度を開く側に当該アクチュエータを駆動することを特徴とする。
【0012】
本発明の第1の課題解決手段の効果として、排気触媒温度が高い場合には掃気ポートバ
ルブの開度を開くことにより、掃気行程でのポンピングロスが削減できる利点がある。ま
た逆に排気触媒の温度が低い場合には、掃気ポートバルブの開度を閉じる方向に作動させ
ることにより、より早く触媒温度を高めることができる。その結果、暖気後には燃費が向
上し、排気触媒の温度管理をより精密に行うことができる利点がある。このことは暖気時
間を短縮できる利点ともなる。暖気時などの排気触媒温度が所定の状態より低いときには
掃気ポートバルブの開度を通常の負荷に対応したものより開度を下げ、掃気導入時の新気
の量を減らす。必要な場合には掃気ポートバルブを完全に閉じてしまう。スロットルバル
ブは機関の出力を変化させるために開度を変化させる必要があるが、掃気ポートバルブは
機関出力に大きな影響を与えず、ポンピングロスの削減や排気温度を制御するために吸気
ポートバルブとは関連しながらも独立して開度を制御することが可能だからである。
【0013】
なお、この場合のスロットルバルブ等は一般的には吸気および掃気ポートに設けられた
バタフライバルブやスライドバルブ等を言うが、本発明においては各ポート内のガスを燃
焼室に導く吸気バルブと掃気バルブに対して、機関のクランク回転に対するバルブの開く
角度や量を連続的に制御する連続可変バルブタイミング機構を採用したバルブも含まれる
。掃気バルブや吸気バルブに連続可変バルブタイミング機構を採用した場合、吸気や掃気
のガス流入量を絞る場合にバルブ部での圧力低下が無くポンピングロスを削減することが
できるのでより望ましいものとなる。
【0014】
本発明の第2の課題解決手段は、吸気ポートと吸気バルブと、掃気ポートと掃気バルブ
と、排気ポートと排気バルブを持ち、吸気ポートに燃料供給装置を備えた混合気吸気式6
サイクル機関において、吸気バルブより掃気バルブの面積が大きく、吸気行程のときに吸
気バルブと掃気バルブの両方のバルブが開くことを特徴とする。
【0015】
このようにすることにより掃気導入時には掃気バルブのみが開き掃気を気筒内に導入し
、吸気時には吸気ポートからは混合気が、掃気ポートからは新気である掃気が導入され気
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筒内で混合される。吸気行程では、吸気ポートからガス量と関係なく一定の燃料を含む濃
い混合気を導入することにより気筒内に適切な混合気を生成することができるので、吸気
バルブの面積は小さくすることができ、相対的に掃気バルブの面積は大きく取ることがで
きる。そのため本発明の第2の課題解決手段の効果として、掃気時のバルブ開口面積を2
バルブの一般機関の吸気バルブと匹敵する大きさとすることができ、更に出力に最も影響
する混合気を燃焼室に導入する吸気時には吸気バルブと掃気バルブの両方のバルブからガ
スを導入することになるので、合計のバルブ開口面積は2バルブの一般機関以上のものと
することができポンピングロスが削減できる。またこのようにバルブ面積が確保できるこ
とによって一般機関と同程度以上の回転数を実現可能とするものである。
【0016】
これまで想定されてきた6サイクル機関では掃気導入行程で掃気ポートから新気である
掃気が導入され、燃焼室内部が冷却される。しかし圧縮比は機関が常に正常に作動可能な
ように運転状態が限界的な場合に合わせて設定してあるので、コールド状態ではもちろん
のこと、ある程度暖気された後においても、機関の温度や負荷やその継続時間などによっ
ては運転状態が限界に達しておらず、冷却する必要性が低い場合もある。
【0017】
本発明の第3の課題解決手段は、このような事情に鑑み、排気バルブ駆動機構に可変バ
ルブタイミング機構を備えた6サイクル機関であって、当該可変バルブタイミング機構は
排気バルブを排気行程と掃気排気行程で開くノーマルモードと、排気行程と掃気導入行程
と掃気排気行程で開く高効率モードに相互に移行可能なものであり、当該高効率モードで
は排気行程と掃気導入行程の間で一度排気バルブを閉じる方向に動作させるものであり、
当該動作におけるバルブリフトの最小リフトとなるタイミング点は掃気導入行程の開始す
るピストン上死点の後に設定されていることを特徴とする。
【0018】
本発明の第3の課題解決手段の効果として、特にパーシャル時の掃気導入行程において
大気圧である排気を燃焼室に導入することによりポンピングロスを無くすることができ、
燃費の向上を図ることが出来る利点がある。同時に掃気に対する大量の内部EGRを簡単な
システムで実現することが出来、制御システムと組み合わせることにより触媒の温度や酸
素濃度をコントロールすることが可能となる利点と、機関の暖気を早める利点がある。こ
のようなことは吸気ポートに燃料供給装置を備えた4サイクル機関の吸気時に行えば、高
温の排気ガスが混合気に直接触れバックファイヤーを起こすものであるが、6サイクル機
関の場合には掃気に燃料が含まれていないので可能となることである。また掃気導入行程
におけるバルブ開口面積を増大させるので機関回転数を高めることができ、それでいて排
気バルブ駆動機構には打音が発生したり大きな衝撃荷重が発生して損傷が発生したりする
ものとはならない利点がある。なお本課題解決手段は吸気ポートと掃気ポートの区別のな
い直噴式6サイクル機関でも実施可能なものであり、同様の利点がある。
【0019】
本発明の第4の課題解決手段は、同様な事情に鑑み、第3の課題解決手段と掃気バルブ
駆動機構に可変バルブタイミング機構を備えた6サイクル機関であって、当該可変バルブ
タイミング機構は掃気バルブを掃気導入行程と吸気行程で開くノーマルモードと、掃気導
入行程と掃気排気行程と吸気行程で開く高効率モードに相互に移行可能なものであること
を特徴とする。
【0020】
本発明の第4の課題解決手段の効果として、特にパーシャル時にスロットルにより絞ら
れ負圧となる掃気ポートへ掃気排気行程でEGRガスを掃気ポートに循環させることにより
掃気ポートの圧を高め、次の吸気行程での吸気に対して適度なEGRを実現し、吸気行程
時のポンピングロスを削減することができ、燃費の向上を図ることが出来る利点がある。
吸気に対する内部EGRを簡単なシステムで実現することが出来、制御システムと組み合わ
せることにより燃焼をコントロールし触媒の温度や酸素濃度をより精密にコントロールす
ることが可能となる。本課題解決手段も機関の暖気を早めることができ、掃気排気行程に
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おけるバルブ開口面積を増大させるので機関回転数を高めることができる利点がある。な
お本課題解決手段は吸気ポートと掃気ポートの区別のない直噴式6サイクル機関でも実施
可能なものであり、同様の利点がある。直噴式6サイクル機関では、このときの吸気は掃
気ポートから行われ、掃気バルブとしたものはスロットルバルブそのものである。
【0021】
本発明の第1の課題解決手段は本発明の他の課題解決手段との併用が可能であるが、特
に本発明の第3及び第4の課題解決手段を併用した場合には掃気ポートバルブをより閉じ
ることにより、より多くの内部EGRガスが還流する。本発明の第4の課題解決手段を併
用した場合には掃気ポートバルブ下流の掃気ポートの容積が大きいほど吸気に対してEG
Rガスの量が増加する。このように第1の課題解決手段は、第3の課題解決手段との併用
により掃気に大量の内部EGRを実現することが出来、更に第4の課題解決手段により吸気
にもEGRを利かせることができるので、これらをまとめて制御すれば、より広い運転範囲
で排気触媒の温度や酸素濃度のより精密な制御ができ、短時間で機関の暖気を行うことが
できる利点がある。しかも第3の課題解決手段により掃気導入時のポンピングロスの発生
は無くなり、第4の課題解決手段により吸気行程時のポンピングロスも減り、特に低負荷
時の燃費の向上を図ることが出来る利点がある。
【0022】
本発明の第5の課題解決手段は、吸気ポートと吸気バルブと、掃気ポートと掃気バルブ
と、排気ポートと排気バルブを備え、吸気ポートに燃料供給装置を備え、燃焼室に直噴イ
ンジェクターと点火プラグを備えた内燃機関であって、機関回転数を検出する手段と、機
関の負荷を検出する手段と、当該両検出値によって当該燃料供給装置と当該直噴インジェ
クターを制御するプログラムされたコンピュータを備え、当該燃料供給装置から燃料を供
給しない運転領域が存在することと、吸気行程のときに吸気バルブと掃気バルブの両方の
バルブが開くことを特徴とする。
【0023】
本課題解決手段は点火プラグのくすぶりや黒煙の問題に対して、吸気行程において吸気
ポートからは濃厚な混合気が導入されると同時に掃気ポートからは新気が導入されること
により、気筒内に濃淡の逆の成層状態の混合気が形成可能なことに着目した解決手段を与
えている。すなわち、吸気、圧縮行程において点火プラグ付近の混合気の方が薄い成層状
態の混合気を燃焼室に形成し、その状態のところに気筒内に備えられた直噴インジェクタ
ーから低負荷時と同じように点火プラグ付近の混合気が濃くなるように設定された噴射を
行ない、均質な混合気を形成するようにしたものである。このようにすることにより直噴
インジェクターは常に成層状態の混合気が形成するような噴射をすべての運転領域で行な
えば良く、構造が簡易になる。吸気ポートの燃料供給装置は低回転低負荷時では作動しな
い運転領域が存在し、その領域では直噴インジェクターにより気筒内には点火プラグ付近
が濃い成層状態の混合気が形成され、成層混合燃焼が行なわれる。それ以外の領域では吸
気ポートの燃料供給装置も燃料を供給し、直噴インジェクターとともに均質の混合気を形
成し、プラグのくすぶりや黒煙の問題を解消した均質混合燃焼を実現できる。
【0024】
本発明の第5の課題解決手段の効果として、成層混合気燃焼と均質混合気燃焼の切換を
プラグのくすぶりや黒煙の発生無く安定して実施可能となる利点がある。そのため均質混
合燃焼が可能な高出力機関で成層混合燃焼が実現でき、成層運転領域ではより多くのガス
を導入できるのでポンピングロスが削減できる利点がある。結果として最大出力が優れた
パーシャル時の燃費の良い機関が得られる利点がある。また吸気ポートにも燃料供給装置
を備えたことにより、気筒内インジェクター用の燃料ポンプの設定圧力と容量は小さくす
ることが出来、燃料ポンプの負荷を低減し更なる低燃費化を図ることができる利点がある
。大量の燃料を必要とする高負荷のときは、燃料の供給から燃焼までの混合に時間の掛け
られる吸気ポート内の燃料供給装置が主に必要な燃料を供給し、直噴インジェクターとと
もに均質混合気を形成する。吸気ポート内の燃料供給装置は機関の1サイクルの間のどの
時期に燃料を供給してもよいので噴射時間を長く掛けられ、また周りのガス圧力も低く、
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気筒内の直噴インジェクターへの供給圧力よりはるかに低圧のポンプにより必要な量の燃
料が供給できるので、燃料供給のためのエネルギーが少なくて済む。また、直噴インジェ
クターのみの噴射で運転する領域は低回転低負荷時のみであるので時間当たりの燃料噴射
量が少なくて済み、また圧力も低いので駆動のための動力源も小さくてすみ小型化でき、
消費電力も少なくシリンダーヘッドの配置も容易となる利点がある。
【0025】
本課題解決手段は本発明の1から4までの課題解決手段との併用が可能である。また本
課題解決手段は、混合気を供給する吸気ポートと新気を供給する掃気ポートを持つ内燃機
関であれば6サイクル機関に限らず、4サイクル機関や2サイクル機関にも適用できるも
のである。掃気ポートに多少の混合気が混入する場合であっても同様に実現することがで
きるので、そのような内燃機関も本発明概念に含まれる。例えば吸気ポートが2本ある4
サイクル機関であれば、その片方のポートに燃料供給装置を取り付けることにより、多少
他方のポートに混合気が回りこむとしても本発明概念に含まれ、2サイクル機関であれば
掃気ポートの一部の掃気に濃い混合気が供給され、他のポートにも混合気が混じる場合も
含まれる。ちなみに2サイクル機関の場合、バルブとはそのポートのピストンバルブ開口
部を意味する。
【0026】
本発明の第6の課題解決手段は、本発明の第5の課題解決手段を採用した内燃機関の燃
焼室内の点火プラグ位置を吸気バルブよりも掃気バルブの近くに配置したことを特徴とし
ている。
【0027】
本発明の第6の課題解決手段の効果として、吸気ポートの燃料供給装置が働く低回転低
負荷時以外の領域で、掃気ポートから導入される新気により点火プラグを洗い、吸気ポー
トから導入される濃厚な混合気が直接洗わないようにする具体的なシリンダーヘッド内の
点火プラグの配置を提供し、点火プラグのくすぶりの問題を解消する利点がある。
【0028】
本発明の第7の課題解決手段は、本発明の第5の課題解決手段を採用した6サイクル機
関であって、吸気バルブ駆動機構に可変バルブタイミング機構を備え、当該可変バルブタ
イミング機構は吸気バルブを吸気行程でのみ開くノーマルモードと、吸気行程と掃気導入
行程で開く高効率モードに相互に移行可能なものであることを特徴とする。
【0029】
本発明の第7の課題解決手段の効果として、高効率モード時では掃気導入行程における
バルブ開口面積を増大させることができる。第5の課題解決手段のみを採用した6サイク
ル機関では吸気行程では掃気と吸気の両方のバルブが開くが、掃気導入行程時には掃気バ
ルブしか開かないので掃気導入行程での通路抵抗の方が大きく、掃気導入行程でより多く
のポンピングロスが発生する。こ第7の課題解決手段はこのロスを削減し、結果として成
層混合燃焼の運転領域での実用燃費を改善することができる利点がある。
【0030】
本発明の第8の課題解決手段は、プログラムされたコンピュータによって本発明の第3
および第4の課題解決手段による6サイクル機関の可変バルブタイミング機構を制御する
モード切換制御装置であって、機関の運転状態を感知する手段として機関の温度を検出す
る手段と、機関の回転数を検出する手段と、機関の負荷を検出する手段と、これらの検出
値に対して適切なモードを判断する手段と、判断したモードに当該可変バルブタイミング
機構を切換動作させる手段を備えたことを特徴とする。
【0031】
本発明の第8の課題解決手段の効果として、機関の運転状態を感知して6サイクル機関
の可変バルブタイミング機構を、本来の6サイクル機関の行程である機関を冷却する方向
に働くノーマルモードと、ポンピングロスを削減する高効率モードに適切に自動的に切換
制御を行なう手段を与え、高効率モードの頻度を機関の限界まで高くとることができ、機
関の実際の運転状態におけるポンピングロスを減らし、総合的な燃費を向上させる利点が
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ある。
【0032】
本発明の第9の課題解決手段は、プログラムされたコンピュータによって本発明の第3
および第4の課題解決手段による6サイクル機関の可変バルブタイミング機構を制御する
方法であって、機関の運転状態を感知する手段として機関の温度を検出する工程と、機関
の回転数を検出する工程と、機関の負荷を検出する工程と、これらの検出値に対して適切
なモードを判断する工程と、判断したモードに当該可変バルブタイミング機構を切換動作
させる行程を含むことを特徴とする。
【0033】
本発明の第9の課題解決手段の効果として、機関の運転状態を感知して6サイクル機関
の可変バルブタイミング機構を、本来の6サイクル機関の行程である機関を冷却する方向
に働くノーマルモードと、ポンピングロスを削減する高効率モードに適切に自動的に切換
制御を行なうことが可能となり、高効率モードの頻度を機関の限界まで高くとることがで
き、機関の実際の運転状態におけるポンピングロスを減らし、総合的な燃費を向上させる
利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は吸気ポートに燃料供給装置を備えた混合気吸気式6サイクル機関の各行程
の説明図である。
【図2】図2は 第1の課題解決手段を採用した混合気吸気式6サイクル機関の吸気、
掃気、排気の各ポートとバルブ配置を採用した混合気吸気式6サイクル機関の多気筒機関
のシリンダーヘッドの1気筒部分をピストン側から見た平面図である。(実施例1)
【図3】図3は第2図のZ視図である。吸気と掃気にあるスロットルバルブを連動してい
るリンク機構を示す。(A)図は標準状態を示し、(B)図は掃気ポートバルブを標準状
態より開いた触媒温度が高い場合の状態を示している。(実施例1)
【図4】図4は第1の課題解決手段に用いるアクチュエータ93の制御フローチャート図
である。(実施例1)
【図5】図5は第2の課題解決手段を採用した混合気吸気式6サイクル機関の3バルブの
シリンダーヘッドをピストン側から見た平面図である。(実施例2)
【図6】図6は第2の課題解決手段を採用した混合気吸気式6サイクル機関の5バルブの
シリンダーヘッドをピストン側から見た平面図である。(実施例3)
【図7】図7は第3の課題解決手段に用いる排気バルブの可変バルブタイミング機構に用
いる排気バルブカムシャフトの断面図である。(実施例4)
【図8】図8は図7の排気バルブカムシャフトのクランクの回転角度に対する排気バルブ
の設定加速度とバルブリフト量を示すグラフである。(実施例4)
【図9】図9は第3の課題解決手段を採用した直噴式6サイクル機関の2バルブのシリン
ダーヘッドをピストン側から見た平面図である。(実施例5)
【図10】図10は第4の課題解決手段に用いる掃気バルブの可変バルブタイミング機構
に用いる掃気バルブカムシャフトの断面図である。(実施例6)
【図11】図11は第5および第6の課題解決手段を採用した火花着火式6サイクル機関
の3バルブのシリンダーヘッドをピストン側から見た平面図である。(実施例7)
【図12】図12は第5および第6の課題解決手段を採用した火花着火式6サイクル機関
の運転マップである。(実施例7)
【図13】図13は第7の課題解決手段に用いる吸気バルブの可変バルブタイミング機構
に用いる吸気バルブカムシャフトの断面図である。(実施例8)
【図14】図14は第7の課題解決手段に対して用いる制御フローチャート図である。(
実施例8)
【図15】図15は第8および第9の課題解決手段に用いる制御システム図である。(実
施例9)
【図16】図16は第3の課題解決手段による機関に対して用いる第8の課題解決手段の
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制御フローチャート図である。(実施例9)
【図17】図17は第4の課題解決手段による機関に対して用いる第8の課題解決手段の
制御フローチャート図である。(実施例10)
【図18】図18は第8および第9の課題解決手段に用いる制御マップ図である。(実施
例9、10)
【符号の説明】
【0035】
1 6サイクル機関
10 シリンダーブロック
15 燃焼室
20 シリンダーヘッド
21 吸気ポート
22 吸気バルブ
23 スロットルバルブ
24 スロットルバルブセンサ
25 燃料供給装置
26 点火プラグ
31 排気ポート
32 排気バルブ
33 排気触媒
38 温度センサ
41 掃気ポート
42 掃気バルブ
43 掃気ポートバルブ
50 クランクシャフト
52 回転数センサ
55 ピストン
65 直噴インジェクター
81、82 レバー
83、84 ロッド
85 リンク
91 アクチュエータ
92 アクチュエータロッド
110 排気バルブタイミングカムシャフト
111 排気ノーマルカム
112 排気高効率カム
115 排気バルブカム切換えアクチュエータ
120 掃気バルブタイミングカムシャフト
121 掃気ノーマルカム
122 掃気高効率カム
125 掃気バルブカム切換えアクチュエータ
130 吸気バルブタイミングカムシャフト
131 吸気ノーマルカム
132 吸気高効率カム
610 コンピュータ
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
6サイクル機関において、通常想定されるバルブ開閉タイミングに対してバルブの開く
機会を増やすことにより、ポンピングロスを削減し燃費を改善する。手段としては、(1
)スロットル開度に比例して掃気ポートのバルブの開度を閉じない、(2)吸気行程にお
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いて掃気バルブも開く、(3)掃気導入行程において排気バルブも開く、(4)掃気導入
行程において吸気バルブも開く、ことなどにより行なう。また低負荷時に直噴インジェク
ターによる成層混合気燃焼によりポンピングロスを削減し燃費を改善する内燃機関に対し
て、上記(2)を実施して吸気行程で混合気と同時に掃気を燃焼室に導入することにより
、これらが燃焼室内で不均質な混合気を形成可能なことを利用して、直噴インジェクター
による成層混合気分布を均質化することにより、低負荷時の燃費に優れ出力の高い内燃機
関を実現する。
【実施例1】
【0037】
図1は吸気ポート21に燃料供給装置25を備え、ここで混合気が作られる混合気吸気
式6サイクル機関の各行程を示した説明図である。クランクシャフト50は時計回りに回
転している。(A)図は第1行程である吸気行程を示しており、ビストン55は下降して
いるので燃焼室15の圧力は下がり、吸気ポートの混合気を吸気バルブ22から燃焼室内
に導入する。(B)図は第2行程である圧縮行程を示す。燃焼室には点火プラグ26の着
火部があり、ピストンが上死点付近に来たとき混合気に着火する。(C)図は第3行程で
ある爆発・膨張行程を示しており、燃焼ガスの圧力エネルギーをクランクの回転エネルギ
ーに変換する。(D)図は第4行程である排気行程を示しており、燃焼ガスを排気ポート
31に排出する。ここまでは一般機関と同様である。
【0038】
図2は本発明の第1の課題解決手段による多気筒機関6サイクル機関の1実施例であり
、シリンダーヘッド20と各ポートとスロットルバルブの配置をピストン側から見た平面
図である。本実施例は基本的な混合気吸気式6サイクル機関のバルブとポート配置を備え
、吸気バルブ22と排気バルブ32と掃気バルブ42の3つのクランク回転に同期して開
閉するバルブを備えている。プラグ26はバルブ面積を少しでも大きく取るように中心を
外れて配置されている。吸気ポート21と掃気ポート41はそれぞれ独立しており、吸気
ポート21からは混合気が、掃気ポート41からは燃料の混じらない新気である掃気が導
入される。
【0039】
図1(E)は第5行程である掃気導入行程を示す。図2にあるように吸気バルブ22と
掃気バルブ42は同じ側にあるので、(A)図から(D)図と(F)図では吸気ポート2
1と吸気バルブ22が表されている部分に、(E)図では掃気ポート41と掃気バルブ4
2が表示されている。本実施例では表示されていないバルブは閉じている。掃気導入行程
では掃気を導入し燃焼室を冷却する。(F)図は第6行程である掃気排気行程を示し、燃
焼室を冷却した掃気が更に排気バルブ32と排気ポート31を冷却する。
【0040】
以上が混合気吸気式6サイクル機関のノーマルモードのバルブの動きを示したものであ
る。このように6サイクル機関は燃焼室を内部から掃気で冷却する掃気導入行程と掃気排
気行程を持つので、気筒内の温度を一般機関より低くできることにより圧縮比を高く設定
することができ、効率を上げることができる。また機関を内部から冷却することにより、
機関の冷却システムをシンプル化することが出来る特徴がある。例えばラジエータを小型
化できたり、水冷式機関としていたものを空冷機関としたり、空冷機関としていたものを
無冷却機関とすることが可能となる場合がある。
【0041】
図2の実施例では吸気ポート21にはバタフライバルブ方式のスロットルバルブ23が
、掃気ポート41には掃気ポートバルブ43が、それぞれ独立して回転可能なシャフトに
固定されている。
【0042】
図3はそのスロットルバルブ制御機構のリンク周りを示す図2のZ視図である。一般的
に自動車などの移動体用ではアクセルペタルを踏み込むことによって、もしくはスロット
ルグリップを回すことによって、搭載している内燃機関の吸気ポートにあるスロットルバ
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ルブ23を開く方向に連動して動作させる。本実施例も図示されていない同様の連動機構
を備えている。更に本実施例ではスロットルバルブ23に対して、掃気ポート41に取り
付けてある掃気ポートバルブ43が、レバー81、ロッド83、リンク85、ロッド84
、レバー82を介して連動している。アクチュエータ91は外部から排気ガス温度により
ロッド92の突き出し量を変えるように駆動される。定常状態ではアクチュエータ91は
(A)図に示された状態にあり、掃気ポートバルブ43はほぼスロットルバルブ23の開
度と同一の開度となる。排気ガス温度検出値が高くなると(もしくは排気触媒温度が高く
なると予想されると)(B)図に示すようにアクチュエータ91が駆動されリンク85の
支点を支えているロッド92を突き出す。その動きに伴いロッド84は掃気ポートバルブ
43を定常状態である2点鎖線の位置から余分に開き、より多くの掃気を導入する。逆に
排気ガス温度検出値が低くなると(もしくは排気触媒温度が低くなると予想されると)ア
クチュエータ91のロッド92が引っ込み、掃気ポートバルブ43をスロットルバルブ2
3に対して閉じる方向に動作させ、より少ない量の掃気しか導入されないように作動する
。
【0043】
本発明の第1の課題解決手段による発明概念においては、アクセルペタルやスロットル
グリップに連動するバルブを吸気ポートにあるスロットルバルブ23に限定するものでは
無く、逆に掃気ポートに取り付けてある掃気ポートバルブ43に連動し、そこからアクチ
ュエータで動作する部材を含むリンク機構を介してスロットルバルブ23に連動するもの
であっても良い。また吸気ポートと掃気ポート全体に対して、一つのスロットルバルブを
備え、その下流の吸気ポートか掃気ポートの片方にアクチュエータで開閉する別のバルブ
を備えた場合でも同様な効果があることは当業者にとっては自明なものであり、これらの
構造は第1の課題解決手段の発明概念に含まれるものである。
【0044】
図4は実施例1のアクチュエータ91の駆動制御をフローチャートで示したものである
。排気温度検出値が高いとき(もしくは排気触媒温度が高くなると予想されるとき)は掃
気ポートバルブが開く方に制御され、排気温度検出値が低いとき(もしくは排気触媒温度
が低くなると予想されるとき)は掃気ポートバルブが閉じる側に制御される。本制御のロ
ジックは非常に単純なものであるので、必ずしもコンピュータ等によって制御する必要は
ない。例えば熱によって膨張する流体によりアクチュエータを駆動するシステムであって
も制御することができる。
【実施例2】
【0045】
図5は第2の課題解決手段による1実施例である3バルブのシリンダーヘッド20をピ
ストン側から見た平面図である。本実施例では掃気バルブ42と排気バルブ32は大きく
、吸気バルブ22は相対的に小さくなっている。掃気導入工程では掃気バルブのみが開く
が、吸気工程では吸気バルブと同時に掃気バルブも開き混合気と新気を導入する。吸気ポ
ートには1回の爆発に必要な燃料が噴射されており、一般機関の吸気と比べると濃い混合
気となっており、吸気工程と圧縮工程の間に掃気バルブから導入された掃気と混合されシ
リンダー内を所定の混合気状態とする。このように第2の課題解決手段により、図2の基
本的な混合気吸気式6サイクル機関の実施例1のバルブ配置に比較して掃気バルブ面積を
大きく設定することができ、特に出力に最も影響する吸気行程時のバルブ面積は吸気と掃
気の2つのバルブの合計となるため一般機関以上の面積となり、一般機関と同等もしくは
それ以上の回転数を実現できるものである。
【実施例3】
【0046】
図6は第2の課題解決手段による別の1実施例である5バルブのシリンダーヘッド20
をそれぞれピストン側から見た平面図である。本実施例では1つの気筒あたりに掃気バル
ブ42と排気バルブ32を2つずつ、吸気バルブ22を1つ備え、掃気バルブ42の合計
面積は吸気バルブの面積よりも大きい。掃気導入工程では掃気バルブのみが開くが、吸気
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工程では吸気バルブと同時に掃気バルブも開き混合気と新気を導入する。吸気ポートには
1回の爆発に必要な燃料が噴射されており、一般機関の吸気と比べると濃い混合気となっ
ており、吸気工程と圧縮工程の間に掃気バルブから導入された掃気と混合されシリンダー
内を所定の混合気状態とする。このように本実施例でも実施例2と同様に、第2の課題解
決手段により同様の効果がある。
【実施例4】
【0047】
図7は、第3の課題解決手段の1実施例である6サイクル機関の排気バルブの可変バル
ブタイミング機構に用いられている排気バルブカムシャフト110の断面図である。本実
施例のシリンダーヘッドをピストン側から見た平面図は図5と同一となる。本カムシャフ
トを含めた6サイクル機関の全てのバルブ駆動用カムシャフトはクランクが3回転する間
に1回転する。図7のカムの12時方向が爆発・膨張行程の始まりのピストンが上死点と
なるポイントに対応し、本カムシャフトは反時計回りに回転する。手前側にあるカムが排
気バルブ駆動用のノーマルモード用のカム111であり、排気行程及び掃気排気行程でバ
ルブが開くように設定されている。奥に見えているのが高効率モード用のカム112で、
排気行程と掃気排気行程以外に掃気導入行程でもバルブが開くように設定されている。
【0048】
図8は本実施例の排気バルブカムシャフトを用いた6サイクル機関のクランクの回転角
度に対する排気バルブの設定加速度とバルブリフト量を示すグラフである。上の図の縦軸
は排気バルブ設定加速度を表しておりバルブが開く方向の加速度を正としてある。下の図
の縦軸は排気バルブカムによるバルブリフト量を表し、横軸はクランクの回転角度を表し
ている。1サイクル6行程でクランクは3回転するが、その内の第2行程である爆発・膨
張行程の開始するピストンが上死点となるポイントを0°として、爆発・膨張、排気、掃
気導入、掃気排気、吸気の第2行程から第6行程までの全5行程のクランク角度として計
900°を180°を1目盛として表している。
【0049】
点線はノーマルモードの時のカム111の排気バルブの設定加速度とバルブリフトカー
ブを示している。バルブリフトカープの最初と最後の部分には緩衝曲線があり、バルブが
開口する時のカムフォロワーがカムに駆動され始める時とバルブがシリンダーヘッドのシ
ートに着座する時の衝撃を緩める。緩衝曲線はカム上では曲面でこの緩衝曲線の高さ範囲
にカムフォロワーとのクリアランスが設定されているが、バルブリフトグラフで見るとカ
ムがカムフォロワーに接触したところからバルブのリフトが始まり、緩衝曲線部分はクラ
ンク角に対してカムリフトが比例する直線となっている。この緩衝曲線の終了ポイントで
バルブの設定加速度によるバルブリフトが始まる。バルブの設定加速度は一定の加速度以
下で連続線となるように設定されている。これは一定以上の加速度を設定すると高回転時
にカム面圧が高くなりすぎて磨耗が発生し、加速度を不連続線とすると衝撃荷重による打
音が発生し、部材にも損傷が発生するからである。加速度が連続していることによりバル
ブリフトカーブは全体としては滑らかな曲線を描く。
【0050】
図8に現されているように本実施例では排気行程での排気バルブのリフト開始は膨張行
程の途中で始まっている。バルブが開き始め、排気行程が始まるピストンが下死点となる
180°のところでは既にバルブの加速は終わり減速に入る。バルブの設定加速度をマイ
ナスとして、バルブを減速し、最大リフト後は着座方向に加速する。このマイナスの加速
度はバルブスプリングの荷重の範囲で設定されており、カムからカムフォロワーが離れる
ことのないようになっている。最後に正の加速度でバルブを減速し着座側の緩衝曲線まで
滑らかに繋げる。本実施例のノーマルモードの排気カム111は、排気行程も掃気排気行
程も同様に最大バルブリフトの1/8のリフトのところでクランク角を見ると、下死点前
30°で始まり上死点後5°で終わる合計215°のカム山を持つ。この角度をバルブ開
角と呼ぶ。バルブ開口面積は大きくしたいので行程開始より早めに開き、遅くまで開いて
いる設定となっているが、上死点ではカムリフトが大きいとバルブがピストンと干渉する
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ので5°だけ遅く閉じる設定となっている。このカム山はカムシャフトの回転角で言うと
クランク角で表すバルブ開角の1/3の72°程度になる。
【0051】
高効率モードでは排気バルブをノーマルモードで開口する排気行程と掃気排気行程以外
に掃気導入行程でも開く。掃気バルブと同様にバルブ開口面積をより大きくするようなタ
イミングで開くとすれば、このときのバルブ開角を上死点前5°で始め下死点後30°で
終わりたいこととなる。しかし排気バルブの場合、掃気導入行程でのバルブ開角の開始点
をそのように設定すると、そのひとつ前の行程である排気行程の終わりに上死点後5°で
閉じるように着座方向に動いているバルブを、ピストンの上死点で突然開く方向に運動方
向を変えなければならないことととなり、瞬間的に大きな加速度でバルブを加速しなけれ
ばならず、打音が発生し、カム摺動面などに大きな衝撃荷重が発生することになり損傷が
生じる。
【0052】
この問題を回避するための手法として、排気バルブのバルブリフトカーブを排気行程と
掃気導入行程の中間の上死点を中心に対称に設定する手法がある。その場合にも上死点付
近のバルブとピストンのクリアランスも維持しなければならないので、排気行程での排気
バルブのリフトは高効率モードではノーマルモードのよりも10°以上早くに閉じる必要
がある。しかしそれでは排気行程における排気バルブの開口面積が狭くなるという問題が
発生する。また、特許文献7のような単純な可変バルブタイミング機構では、バルブタイ
ミングが2つのカムを切換える場合に、バルブタイミングが狭いカム側のカムフォロワー
は作動させたままでバルブタイミングが広いカム側のカムフォロワー有効に作動するよう
にすることにより、バルブタイミングが狭いカム側のカムフォロワーが遊ぶことにより2
つのカムを切換える。そのためバルブタイミングが広いカムが常にバルブタイミングの狭
いカムのリフトと同じか大きい状態となるように設計する必要があるのに対して、上記手
法では排気行程でのカムはノーマルカムの方がリフトが大きく、掃気導入行程では高効率
カムの方がリフトが大きい必要がある。そのために、単純な可変バルブタイミング機構が
使えないという問題が発生する。
【0053】
これらの問題を解決するために本実施例の高効率モード用のカム112(以下、高効率
カムという。)の設定加速度とバルブリフトカーブは図8のグラフの実線のように設定さ
れている。本実施例のカム112の排気行程におけるバルブ開角はノーマルモード用のカ
ム(以下、ノーマルカムという。)と同一である。上死点付近のバルブとピストンのクリ
アランスはノーマルカムと同じに維持することができ、ノーマルカムに対して常に高効率
カムの方がリフトが大きい。本実施例では着座方向に動いている排気バルブを再度開口す
る方向に加速するときの加速度はノーマルカムより多少高目に設定している。こればカム
面の形状が凹になるので同じ荷重であればカム面圧が下がるので荷重を上げられるからで
ある。それでも掃気導入行程での排気バルブの開くタイミングは本図に示すように上死点
後48°とかなり遅れる。従って2つのカム山間のバルブリフトの最小リフトポイントは
掃気導入行程が開始した後のクランク角で上死点後26.5°のポイントとなる。しかし
、下死点ではピストンとバルブは離れているのでバルブは閉じる必要がなく、最大リフト
手前から加速度を徐々に0としバルブリフト量を最大のまま維持することが出来るので、
掃気導入行程におけるバルブ開口面積は充分確保することができる。更に掃気排気行程で
のバルブ開口面積も同様に下死点でバルブは閉じる必要がないのでノーマルモードよりも
大きくすることができる。掃気排気行程でのノーマルモードのカムリフト最大ポイントに
近づくと再度着座方向に加速し始め、バルブを着座させるまでノーマルカムに倣う形とな
る。
【0054】
このように本実施例の高効率カムを用いた6サイクル機関によれば、ノーマルモードの
ときの排気行程における排気バルブの開口面積を確保しながら、掃気導入行程時に充分な
排気バルブ開口面積を取ることができ、掃気排気行程でのバルブ開口面積はノーマルモー
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ドより大きく取ることが出来、ポンピングロスが削減される利点がある。更に、常に高効
率カムの方がリフトが大きいので単純な可変バルブタイミング機構を用いることが出来、
カムやロッカーアーム摺導面に衝撃を与えず磨耗させることもない。同時に掃気導入行程
における合計バルブ開口面積を増大させることができ、掃気に対する大量の内部EGRを
簡単なシステムで実現することが可能となる。また制御システムと組み合わせ機関のモー
ド切換を自動的に行うことにより、暖気時間の短縮や触媒の温度や酸素濃度をコントロー
ルすることが可能となる。
【0055】
なお本実施例の可変バルブ機構は2つのカムの単純な切換によるものであるが、もっと
多くのカムを切換えるタイプのものでも、また電磁バルブ等を用いた連続可変バルブ機構
を採用したものでも、バルブ開口面積を最大としたときであれば高効率モードのバルブリ
フトの最小リフトとなるタイミング点は同様にとることが各モードのバルブ開口面積をバ
ランスよく大きくとることの出来る利点がある。したがって第3の課題解決手段において
可変バルブ機構を2つのカムの単純な切換によるものに限定する必要はなく、連続可変バ
ルブタイミング等の複雑なバルブ駆動方式を取るものも本発明の第3の課題解決手段の概
念に含まれる。この点は第4および第7の課題解決手段においても同様である。
【実施例5】
【0056】
図9は第3の課題解決手段を用いた他の1実施例である直噴式6サイクル機関の2バル
ブのシリンダーヘッドをピストン側から見た平面図である。ディーゼル機関のように気筒
内の直噴インジェクターで燃料を供給するタイプの内燃機関では掃気ポートと吸気ポート
を共通とすることができるので、4サイクル機関と同様に本図のように吸気兼用の掃気バ
ルブと排気バルブの最低2つのバルブで成り立つ。図9の実施例においても排気バルブの
可変バルブタイミング機構が採用されており、図7の排気バルブカムシャフト110を備
えている。掃気導入行程でのポンピングロスを無くすることができ、燃費の向上を図るこ
とが出来るなど、実施例4と同様に第3の課題解決手段を用いた6サイクル機関の利点が
ある。
【実施例6】
【0057】
図10は第4の課題解決手段の1実施例である6サイクル機関の掃気バルブの可変バル
ブタイミング機構に用いられている掃気バルブカムシャフト120の断面図である。本実
施例のシリンダーヘッドをピストン側から見た平面図は図5と同一となる。カムの12時
方向が爆発・膨張行程の始まりのピストンが上死点となるポイントに対応し、カムシャフ
トは反時計回りに回転する。手前側にあるカムが掃気バルブ駆動用のノーマルカム121
であり吸気行程及び掃気導入行程でバルブが開くように設定されている。奥に見えている
のが高効率カム122で、吸気行程と掃気導入行程以外に排気行程でもバルブが開くよう
に設定されている。高効率カムに切換えることで、掃気排気行程でスロットルにより絞ら
れ負圧となる掃気ポートへ内部EGRガスを含む掃気排気を還流させることができ、パー
シャル時に掃気ポートの圧を高め、次の吸気行程で掃気ポートから燃焼室に導入する。掃
気排気行程におけるバルブ開口面積を増大させることができ、吸気行程時には循環した排
気ガスの分、圧力を高めポンピングロスを削減することができ、燃費の向上を図ることが
出来る利点がある。吸気に対して適度なEGRを実現し、機関の暖気時間を短縮すること
のできる利点もある。吸気に対する内部EGRを簡単なシステムで実現することが出来、制
御システムと組み合わせモード切換を自動的に行なうことにより触媒の温度や酸素濃度を
コントロールすることが可能となる。このときのEGRガスの量は掃気ポートバルブ開度
を閉じるほど増え、掃気ポートバルブ下流の掃気ポート容積が大きいほど増える。
【実施例7】
【0058】
図11は第5および第6の課題解決手段を採用した1実施例の火花着火式6サイクル機
関のシリンダーヘッドをピストン側から見た平面図である。燃焼室内に点火プラグ26と
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直噴インジェクター65を含めて効率良く配置し、かつ高い回転数を実現するために第2
の課題解決手段による3バルブのレイアウトを採用している。本実施例では燃焼室内の点
火プラグ26の位置を吸気バルブ22よりも掃気バルブ42の近くに配置し、吸気行程に
おいて点火プラグが掃気バルブから導入される掃気にまず洗われるようにして、吸気バル
ブ22からの濃厚な混合気が点火プラグを直接洗わないようにしている。
【0059】
図12は実施例7の機関の成層混合領域と均質混合領域を示す運転マップを示している
。本運転マップが制御用のコンピュータに記憶されている。成層混合領域では混合気を成
層化してプラグ付近に着火しやすい濃い混合気が分布されるようにして、全体として希薄
な混合気の燃焼を可能としている。希薄混合気の火炎伝播速度は遅くなるので低回転領域
に限られ、低負荷領域でのポンピングロスの削減が目的であるので低回転低負荷領域に限
られて設定されている。太い実線の下側が直噴インジェクターのみで必要な燃料を供給可
能な領域を示している。機関回転が上昇すると吸気から着火までの燃料噴射可能な時間が
短くなるので、直噴インジェクターのみで運転可能な領域は双曲線に近い形となる。本実
施例では設定した成層混合領域を直噴インジェクター65からの燃料供給のみでまかなう
ことが出来る様に設定されていることが理解される。最高回転数で最大負荷まで直噴イン
ジェクターのみで燃料供給を行おうとした場合の1/4程度の時間当たりの噴射量で済む
ので、その分直噴インジェクターに供給する燃料の圧力を下げることが出来、燃料供給量
が少なくて済む。そのため燃料ポンプの小型化が可能となり、消費電力も下がり、機関の
燃料ポンプ駆動フリクションが低減される利点がある。また直噴インジェクター自体も小
型化することが出来、ヘッド周りのレイアウトが容易になる利点がある。
【0060】
本実施例では吸気行程においてプラグ26のそばに掃気ポート41を配置し、吸気バル
ブ22はプラグから離れているので吸気の濃厚な混合気が直接プラグを洗うことはなく、
プラグ周りは乾燥した状態に保たれる。このような状態であれば気筒内に備えられた直噴
インジェクター65から低負荷時と同じようにプラグ周りの混合気が濃くなるように設定
された噴射を行なっても、点火プラグはくすぶりを発生しないし黒煙も生じない。吸気ポ
ートの燃料供給装置は成層混合領域では作動せず、気筒内には直噴インジェクターからの
燃料噴射によりプラグ周りが濃い成層状態の混合気が形成され、成層燃焼が行なわれる。
このように直噴インジェクターは常に成層状態の混合気が形成するような噴射をすべての
運転領域で行なえば良く、構造が複雑化することがない。
【実施例8】
【0061】
図13は第7の課題解決手段の1実施例である6サイクル機関の吸気バルブの可変バル
ブタイミング機構に用いる吸気バルブカムシャフト130の断面図である。カムの12時
方向が爆発・膨張行程の始まりのピストンが上死点となるポイントに対応し、カムシャフ
トは反時計回りに回転する。本実施例の火花着火式6サイクル機関のシリンダーヘッドを
ピストン側から見た平面図は図11と同一となる。手前側にあるカムが吸気バルブ駆動用
のノーマルモード用のカム131であり吸気行程のみでバルブが開くように設定されてい
る。奥に見えているのが高効率モードのカム132で、吸気行程時のカム形状は同一であ
るが、更に掃気導入行程でもバルブが開くように設定されている。
【0062】
図14は、本実施例の制御フローチャート図である。システムとしては図15を参照さ
れたい。機関制御用コンピュータ610には、ドライバーの操作するアクセルに連動して
作動する6サイクル機関1のスロットルバルブに取り付けられたスロットルバルブセンサ
24、回転数センサ52、燃料供給装置25、直噴インジェクター65が接続されており
、コンピュータ610は記憶された燃料噴射運転マップからスロットル開度検出値と機関
回転数検出値に対する燃料供給装置作動時間を読み取り、燃料供給装置25と直噴インジ
ェクター65をその指定作動時間だけ作動させ、適量の燃料を供給する。燃料噴射運転マ
ップにより吸気ポート内の燃料供給装置25を作動させない層状混合運転領域では吸気可
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変バルブタイミング機構に備えられたタイミングカムを切換えるアクチュエータ(本図で
は115,125となっている。)を作動させ、吸気バルブカムを高効率カムに切換え、
燃料供給装置25を作動させる均一混合運転領域ではノーマルカムに戻す。燃料供給装置
25から燃料を供給しない運転領域では吸気ポート内のガスは混合気とはならず掃気と同
じ新気であるので、高効率モードのカムに切換えることで掃気導入行程に吸気バルブから
も新気を導入することができるので、合計のバルブ開口面積を増大させ掃気導入行程時の
ポンピングロスを削減することができ、燃費の向上を図ることが出来る利点がある。
【実施例9】
【0063】
図15は、第8の課題解決手段の1実施例の制御システム図である。本課題解決手段は
本発明の第3、第4の課題解決手段による6サイクル機関の制御システムとして用いるも
のである。機関制御用コンピュータ610には、ドライバーの操作するアクセルに連動し
て作動する6サイクル機関1のスロットルバルブに取り付けられたスロットルバルブセン
サ24、排気触媒33の手前の排気温度を検出する温度センサ38、クランクの回転数を
検出する回転数センサ52及び燃料供給装置25が接続されており、スロットル開度検出
値と機関回転数検出値に対する記憶された燃料噴射マップから燃料供給装置作動時間を読
み取り、燃料供給装置25をその作動時間だけ作動させる。当該コンピュータ610には
積分機能が備えられており、過去の一定時間の燃料噴射量の積分値を算出し記憶する機能
と、過去の一定時間のモード切換状況を記憶する手段を有している。更にコンピュータ6
10は、排気、掃気の各可変バルブタイミング機構に備えられたタイミングカムを切換え
る各アクチュエータ115,125に接続されており、温度検出値、機関回転数検出値、
過去一定期間の燃料噴射量の積分値及びその時の運転モードの記憶から、記憶された一定
の条件に沿って当該アクチュエータを作動させる。
【0064】
図16は、実施例4の機関に適用する第8及び第9の課題解決手段である1実施例の制
御フローチャート図である。排気温度検出値と、過去一定時間の燃料噴射量積分値とモー
ド切換状況から温度センサの感知遅れと触媒の昇温速度を考慮した推定排気触媒温度を算
出し、暖気状態、中間状態、過熱状態に分ける。図15のシステムの排気温度検出位置は
この温度センサの感知遅れと触媒の昇温の遅れがほぼ等しい位置に置かれており、この時
間の補正を物理的に行っている。コンピュータは温度検出値等により、暖気状態の温度で
あれば冷却が不要と判断し排気バルブカムを高効率カム112に切換えるようにアクチュ
エータ115を作動させ、過熱状態の温度であれば冷却が必要と判断しノーマルカム11
1に戻すように作動させる。中間状態の場合は現在のスロットル開度とエンジン回転数か
ら記憶してある図18の制御マップにより冷却の必要性を判断し、アクチュエータ115
を作動させ、冷却しておく必要がある場合は排気バルブカムをノーマルカムに戻し、それ
以外の場合は高効率カムに切換える。
【0065】
図17は、実施例5の機関に適用する第8及び第9の課題解決手段である1実施例の制
御フローチャート図である。排気温度検出値と、過去一定時間の燃料噴射量積分値とモー
ド切換状況から温度センサの感知遅れを考慮した推定排気触媒温度を算出し、暖気状態、
中間状態、過熱状態に分ける。図15のシステムの排気温度検出位置はこの温度センサの
感知遅れと触媒の昇温の遅れがほぼ等しい位置に置かれており、この時間の補正を物理的
に行っている。コンピュータは温度検出値等により、暖気状態の温度であれば冷却が不要
と判断し排気バルブカムを高効率カム122に切換えるようにアクチュエータ125を作
動させ、過熱状態の温度であれば冷却が必要と判断しノーマルカム121に戻すように作
動させる。中間状態の場合は現在のスロットル開度とエンジン回転数から記憶してある図
18の制御マップにより冷却の必要性を判断し、アクチュエータ125を作動させ、冷却
しておく必要がある場合は掃気バルブカムをノーマルカムに戻し、それ以外の場合は高効
率カムに切換える。
【0066】
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図18は第8及び第9の課題解決手段に用いるバルブ切換制御マップであり、機関制御
用コンピュータ610に記憶されている。太い実線の下側が排気バルブカムを高効率カム
とする運転領域を示しており、太い点線の下側は掃気バルブカムを高効率カムとする運転
領域を示している。それぞれ上側はノーマルカムに切換える運転領域を示している。機関
回転数が高い場合には極低負荷以外は冷却の必要性が生じ、機関回転数が低い場合には多
少負荷が高くても熱伝導により冷却されるので冷却の必要性は低くなり、高効率カムの運
転領域が広がる。排気バルブを高効率モードに切換える方がポンピングロス削減効果は大
きく、またEGRを効かせるためには先ず排気バルブを高効率モードに切換える必要があ
るので、本実施例では排気バルブが高効率カムに切換わっているときのみ掃気バルブも高
効率カムに切換わるマップとなっている。本切換制御マップは単純化のために2次元のも
のとしたが、より精密な機関モードの制御を望む場合には、推定排気温度と現在のスロッ
トル開度とエンジン回転数の3次元の切換制御マップによりバルブカムを高効率カムとノ
ーマルカムに切換えることも可能である。その場合は図16、図17の第2ステップが省
略される。この3次元マップを持つ概念も本発明概念に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0067】
6サイクル機関は燃費競技車で使われたと伝えられ、燃費競技車としての実績から燃費
に対してのポテンシャルが高いことは示されてきたが、内容が公開されたことが無く、市
場では4サイクル機関が技術的に完成されていることもあり、4サイクル機関に比べて同
一回転数で爆発回数が少なく出力低下が予想されたことなどから、本格的に量産化に向け
ての検討がなされた形跡がない。しかし、実際に検討してみると、圧縮比が高められるの
で燃費効率が向上し、吸気時の燃焼室温度が4サイクル機関に対して低いので充填効率が
向上し、吸気が開始されるときに燃焼室に残っているガスは掃気なので酸素が存在しその
分燃料の濃い混合気の使用ができる、という理由から6サイクル機関の出力は同一の排気
量の4サイクル機関にかなり近い出力を出せることが分かってきた。
【0068】
さらに本発明の各課題解決手段を採用した6サイクル機関は、その他の懸念項目に対し
ても、パーシャル時に4サイクル機関に対して増加する懸念のあった掃気導入時のポンピ
ングロスをほとんど無くすことができ、ポートの数が増えることによりバルブ面積の確保
が懸念されたが4サイクル機関と同等のバルブ面積を確保することができ、更に排気触媒
の温度低下の懸念に対して大量の内部EGRをシンプルな構造で可能とする手段を提供する
ことにより解決するものである。したがって本発明は優れた燃費を持つ6サイクル機関を
実用化するに当っての懸念のすべてを解決するものであり、その意義は大きい。すなわち
本発明の利用可能性は、燃費の優れた内燃機関を必要とするすべての利用用途に対して存
在する。
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【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
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フロントページの続き
(51)Int.Cl. FI
F02M 25/07 570Z
(56)参考文献 実開平02-096435(JP,U)
特表2004-516405(JP,A)
特開平05-059936(JP,A)
特開2000-170559(JP,A)
特開平04-325723(JP,A)
特開平11-182272(JP,A)
特開平08-296450(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.,DB名)
F02B 75/00
F02B 25/00
F02D 13/00
F02D 21/00
F02M 25/00 |