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特許技術

JOHOの現有特許シリーズ
回生機付6サイクルエンジン
バルブ開口機会を増やした6サイクル機関
可変ノズル数タービン
6サイクル機関の排気触媒制御
インターネットで用いる課金・報酬システム
出願中の発明公開
可変容量圧縮機・可変圧膨張機
回生機としてエキスパンダーを備えた容量型機関

特許関連のご連絡は TEL:03-5332-3521 まで

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(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
  6サイクル機関とその排気から回生機により出力を外部に取り出す複合型内燃機関(以
下、回生機付6サイクル機関と言う。)であって、6サイクル機関の排気バルブの総開角
とタイミングを掃気排気行程では排気行程に対して狭くしかつ遅らせたことを特徴とした
内燃機関。
【請求項2】
  吸気ポートに対して独立した掃気ポートを備え、回生機からの排出ガスを掃気ポートに
循環させる循環ポートを備え、掃気を全て排気循環ガスに置換可能なことを特徴とした、
回生機付6サイクル機関。
【請求項3】
  6サイクル機関の吸気ポートにのみ過給機を備えたことを特徴とした、請求項2の内燃
機関。
【請求項4】
  6サイクル機関の排気ポートに複数の回生機を直列に備え、これら回生機の間から排気
ガスを掃気ポートに循環させるガス循環ポートを備えたことを特徴とした、請求項3の内
燃機関。
【請求項5】
  6サイクル機関の吸気ポートに過給機を備え、かつ排気ポートに回生機であるガスター
ビンを備え、当該ガスタービンから主たる出力を取り出すことを特徴とした、請求項1の
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内燃機関。
【請求項6】
  6サイクル機関の出力軸にモーター発電機を備え、排気ガスタービンを回生機として備
え、当該排気ガスタービンにノズルの総面積を変える機構を備え、スロットルバルブを省
略したことを特徴とした、請求項1の内燃機関。
【請求項7】
  6サイクル機関と回生機の間の排気マニホールドに燃焼室を備えたことを特徴とした、
回生機付6サイクル機関。
【請求項8】
  請求項1乃至7のいずれか1項に記載の内燃機関を搭載した移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
  本発明は、回生機と組み合わせる容積型内燃機関を6サイクル機関とすることにより、
燃費向上を図った複合サイクル内燃機関とその利用に関する。
【背景技術】
【0002】
  容積型機関の排出ポートに、排気ガスに残る圧力エネルギーを回転動力に変換する容積
型のモーターや排気タービンなどを取り付け、動力を外部に取り出すシステムは古くから
知られている。最近でもこの回生機を容積膨張機とし、導入されるガス流量を調整する弁
を設けた回生装置が提案されているが(例えば、特許文献1参照)、回生機を取り付ける
のに適した容積型機関については触れられていない。以後、このような排気ガスに残る圧
力エネルギーを動力に変換する装置を「回生機」と呼び、回生機の入り口圧力となる排気
ポートの圧力を「回生圧」と呼ぶ。
【0003】
  一般的なものではないが、(1)吸気、(2)圧縮、(3)爆発・膨張、(4)排気、
(5)掃気導入、(6)掃気排気の6行程で1サイクルを完了する内燃機関は「掃気エン
ジン」として知られている(例えば、特許文献2参照)。このうち排気ポートが1つの本
文献に言うところの「従来の掃気エンジン」を以下「6サイクル機関」と呼ぶ。
【0004】
  第5行程を(5)水噴射膨張行程に変えた6サイクルディーゼル機関に回生機としての
排気タービンを備えた機関は知られている(例えば、特許文献3参照)。しかし排気ポー
トの圧力は吸気ポートの圧力と等しい圧力であり(同文献第2図参照)、回生圧を高めて
より多くの排気の圧力エネルギーを回生しようとする記述も示唆もない。
【0005】
  容積形内の燃機関である往復ピストン機関を燃焼室として用いるガスタービン機関とし
て、ペスカラサイクル(Pescara Cycle)とよばれる自由ピストン式ガスタ
ービンが知られている。
【0006】
  排気タービンのノズルを構成するベーン(vane) の角度を連続的に変化させ、タ
ービンのノズルの開口面積を変化させ、ガスの通路面積を変えることによりガス量の変化
に対応するシステムは知られている(例えば、特許文献4参照)。可変ノズル数タービン
は本出願の優先権主張の基礎とした出願により開示している。
【0007】
  ハイブリット車両としては、内燃機関の出力を一旦すべて電力に変換し、その電力で車
両駆動用モーターを駆動して走行するシリーズハイブリット車両は知られている。内燃機
関からの出力で変速機を介して車両を駆動するとともに、その機関の出力軸に直接モータ
ーを接続し、そのモーターをバッテリーからの電力で駆動するパラレルハイブリット車両
は知られている(例えば、特許文献5参照)。
【0008】
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  内燃機関からの出力をプラネタリーで分配し、その出力の一部で車両を駆動するととも
に残る部分でモーター兼発電機を駆動して発電し、発電した電力とバッテリーからの電力
で駆動輪側に接続した別のモーターを駆動する形式のモーター2つとプラネタリーギヤを
用いたトルク分配システムにより、シリーズ型とパラレル型の両者の特性を備えたハイブ
リット車も知られている(例えば、特許文献6参照)。
【特許文献1】特許3739725公報
【特許文献2】実開平2-96435公報
【特許文献3】特許2819676公報
【特許文献4】特開2001-12252公報 図2
【特許文献5】特許2857666公報
【特許文献6】特開2006-22890公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
  通常の4サイクル機関では圧縮比で燃焼ガスの膨張比が決まる。圧縮行程で吸気を断熱
圧縮し、温度が上昇した状態で燃焼させ、爆発・膨張行程で圧縮比分だけ膨張させて動力
としているので、まだ外気の圧力よりかなり高い圧力の時に排気バルブが開き、排気ガス
のエネルギーを大気に解放してしまっている。
【0010】
  この圧力エネルギーを利用することを意図した、圧縮比より大きな膨張比を持つ内燃機
関の発明概念はアトキンソンサイクルの概念であり、古くから知られている。それを吸気
バルブのタイミングを変えることにより通常の4サイクル機関に適用しようとしたものが
、ミラーサイクルである。しかし、これらの機関は排気量が同一であれば出力低下があり
、それに対して往復運動によるフリクションは変わらないので出力に対するフリクション
比率が増加する問題が存在した。
【0011】
  4サイクル機関では、回生機を取り付け、サイクル効率を向上するために高い回生圧を
とろうとすると、異常燃焼や排気バルブの溶損などの問題が発生する。回生圧が低い場合
には、排気バルブが開いたときにガスを排気ポートに押し出すことによりシリンダーに残
留する排気ガスは断熱膨張し、幾分低温になるのに対して、回生圧が高い場合には排気バ
ルブが開いたときの圧力低下が無いため、高温に維持された排気ガスがピストンの上昇に
より排気ポートに押し出される。そのため低温のガスに触れる機会を失った排気バルブは
溶損を起こす。更に予混合気式の機関の場合では排気行程を終わったときの気筒内には排
気ガスがより高温でより多く残留することになるので、異常燃焼が発生し、更には吸気バ
ルブが開いたときに高温の排気ガスが混合気に直接接触し、バックファイヤーが発生して
しまう。
【0012】
  4サイクル機関では燃焼室周りの冷却は異常燃焼等の発生を抑えながら圧縮比を上げる
ために必要不可欠で、燃焼エネルギーの多くを冷却損として冷却水に捨てていた。ここで
異常燃焼とは、燃焼室内の混合気が局部的にでも高温化した場合に混合気が点火プラグか
らの火炎の伝播に先立ちその圧力上昇による温度上昇で一気に自己着火を起こし燃焼する
ノッキングと呼ばれる現象である。異常燃焼が発生すれば本来意図していた燃焼時期より
早い時期に一気に燃焼するため、ピストン上死点近傍での燃焼室内の圧力が異常に上昇し
、不快なノッキング音の原因となるとともに、ビストンやヘッドなどの部品が損傷し、機
関全体の耐久性を著しく低下させる原因となる。しかし排気のエネルギーを回生しようと
する場合には、冷却水に捨てられるエネルギーの分、回生可能なエネルギーが減ることに
なり問題である。
【0013】
  そのため、ディーゼル機関で一部行われているような、シリンダーヘッドやピストンヘ
ッドの燃焼室壁面を金属から断熱性の高いセラミックなどに置換する、いわゆる「断熱化
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」がしばしば試される。ところが、特に排気バルブ周辺に入って来た混合気は燃焼室に残
る温高温の燃焼ガスと混合し、更に燃焼壁から熱を受け温度は上昇し、異常燃焼を発生し
やすくなっている。そこに「断熱化」を施せば燃焼室全体の混合気の温度が更に上がり、
異常燃焼や排気バルブの溶損などが生じやすくなる。4サイクル機関ではこのような「断
熱化」を施すことは、異常燃焼等を避けるために圧縮比を下げなければならなくなり、か
えって効率が低下するものであった。
【0014】
  ガスタービン機関は出力の割合にコンパクトであるという利点があるが、パーシャル燃
費が悪く、起動から全開状態となるまでに時間が掛かるという欠点がある。この点を改善
する手法として「自由ピストン式ガスタービン」が知られているが、この燃焼室となる容
積形機関の部分は2サイクル機関の形態をとっているので、回生圧は掃気圧にほぼ等しく
、排気バルブが開いたときに排気ガスは掃気圧まで自由膨張し、一部の圧力エネルギーが
開放されてしまう。また過給気を気筒内の燃焼に必要な量以上に送り込む関係から、必然
的に予混合式機関とすることはできず、直噴式機関に限定されるものであった。クランク
シャフトを持たないため、機関回転数に相当する時間当たりのサイクル数の制御性が悪い
欠点と、負荷変動に対しての対応性が悪い欠点があった。
【0015】
  排気触媒によっては、酸素濃度が高すぎると窒素酸化物の還元がうまく進まないものが
ある。この対策としてEGR(Exhaust Gas Recirculation:
  排出ガス再循環)システムを用いて積極的に機関の吸気に排気循環ガスを送り込むこと
が行なわれている。しかし、6サイクル機関で吸気と掃気に均一に循環ガスを混合すると
、吸気の中の酸素濃度が下がり燃焼できる燃料が少なくなり出力が下がるのに対して、掃
気には新気が混じり触媒を通過する排出ガスは相変わらず酸素過多となる問題がある。
【0016】
  多気筒6サイクル機関のシリンダー配置は、一般的には2サイクル機関で使われている
シリンダー配置と同じものが利用できる。しかし、3の倍数の気筒数を持つ6サイクル機
関は2サイクルの気筒配置では等間隔爆発の機関にならず、乗用車用の機関などとしては
利用しにくい。回転数当りの爆発回数の少ない6サイクル機関では6気筒程度が望まれる
ことが多いが、車両などでよく使われているV型配置の機関では、等間隔爆発にすると1
次の振動が発生する配置しか存在しないので問題である。
【0017】
  現在、乗用車ではエンジンを車体前部おいた前輪駆動車両、いわゆるFF車が主流とな
っているが、これに近年増加してきたハイブリット方式の駆動系を搭載しようとした場合
、問題となるのがエンジンやモーターなどの駆動系の幅である。動力伝達系の効率を考慮
すれは、モーターをエンジンの回転軸を車体に対して横に搭載したいが、モーター幅の分
車体幅を増やさなければならなくなり、車体自体が異なるものになってしまう問題がある
。仮に新しい車体とするにしても、小型乗用車にとって100mmの車体幅の拡大は市場
性から致命的である。この問題からハイブリット車は一部の機種に限定されていた。
【0018】
  燃費から言えばディーゼル機関とハイブリットシステムとの組み合わせた車両は望まれ
るところであるが、上記と同様の問題の他、過給機付ディーゼル機関の補機を含めたスペ
ースやトルク特性の問題から、これまで乗用車としては成立しなかった。
【言葉の定義】
【0019】
  本発明及びその説明においては、直噴式機関には、圧縮着火機関と、火花着火機関であ
って気筒内に燃料噴射弁を備えたものを含む。回生機付容積型機関全体の理論効率が最大
となる回生圧を以後、理想回生圧と呼ぶ。ハイブリット車両の概念には電気式のものと油
圧式のものを含む意味で解するものとし、この場合には、発電機と記した場合には油圧ポ
ンプ、バッテリーと記した場合には蓄圧器、動力線と記した場合には高圧油路であり、動
力を電力に変換すると記した場合には流体を高圧化して圧送することを意味することとす
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る。特許請求の範囲についても同様とする。
【課題を解決するための手段と効果】
【0020】
  本発明の第1の課題解決手段は、容積型機関とその排気から回生機により出力を外部に
取り出す機関を、回生機付6サイクル機関としたことを特徴とした内燃機関である。
【0021】
  第1の課題解決手段の効果として、容積型機関を6サイクル機関とすれば、(5)掃気
導入、(6)掃気排気の行程により燃焼室や排気バルブが掃気により冷却され、回生圧を
高めても排気バルブの溶損等を起こさないし、回生機が熱的に楽になる利点がある。吸気
行程を開始時に吸気バルブが開いたときに逆流する可能性のある燃焼室内の気体は掃気で
あり、回生圧が上がっても温度が低く吸気に触れてもバックファイヤーを起こさない。
【0022】
  また6サイクル機関は燃焼室を内部から冷却できるので、「断熱化」した場合でも異常
燃焼は発生しにくい。そのため従来では冷却水に捨てられていた燃焼エネルギーを回生機
で動力に変換することが出来、回生効率が向上する利点がある。
【0023】
  本発明の第2の課題解決手段は、吸気ポートに対して独立した掃気ポートを備え、回生
機からの排出ガスを主に掃気ポートに循環させるシステムを備えたことを特徴とした、第
1の題解決手段による内燃機関である。
【0024】
  第2の課題解決手段は、吸気の中の酸素濃度を下げずに触媒を通過する排出ガスの酸素
濃度を下げ、触媒の還元作用を促進する効果がある。直噴式6サイクル機関では掃気と吸
気のポートを共通として、共に新気を供給して行なう方法もあるが、その場合には排気中
の窒素酸化物を除去するために水洗設備など固定設備型の排気ガス浄化システムが必要に
なるのに対して、排気浄化システムに触媒方式のものが採用でき、小型化できる利点があ
る。
【0025】
  本発明の第3の課題解決手段は、6サイクル機関と回生機の間の排気マニホールドを保
温材で覆い、断熱化したことを特徴とした、第1の課題解決手段による内燃機関である。
【0026】
  第3の課題解決手段は、回生機に供給される排気のエネルギーを無駄に周囲に捨てるこ
とが無く、回生出力が向上する利点がある。従来のターボチャージャー付4サイクル機関
では排気タービンのジャーナルが熱で損傷しないように、どちらかといえば積極的に排気
タービンを冷却し、排気マニホールドも直接外気に触れさせて冷却していた。しかし、6
サイクル機関では、掃気の存在により排気温度が低いので、排気マニホールドは積極的に
保温し、より多くの排気エネルギーを回生機に導くのが機関の総合効率を高める。回生機
付6サイクル機関では4サイクル機関より触媒の昇温に時間がかかる傾向があるが、これ
を短縮する効果もある。排気触媒の昇温にはEGRガスを触媒の周りに通し、保温するの
も一手法である。効率の向上のためには更に回生機までの排気ポートも断熱化すべきであ
る。
【0027】
  本発明の第4の課題解決手段は、排気ガスの通過ガス量を変化させる機構を回生機に備
え、当該機構により回生圧を変化させることにより、6サイクル機関の出力と回生機から
の出力の割合を制御可能とすることを特徴とした、第1の課題解決手段による内燃機関で
ある。
【0028】
  第4の課題解決手段の効果として、2つの負荷に対して動力の配分比を変えて供給した
い場合に適した内燃機関を提供する。たとえば、走行用の駆動力とは別に、走行速度とは
あまり関係なく農産物の刈り取りや脱穀する機械部分の駆動力を必要とする農業用機械や
、推進力とは別に比較的大きな発電機を駆動する必要のある遊覧船のような移動体の動力
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源として適している。
【0029】
  この原理を説明すると、回生機で多くの出力を取り出せるように回生圧を高くとると、
(4)排気行程と(6)掃気排気行程ではシリンダー内のガスを排出するために6サイク
ル機関は自身の運動エネルギーを消費することになる。また回生圧を高くとると(6)掃
気排気行程で燃焼室に残るガス量が増え、その次の(1)吸気行程で吸気ガス量が減り、
6サイクル機関の出力トルクが下がる。この二つの効果により、6サイクル機関の出力は
回生圧が高いほど低くなるのに対して、回生機の出力は単純に回生圧が高いほど高くなる
。本課題解決手段は、この原理を利用して回生圧を制御することにより、6サイクル機関
と回生機からの出力の割合を制御するものである。
【0030】
  回生圧を変化させる方法として、回生機として容積型膨張機を用いる場合には、その回
転数を変化させることにより行なう。回生機としてガスタービンを用いた場合には、ター
ビンにガスを噴射するノズルの総面積を変化させる方法で行なう。特に可変ノズル数ガス
タービンを採用した場合には、コンパクトなガスタービンを回生機として用いながら、負
荷変動により排気ガス量の変化する内燃機関に対して、常に高い効率を維持できる利点が
ある。
【0031】
  本課題解決手段により、6サイクル機関の負荷に関わらずほぼ一定の回生圧とする制御
を行なうにより、回生機からの出力が大きくなりすぎるのを防止する効果がある。回生機
付6サイクル機関は負荷が大きくなると多くの吸気を導入し、燃料も増えるので、最大圧
は上昇する。そのようなときは理想回生圧も上がり、それに対応するために回生機内部で
の膨張比も上がることになるので回生機からの出力は機関全体の出力増加分以上に増える
ことになる。それに対して回生圧をほぼ一定とすれば、回生機での膨張比は変化せず、回
生機の出力は機関全体の排気ガス量に比例するだけなので、回生機の出力を抑制すること
ができる。回生機からの出力が抑制できれば、回生機の出力を吸収する発電機などを小型
化することができ、そのコントローラーや、電力を蓄える蓄電器や、発電した電力を利用
するモーターなどの負荷容量も小さくでき、システム全体がコンパクトになる利点となる

【0032】
  また、自然吸気の6サイクル機関でも理想回生圧は4気圧近くになり、過給機付の6サ
イクル機関の理想回生圧は更に高い圧力となる。このような圧力を扱う回生機は、容積形
膨張機とするとしても、ガスタービンとするとしても多段となりシステムが複雑となる。
そこで回生圧を4気圧程度以下の一定の圧とする制御を行なうことで、回生機の単段化が
可能となり回生システムを単純化する利点がある。また、全負荷時の回生機を含めた機関
の総合効率はやや低下するが、全負荷時の6サイクル機関単体の出力は理想回生圧とした
場合より高まる利点と、掃気と吸気のガスの交換効率が高まるので、機関全体の最高出力
が高まり、熱的にも楽になる利点がある。
【0033】
  本発明の第5の課題解決手段は、6サイクル機関の吸気ポートに過給機を備え、かつ排
気ポートに回生機であるガスタービンを備え、当該ガスタービンから主たる出力を取り出
すことを特徴とした、第1の課題解決手段による内燃機関である。
【0034】
  6サイクル機関の燃焼室の最大圧力に限界があると考えると、過給圧を上げていくほど
6サイクル機関の出力割合が減り、回生機での出力割合が増えていく。過給圧を4気圧程
度かそれ以上に高くとると、機関の出力のほぼすべてを回生機であるガスタービンから得
る内燃機関となる。燃焼室として6サイクル内燃機関を用いたガスタービン機関、すなわ
ち6サイクルガスタービンと言うべきものとなる。以下、本課題解決手段による内燃機関
を「6サイクルガスタービン」と呼ぶ。
【0035】
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  6サイクルガスタービンは、動力軸回転数が高い利用用途で、コンパクトで制御しやす
い原動機となる。発電用に用いれば、出力軸の回転数が高いために発電機の磁束を切る速
度が速いので発電電圧を高く取れ、発電機がコンパクトに出来る利点がある。6サイクル
ガスタービンは過給圧より高い回生圧を設定しているので、自由ピストン型ガスタービン
に比較して掃気の量をむやみに増やす必要が無く、かつ排気が熱サイクルの途中で自由膨
張することも無いので熱効率が高い。6サイクルガスタービンは吸気ポートに混合気、掃
気ポートに新気や循環ガスと、ガスをポートにより分離することができるので、ディーゼ
ル機関のみならず予混合式機関にも用いることが出来る特徴がある。容積形機関部分にク
ランク軸を持つ6サイクル機関を用いているのでクランク軸を用いた内燃機関型の制御方
式を使用することができ、回転数制御や負荷変動に対して制御が容易な特徴を持つ。
【0036】
  容積型機関はピストンの往復運動により慣性振動を発生するため、船舶などの移動体で
その出力を直接スクリューなどの駆動軸に伝達すると、出力軸が船体などに固定されるの
でその振動が船体に伝播し、乗客に不快を感じさせる。それに対して6サイクルガスター
ビンの場合は、容積機関である6サイクル機関の出力は過給機や発電機などの補機を駆動
するために用いるので、船体などに柔らかいマウントで搭載でき、振動が船体などに伝播
しない。回生機の存在により排気音が静かで燃費が良い利点がある。スクリューなどの駆
動軸は振動の少ないタービンから直接、もしくは一度発電機により電力に変換してその電
力を利用してモーターで回すことができる。そのため客船やハイブリット車などの動力源
として燃費と商品性を両立することができるものとなる。
【0037】
  また従来の容積型機関の発電機に比べて排気音が静かで燃費が良く、内部冷却により冷
却システムも簡易に出来るので、始動性の高い制御しやすい発電用の原動機として、トレ
ーラーハウスや別荘の電力源や、燃費の良いポータブル発電機としても利用することがで
きるものである。またコンパクトなタービン型圧縮機を用いる場合の1MPa以下程度の
エアーコンプレッサーの動力源としても優れている。
【0038】
  発電機用として6サイクルガスタービンは、小さいものであれば30kWクラスから、
大きなものであれば容積型機関である6サイクル機関を多数設置することにより発電所用
の10MW以上のクラスまで、従来の内燃機関から置換可能なものである。発電所のよう
な大型のものであれば、通常のガスタービンの効率も高くでき、排出ガスに残る熱エネル
ギーで蒸気タービンを回す複合サイクルが利用でき、全体効率を高くできるので利用され
ている。しかし小型の100kWクラスのものではガスのリークや熱伝導ロスの関係から
ガスタービン自体の効率を上げるのが難しく、また小さすぎて排熱を利用した複合サイク
ルの利用も難しいので、4サイクルディーゼル機関などに対して効率の点で劣り、コンパ
クトな点を生かして非常用の発電機などに利用されている程度である。それに対して6サ
イクルガスタービンは容積型機関の排気に残る圧力エネルギーを回生機で動力に変換する
複合サイクルをコンパクトにまとめたものであり、効率も4サイクルディーゼル機関に勝
る。そのため小型のものでも利用のメリットがある。大型のものでは更に排出ガスに残る
熱エネルギーで蒸気タービン等を回す排熱回生システムを付加することもでき、従来の火
力発電用ガスタービンの燃費向上を図ることができるものとなる。
【0039】
  本発明の第6の課題解決手段は、6サイクル機関の出力軸に過給機としての容積型圧縮
機と、6サイクル機関を再始動可能なモーター発電機を備え、排気ガスタービンを回生機
として備え、当該排気ガスタービンにノズルの総面積を変える機構を備えたことを特徴と
した、第1の課題解決手段による内燃機関である。
【0040】
  第6の課題解決手段による内燃機関は、過給機として6サイクル機関の回転数に比例し
て回転する容積型圧縮機を備えているので、吸気量は機関の回転数に比例するので過給圧
は一定となり、機関回転数にほぼ比例する排気ガスを回生機に送り込む。タービン型の圧
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縮機の場合では、回転数の自乗に比例する圧が発生し、機関回転数の変化に対して安定し
た過給圧とするためには、複数の過給機を組み合わせて作動タービンを適宜に選択して使
う必要が生じるが、容積型圧縮機の場合には機関と比例する回転数にすることだけで過給
圧をほぼ一定に保つことができ、システムの要素数を減らすことのできる利点がある。
【0041】
  当該6サイクル機関部分の出力は、過給機を駆動するためと、高圧の排気ガスを回生機
に供給することに用いられる。この場合6サイクル機関は高圧ガス発生装置として捉える
ことができ、その回転数を制御することにより機関全体の出力を制御することができる。
6サイクル機関の回転数を制御する手段としては、制御用コンピュータにより、主として
排気タービンのノズル総面積を変化させることにより回生圧を変化させ、更に正確な機関
回転数は出力軸に備えたモーター発電機の吸収トルクを制御することにより負荷を変化さ
せることにより行なう。
【0042】
  このように本課題解決手段による内燃機関は、アイドル回転状態など微妙な吸気のコン
トロールが必要な場合を除いて、基本的にスロットルバルブのような出力制御専用手段を
持たずに機関出力を制御することができるのでシンプルであり、スロットルバルブによる
ポンピングロスが無く効率が良い利点がある。出力の大半を回生機から取り出す6サイク
ルガスタービンとして用いる場合や、6サイクル機関の出力も含めて発電に用いるときな
ど、外部から出力を制御しやすいコンパクトで効率の良い機関となる。回生機の存在によ
り排気音も静かで、特にハイブリット車両用の発電部として有利である。
【0043】
  本発明の第7の課題解決手段は、6サイクル機関と回生機の間の排気マニホールドに燃
焼室を備えたことを特徴とした、第1から第6の課題解決手段による内燃機関である。
【0044】
  第7の課題解決手段の1つ目の効果は、排気ガスの未燃焼成分を除去し、酸素濃度や温
度などの状態を制御可能とする点である。6サイクル機関は掃気行程の存在により排出ガ
スは酸素過多になりやすい。そこで燃焼自体は多少燃料リッチの状態で運転することにな
るので、(4)排気行程の排気には未燃焼ガスが残る。ところがこの(4)排気行程の排
気と(6)掃気排気行程の排気とは交互に排出されるので排気ポートで混合し未燃焼成分
を確実に燃焼させるのは難しく、回生機を通り過ぎて触媒で燃焼することになる。これは
触媒の負荷を増やすばかりでなく、触媒温度の異常上昇と燃費の悪化を招く。本課題解決
手段は、排気ポートに設置された燃焼室でこの未燃焼ガスを確実に回生機の手前で燃焼さ
せることが出来る。この効果を促進するために、燃焼室を触媒で構成する手段も有効であ
る。燃焼室に燃料供給装置を取り付けることにより、排気が酸素過多になった場合には酸
素濃度を下げることできる。6サイクル機関の運転状態を変えずに一時的に排気を還元雰
囲気にするなど、触媒の状態をより精密に管理することができる利点がある。また、暖気
時に触媒の昇温時間を短縮するために利用することができる。
【0045】
  本課題解決手段の二つ目の効果は、回生機の出力を高めることのできる点である。確実
に未燃焼ガスを燃焼させることによっても回生機の出力は向上する。更に、燃料噴射装置
により燃料を燃焼室に供給することにより、タービンの限界温度まで排気ガス温度を高め
、回生機の出力を上げることが出来る。過給機を備えた回生機付6サイクル機関では、回
生圧が高いのでこの燃焼室での燃焼エネルギーを回生機で比較的効率良く動力に変換する
ことができるので、効率の低下は少ない。本目的の類似の公知例として、戦闘機などのジ
ェットエンジンで使われるアフターバーナーの例がある。回生機付6サイクル機関の排気
に残る酸素濃度はジェットエンジンの排気ほどは高くないので、それほど著しく出力を上
げる効果はないが、掃気をすべて新気とすることにより本効果を最大化することができる

【0046】
  本発明の第8の課題解決手段は、第1の課題解決手段による内燃機関を搭載した移動体
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であって、6サイクル機関からの出力を駆動輪に伝達する動力伝達機構と、車両を駆動す
るモーターと、当該モーターの駆動力を駆動輪に伝達する動力伝達機構を備え、回生機の
出力軸に発電機を備えたことを特徴とした移動体である。
【0047】
  第8の課題解決手段による移動体は、6サイクル機関の回生機からの出力を効率よく走
行エネルギーとして用いることのできる利点がある。最近はハイブリット車両が増加傾向
にあるので、ハイブリット車が元来持っている走行用モーターにこの電力を回せば追加で
必要となる部品も少ない利点がある。その場合は発電した電力を一時的にバッテリーに蓄
える手法もとることができる。このように本課題解決手段による移動体は、バッテリーな
ど一部の部品の大型化のみで更に燃費効率の良いハイブリット車両としてのシステムを移
動体に取り入れることができるものである。逆に言えば従来のハイブリット車両に対して
本課題解決を適用すれば、燃費効率の良い搭載可能なコンパクトな原動機を得ることがで
きる。
【0048】
  本発明の第9の課題解決手段は、請求項6の内燃機関を搭載したシリーズ型ハイブリッ
ト方式の移動体である。
【0049】
  第9の課題解決手段による移動体は、機関自体がシンプルで始動性が良く、機関の回転
数を変えても効率が良いのでバッテリー容量も少なくて済み、ハイブリットシステム全体
が軽く構成できるという利点がある。シリーズハイブリットの特性から、平均速度が遅く
加減速の回数の多い、都市バスや配送用小型トラックやタクシーなどに適用すると燃費改
善効果が特に大きい。
【0050】
  本発明の第10の課題解決手段は、6サイクル機関を両側60度のW型6気筒とした、
請求項1の内燃機関である。
【0051】
  第10の課題解決手段による回生機付6サイクル機関は、6気筒という気筒数をもちな
がら、慣性1次振動の無い180度等間隔爆発の機関であり、クランク軸方向にコンパク
トな利点がある。車体に対して横置きでも、縦置きでも搭載性が良く、特に排気量2リッ
トルクラス以上の乗用車や小型、中型トラックなどの移動体用の機関として有用である。
【0052】
  本発明の第11の課題解決手段は、6サイクル機関を90度V型4気筒とした請求項1
の内燃機関、もしくは請求項10の内燃機関を備え、その回転軸を車両の進行方向に対し
て横向きに配置した前輪駆動車両である。
【0053】
  第11の課題解決手段による車両は、従来の予混合式4サイクル機関を搭載した前輪駆
動車両に対して互換可能なハイブリット方式の車両を提供可能な利点がある。従来は搭載
不能であったディーゼル機関とハイブリット方式の組み合わせも、過給圧を高め6サイク
ル機関の部分をコンパクトにすることにより可能となる。本課題解決手段は、270度等
間隔爆発の90度V型の4気筒6サイクル機関や180度等間隔爆発の請求項10の内燃
機関が、乗用車等に適した等間隔爆発の機関であり、かつ振動が少なく、エンジン幅が短
いことを利用して本課題を解決したものである。V型やW型となることにより機関の前後
長がやや長くなるが、車両のフロント部を延長する手法がとりうるので従来の前輪駆動車
両に対して互換可能となる。このフロント部分の延長はエンジンルームを増大によるハイ
ブリット関係の部品の搭載スペースの確保にもつながり、致命的な欠点とはならない。
【0054】
  このように、本課題解決手段は、世界的に台数の多い小型乗用車で、その中でも主流と
なっている2リットルクラス以上のエンジン横置きFF車両をハイブリット化することが
できるものであり、更にはこれをディーゼル化することも可能とするもので、世界の石油
消費を削減する上で大きな効果がある。
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【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】(A)図は、本発明の回生機付6サイクル機関の模式図であり、(B)図は、4
サイクルガソリン機関と回生機付6サイクル機関のP-V線図の概念図である。(実施例1

【図2】本発明の機関のEGRシステムの実施例の模式図である。(実施例2)
【図3】本発明の過給気付機関のEGRシステムの実施例の模式図である。(実施例3)
【図4】本発明の多段の回生機を備えた機関のEGRシステムの模式図である。(実施例
4)
【図5】第4の課題解決手段による回生機付6サイクルディーゼル機関の6サイクル機関
部分のPV線図である。(実施例5)
【図6】同機関全体のPV線図の模式図である。(A)図はその全体図を示し、(B)図
はその原点近傍の拡大図を示す。(実施例5)
【図7】第4の課題解決手段による第1の実施例の機関の模式図である。(実施例5)
【図8】第4の課題解決手段による第2の実施例の機関の模式図である。(実施例6)
【図9】本発明による6サイクルガスタービンの模式図である。(実施例7)
【図10】(a)図は本発明による排気マニホールドに燃焼室を備えた機関の側面図であ
り、(b)図はその燃焼室部分の拡大図である。(実施例8)
【図11】本発明による前輪駆動車両の動力部の4面図である。(実施例9)
【図12】同 動力部の制御システム図である。(実施例9)
【図13】本発明によるパラレルハイブリット車両の動力システム図である。(実施例1
0)
【図14】本発明によるW型6気筒機関のクランクピン配置図である。(実施例11)
【符号の説明】
【0056】
  1   6サイクル機関
  18  直噴インジェクター
  20  シリンダーヘッド
  21  吸気ポート
  22  吸気バルブ
  23  スロットルバルブ
  24  アクセルセンサ
  31  排気ポート
  32  排気バルブ
  35  ウェストゲートバルブ
  41  掃気ポート
  42  掃気バルブ
  43  第2バルブ
  43B  掃気ポートバルブ
  50a1~c2  クランクピン
  51a1~c2  ピストン
  52  回転数センサ
  68  排気センサ
  70  燃焼室
  71  保温材
  72  燃焼室内壁
  73  ガス孔
  75  燃料供給機
  80、80b 排気マニホールド
  91  アクチュエータ
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  94  掃気バルブアクチュエータ
  100 回生機(または排気タービン)
  111 循環ポート
  112 冷却機
  150 補機
  151 発電機
  152 補機用減速機
  153 補機用クラッチ
  154 補機駆動ベルト
  155 発電兼用モーター
  180 変速機
  181 動力伝達ベルト
  200 過給機
  200b 過給機のガス吸入口
  210 過給機としての容積型圧縮機
  280 増速機
  360 回転アクチュエータ
  520 変速機
  522、522b ドライブシャフト
  525、525b 駆動輪
  550 車両駆動用モーター
  560 モーター制御機
  561 動力線
  580 バッテリー
  610 制御コンピュータ
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
  今回、まだ産業上利用されたことの無い6サイクル機関について研究し、当該機関に回
転型の回生機を組み合わせることにより、これまで実用的実施方法が見出せなかったアト
キンソンサイクルを、コンパクトで効率良く実施できる複合サイクル機関として実現し、
内燃機関の熱サイクル効率を向上させた。
【実施例1】
【0058】
  図1(A)図は、第1の課題解決手段による回生機付4気筒6サイクル機関の上方から
見た模式図である。無過給の6サイクル機関1の排気マニホールド80に回生機である排
気タービン100が取り付けられ、排気に残る圧力を回転エネルギーに変換し、圧力の下
がったガスを回生機の下流の排気マニホールド80bから大気に排出する。
【0059】
  図1(B)図は、無過給の4サイクル機関と第1の課題解決手段による機関の圧縮行程
と爆発・膨張行程の燃焼室の容積と圧力変化を示すグラフ(以下、PV線図)である。点
線は予混合式4サイクル機関で圧縮比9.5の場合のPV線図である。点A1の高さは大
気圧である吸気圧力を、横軸の容積はピストンが下死点時の気筒内容積を示している。ピ
ストンが上昇していく時の断熱圧縮時の容積と圧力の変化が点A1から点A2までの左上
がりの曲線で表されている。ビストンが上死点A2に来たとき着火し、燃焼による温度上
昇により圧力がA3まで上昇する。その後ピストンの下降により今度は断熱膨張して、ピ
ストンが下死点で圧力A4に達し、排気バルブが開くと燃焼室内のガスは大気圧であるA
1まで自由膨張し開放される。このときのA4とA1の圧力差が排気バルブを開いたとき
に自由膨張により未回収のまま開放され捨てられる圧力エネルギーの存在を示している。
その後、排気行程、吸気行程を得て再びA1に戻り1サイクルが終わる。
【0060】
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  実線は同一の排気量の回生機付6サイクル機関の圧縮比12.2の場合のPV線図であ
り、圧縮行程と爆発・膨張行程と回生機内での膨張行程も含めて表している。4サイクル
との圧縮比の違いは吸気行程終了時のガス温度が、掃気による内部冷却の行なわれる6サ
イクル機関の方が低いことによる。B1から圧縮行程が始まる。このとき容積は圧縮比が
高い6サイクル機関の方が上死点での容積が小さく、その分圧縮開始時点の容積も小さい
。圧縮行程で断熱圧縮されピストンが上死点の位置まで来た時B2に達する。ここで着火
・燃焼し、B3まで圧力が上昇する。膨張行程で断熱膨張し、ピストンが下死点の位置ま
で来た時、B4で排気バルブは開き、ほぼその時の圧を維持したまま6サイクル機関から
回生機に送り込まれる。このときのB4の圧力を回生圧と呼び、本図実線のようなPV線
図をとる場合に理想的なアトキンソンサイクルが実現し、本機関全体の理論効率が最大と
なるので、このような回生圧を「理想回生圧」と呼んでいる。排気ガスはその後回生機の
中で更にB5の圧まで断熱膨張して大気圧で放出される。6サイクル機関の方はB4の後
、排気、掃気導入、掃気排気、吸気の4行程を得て1サイクルを完了する。回生機に送り
込まれるガスとしては、排気行程で送り出される排気ガス以外に、掃気排気行程で排出さ
れる排気ガスがあるが、サイクル効率を議論する際に6サイクル機関の掃気を圧縮し排出
するエネルギーをタービンがすべて回収するとすれば関係がないので、その分は考慮して
いないグラフとなっている。
【実施例2】
【0061】
  図2は第2の課題解決手段の機関のEGRシステムの模式図である。6サイクル機関の
部分の図は本実施例の多気筒機関のシリンダーヘッド20の1つの燃焼室部分をシリンダ
ー側から見た図である。燃焼室にはポペット型の吸気バルブ22、掃気バルブ42、排気
バルブ32の傘の部分と、直噴インジェクター18のノズル部分が見えている。排気バル
ブが小さく複数になっているのは、後述する図5の説明にあるように掃気排気のバルブの
開くタイミングがD8からD6までと狭いので、素早く開閉を行なうためである。機関の
掃気ポートに排出ガスを循環させるガス通路111があり、その通路には冷却器112が
備えられている。第2バルブ43で掃気の量を制御し、掃気バルブで掃気に混じる新気の
量を制御する。通常、本機関を過給する場合には掃気と吸気のそれぞれに別個の過給気を
設ける必要がある。
【実施例3】
【0062】
  図3は第2の課題解決手段の第2の実施例である過給機付の機関のEGRシステムの模
式図である。機関の吸気ポートにのみ過給機200が備えられ、排出ガス圧である掃気ポ
ートの圧より高められている点が異なる。掃気圧が低い分、6サイクル機関内で掃気排気
行程で圧縮したのち、排気ポートに押し出される。掃気は圧力が低い分吸気に対してガス
重量が減るが、ガスは過給すると断熱圧縮により温度が上昇するのに対して、掃気は新気
のままより低い温度で燃焼室内部を冷却することが出来る。掃気専用の過給機が不要とな
る利点がある。
【実施例4】
【0063】
  図4は第2の課題解決手段による第3の実施例である過給機付の機関の実施例のEGR
システムの模式図である。複数の回生機100、100B が直列に備えられ、この2つの
回生機の間の排出ガスを循環させるガス通路111があり、その通路には冷却器112が
備えられている。図2や図3の実施例のように回生機内で大気圧まで膨張した排出ガスを
冷却し、再度過給して使用するのが熱サイクル効率からは最善の方法であるが、掃気も過
給することを望む場合に掃気専用の過給機を省略することができ、循環ガスの圧が高い分
冷却温度が高くても効果があるので冷却器を小さくすることができる利点がある。大気圧
で冷却した排出ガスを再度圧縮する場合は、断熱圧縮による温度上昇が起こるので、大気
圧で循環ガスを冷却するにはその分充分に冷却する必要があるからである。搭載スペース
の少ない車両などの移動体に搭載する機関のEGRシステムとして適したものとなる。こ
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の掃気の圧は必ずしも吸気の過給圧と同じ圧とする必要は無いが、本実施例では掃気バル
ブ43Bを開けたときに新気が掃気に導入できるようにするために、吸気圧の方を高くし
ている。
【実施例5】
【0064】
  図5は、第4の課題解決手段による過給機と回生機を備えた6サイクルディーゼル機関
の4気圧で過給した6サイクル機関単独のPV線図であり、回生圧の違いによる6サイク
ル機関単独の出力の変化を説明している。実線は理想回生圧を用いた場合の6サイクル機
関単独のPV線図であり、点線は回生圧を理想回生圧より低くしたときのPV線図である
。過給圧であるD1から圧縮行程が始まり、圧縮行程で断熱圧縮されピストンが上死点の
位置まで来た時D2に達する。ここで燃焼室内に噴射した燃料を燃焼させると、燃焼熱に
より温度が上昇しD3まで圧力が上昇する。膨張行程に入っても燃料を燃焼室内部に吹き
込むことにより燃焼は継続し、D3bで燃焼が完了する。燃焼では回生圧が低い方が新気
との交換効率が高いのでガス温度が低く、より多くの燃料を燃焼させることができ、実際
は圧力上昇をもっと大きく出来るのであるが、ここでは判りやすくするために爆発・膨張
行程での圧を同一としている。膨張行程で断熱膨張し、D4まで膨張したときに排気バル
ブが開く。
【0065】
  その後は実線と点線のPV線図で異なるが、まず実線の理想回生圧の場合で説明する。
理想回生圧の場合、排気バルブが開いても燃焼室内の圧力は変わらず、ピストンは理想回
生圧で排気ガスを押し出し上死点でD6に達する。ここからピストンが下降を始めてやや
おいてD7で掃気バルブを開く。上死点で燃焼室に残るガスの圧力は回生圧であり、掃気
圧より高いので、上死点でバルブを開けると燃焼室内の排気が掃気ポートに逆流してしま
う。そのため、燃焼室内で膨張させた方が効率も良く騒音も少ない。掃気が燃焼室に導入
され、ピストンが下死点に達したところD1で掃気導入行程は完了し、掃気バルブを閉じ
、導入された掃気を圧縮し始める。D8で再び排気バルブを開け、掃気を排気ポートに押
し出す。ここからピストンは上死点まで回生圧で掃気を押し出しD6に達すると掃気排気
行程は終わり、排気バルブを閉じる。ここからピストンが下降を始めてややおいてD7で
吸気バルブを開き、吸気を導入しピストンが下死点に達したところD1で吸気行程は完了
し、吸気バルブを閉じ1サイクルが完了する。
【0066】
  D1、D8、D2、D3、D3b、D4で囲まれた面積が、6サイクル機関の圧縮行程
と爆発・膨張行程で燃焼ガスから機関の回転力に変換されるエネルギーを示している。し
かし、排気行程と掃気導入行程では排気を押し出すために、D4、D6、D7、D1で囲
まれた面積のエネルギーが機関の回転力から持ち出される。更に掃気排気行程と吸気行程
で、D1、D8、D6、D7を結ぶ実線で囲まれた面積のエネルギーが持ち出される。共
通部分の面積を消去すると、6サイクル機関の1サイクルで出力可能なエネルギーは、D
4、D8、D2、D3、D3bの実線で囲まれた面積からD1、D8、D6、D7を結ぶ
実線で囲まれた面積の2倍の面積を差し引いたものとなる。
【0067】
  点線は理想回生圧に対して回生圧を半分の圧力とした場合である。排気バルブが開くと
燃焼室内の圧力はD4点から回生圧D5まで自由膨張により低下し、ここからピストンは
回生圧で排気ガスを押し出し上死点でD6bに達する。ここで排気バルブを閉じ、ピスト
ンが下降を始めてややおいてD7bで掃気バルブを開く。ピストンが下死点に達したとこ
ろD1で掃気導入行程は完了し、掃気バルブを閉じ、掃気を圧縮し始め、D8bで再び排
気バルブを開け、掃気を排気ポートに押し出す。ここからピストンは上死点まで回生圧で
掃気を押し出しD6bに達する。ここからピストンが下降を始めてややおいてD7bで吸
気バルブを開き、ピストンが下死点に達したところD1で吸気行程は完了し、吸気バルブ
を閉じ1サイクルが終わる。
【0068】
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  このときの6サイクル機関の1サイクルで出力されるエネルギーは、D5、D8b、D
2、D3、D3b、D4、D5を結ぶ実線と点線で囲まれた面積からD1、D8b、D6
b、D7bを結ぶ実線と点線で囲まれた面積の2倍の面積を差し引いたものとなる。本図
の場合で計算すると回生圧を半分とした場合の方が、6サイクル機関単体の出力は35%
上昇している。実際には回生圧が低い場合の方が新気との交換効率が高く、燃料をより多
く供給できるので更に6サイクル機関単体の出力は高くなる。
【0069】
  図6(A)図は同じ過給機回生機付6サイクルディーゼル機関の過給機と回生機も含め
た機関全体のPV線図である。(B)図はその原点近傍の拡大図である。大気圧G1で過
給機に導入された新気は過給されてG2の圧となる。その過給された新気を6サイクル機
関はD1の圧として吸気し、図5で説明した過程を経て、D4で排気バルブが開く。本図
ではその後の変化として、実線と点線と二点鎖線の3つのPV線図を示している。実線は
理想回生圧の場合であり、図5の実線のグラフに対応している。D4の圧力で6サイクル
から押し出された排気は、そのまま回生機の入口圧G3となり回生機の内部で引き続き断
熱膨張を行い、大気圧G4で外部に排出される。
【0070】
  掃気導入行程と掃気排気行程での必要なエネルギーは、回生機がそのまま回転エネルギ
ーに変換して回収するものであるので、本図では無視している。実際にはその分回生機へ
の流入ガス量は多く、ガス温度は低いものとなる。当該機関全体が1サイクルで差引出力
するエネルギーはG1、D1、D2、D3、D3b、D4、G4の実線で囲まれた面積で
表される。
【0071】
  点線は図5の点線の場合に対応している。排気バルブが開くときにD4であった燃焼室
内のガスは回生圧G3bまで自由膨張する。理想回生圧からの回生機の内部で仕事をしな
がら断熱膨張する場合より温度の低下が少ないので、この圧力のときの体積は理想回生圧
の場合の回生機内で膨張している場合より大きく、G3b点は実線より右側に来る。D5
の圧力で6サイクルから押し出された排気は、そのまま回生機の入口圧G3bとなり回生
機の内部で引き続き断熱膨張を行い、大気圧G4bで外部に排出される。1サイクルで出
力可能なエネルギーはG1、D1、D2、D3、D3b、D4、D5、G3b、G4bの
線で囲まれる面積で表される。
【0072】
  回生機で回生可能なエネルギー(G3bとG4bを結ぶ点線の左側の面積)は理想回生
圧の場合(G3とG4を結ぶ実線の左側の面積)よりは少ないが、6サイクル機関の方の
出力が大きくなることより総合効率の違いは2%程度であり、産業上十分利用可能なサイ
クルとなる。自由膨張した圧力エネルギーは単純に解放されたのではなく、ガスの熱エネ
ルギーに変換されただけなので、その後回生機でその多くを回生することが可能だからで
ある。この実線と点線の熱サイクルの違いは、効率の変化が少なく、6サイクル機関単独
の出力と回生機の出力の割合を変化させることができるので、2つの出力軸からの出力を
独立して制御する必要がある場合に有利なものとなる。
【0073】
  二点鎖線は過給圧と同一の回生圧を持つ場合のPV線図である。回生圧の変化により全
体効率の低下は最高効率の圧からのずれに対して2次関数的なものであり、ここまで排気
を自由膨張させると全体効率の低下は11%に達する。しかし高い走行性能を持つ車両の
ようにクルーズ走行している状態での負荷が全負荷に比べてかなり低い場合には、このよ
うな圧力を全負荷時の回生機の設定圧力とすることは一概に産業利用性を否定されるわけ
ではない。使用頻度の高いクルーズ走行領域で理想回生圧に近い回生圧で使えれば、使用
頻度の低い全開走行領域で多少燃費が悪化しても、実用燃費を向上させる場合もあるから
である。実際、二点鎖線のPV線図でも、回生機により過給タービンを回す以上の出力を
得られるので、発電機能の無いターボチャージャー付の4サイクルディーゼル機関のPV
線図よりはかなり効率は高いものとなる。
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【0074】
  逆に回生圧を6サイクル機関の排気バルブが開いた時のシリンダー内圧よりやや高い値
に設定できないわけではない。ただし排気バルブの溶損などの発生しない範囲に限られる
。アイドル時など6サイクル機関の出力は0で良いが、タービンに取り付けた補機には動
力を与え続けたい場合など、機関全体が非常に低い負荷で使用される場合に積極的にその
ような圧力設定とすることも考えられる。
【0075】
  図7は第4の課題解決手段による第1の実施例を示す模式図である。6サイクル機関1
の排気マニホールド80にスクロール型の容積形膨張機を回生機100として設置し、変
速機180と動力伝達ベルト181を介してその出力を6サイクル機関1に動力として伝
達している。回生機100に描かれた点線の丸は下側にある排気マニホールド80bを示
し、膨張機からの排出ガスを排出している。変速機180が最も小さいレシオを持つ場合
には当該機関は理想回生圧をとる。変速機180のレシオが大きくなると、6サイクル機
関が排気ガスを押し出す容積に比べて回生機の吸入ガス容積は大きくなり、排気は6サイ
クル機関の排気バルブが開いたときに自由膨張し、理想回生圧より低い回生圧となる。
【0076】
  本実施例の変速機180とベルト機構181に変えて発電機を備えても、外部から発電
容量を制御することにより発電機の回転数を変えることができるので、同一の効果を有す
るものとなる。
【0077】
  スクロール型の容積形膨張機を回生機として用いているので、膨張機内でのガスの膨張
比は定まった値となるため、回生圧は変化させない方が回生機の効率や、排気音の点で望
ましい。そこで全負荷時には変速機のレシオを大きくとり、図6の点線のように理想回生
圧より低い回生圧とし、パーシャル時では変速機のレシオを小さくし、理想回生圧で回生
を行うように制御する。
【実施例6】
【0078】
  図8は第4の課題解決手段による第2の実施例を示す模式図である。6サイクル機関1
の排気マニホールド80にはタービン式の回生機100があり、同軸に配置した発電機1
51と補機150を駆動している。タービンに可変ベーン型タービンもしくは可変ノズル
数タービンを用いてノズル総面積を制御することによって回生圧を制御することができる
。ノズル総面積を6サイクル機関の排出ガス容積にあわせて適切な広さに制御すれば、回
生圧は常に理想回生圧付近で運転できる。もちろん意図的にノズル開口面積をより広げる
ように制御すれば、理想回生圧より低い回生圧で運転することができる。
【0079】
  またこの6サイクル機関の排気部分にはウェストゲートバルブ35があり、必要に応じ
て排気を大気に開放する。このバルブを作動させたときの効率は悪化するが、6サイクル
機関単体の出力を瞬間的に最大まで上昇させることが出来る。一時的に回生機の入口圧力
を下げても、短時間であればその負荷である発電機などの負荷トルクを一時的に下げるこ
とによりタービンの回転速度を維持することができる。アクセルに対して6サイクル機関
の回転数をすばやく上昇させ、機関全体の出力を上げたい場合にタイムラグが少ないシス
テムとして利用できる。車両などの負荷が大きく変動する移動体用の原動機として利用す
る場合に有利である。
【0080】
  本実施例では6サイクル機関1はモーター250で駆動される過給機200を備え、過
給圧を外部から制御できるようになっており、過給圧によっても機関全体の出力を制御し
ている。
【0081】
  回生圧を1段か2段のガスタービンで回生しようとする場合、サイクル効率を高めよう
とするとガスタービンは音速以上の流速を扱う必要がある。この場合のタービンのノズル
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形状は断面の面積が一度減少してのど部を形成した後再び拡大する末広ノズルとする必要
がある。この時、のど部でガスが過剰膨張や不足膨張に陥ると効率が急速に悪化するので
、タービンの入口と出口の圧力比は設計値で用いる必要がある。本実施例でもタービンは
超音速を扱うものであるので、全負荷時の理想回生圧より低い一定の回生圧とするように
制御している。回生システムを単純化しながら常に機関効率を高く保つことのできる効果
がある。
【実施例7】
【0082】
  図9は第5の課題解決手段による6サイクルガスタービンの模式図を示す。本実施例で
は6サイクル機関1の出力は増速機280を介してタービン式圧縮機である過給機200
を駆動すると共に、補機駆動ベルト154を介して補機150を駆動するのに用いられ、
ほとんどの機関出力は回生機であるタービン100で出力し発電機151で電力に変換さ
れる。
【実施例8】
【0083】
  図10は第3の課題解決手段による排気マニホールド80の内部に第7の課題解決手段
による燃焼室を備えた、直列多気筒の6サイクル機関の側面図である。燃焼室70は6サ
イクル機関1の各気筒の排気ポート31からつながる排気マニホールドの集合部に位置し
ている。燃焼室を内部に持つ排気マニホールド80は排気タービンの外周部も含めて保温
材71で覆われ、排気マニホールド内部も断熱性のあるコーティングが施されている。燃
焼室の下流には回生機100が接続し、回生機の下流の排気マニホールド80bには排気
触媒63が置かれている。
【0084】
  燃焼室70の内部にはガス穴73の開いた燃焼室内壁72があり、燃焼後の排気ガス、
掃気排気ガスと交互に入ってくる排気ガスを混合し、不燃ガスを燃焼する。そのため燃焼
室内壁72の内部容積は最低でも1気筒の1サイクル分の排気ガスの体積に相当する容積
が必要である。燃焼室の内側には燃料供給機75の燃料噴射口があり、必要時に燃料を燃
焼室に供給する。燃料が供給されると燃焼室の温度で速やかにガス化し、排気ガスに残留
している酸素と混合され燃焼する。燃料供給装置が燃焼室の下側に飛び出して位置してい
るのは、熱害を防止するためである。
【実施例9】
【0085】
  図11は第9、第11の課題解決手段によるエンジン横置きシリーズハイブリット方式
のFF車に搭載されたパワープラントの4面図である。6サイクル機関部分は第3、第6
、第7の課題解決手段を採用した機関となっている。(A)図は車両の前方から見たパワ
ープラントの正面図、(B)図は側面図、(C)図は上面図、(D)図は背面図である。
【0086】
  6サイクル機関1は掃気と吸気ポートを独立して備えた90度V型4気筒機関であり、
クランク軸に直結したスクロール型の容積型圧縮機210を過給機として備え、常に機関
回転数に比例した量の吸気を安定した圧力で6サイクル機関の吸気ポートに供給している
。当該容積型圧縮機210の圧縮比は2~3であり、その分6サイクル機関本体はコンパ
クトになる。実際の過給圧は断熱圧縮の効果により温度が上がることでそれ以上の圧力と
なる。
【0087】
  90度V型4気筒6サイクル機関1はやや後傾に置かれている。各気筒の排気ポートか
ら伸びてきた断熱された排気マニホールドの集合部に燃料供給機75を備えた燃焼室が備
えられ、その上方に回生機である可変ノズル数タービン100が備えられ、その出力軸に
は発電機151が備えられ電力に変換されている。排気はその後、前方の排気触媒に導か
れ、機関の前方で下方に導かれ、そこから車体の下面に沿って後方に導かれている。本実
施例は実施例3に相当するEGRシステムを備えている。循環する排気ガスは触媒の上流
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から触媒の回りを保温するように流れたたあと、(A)図に1点鎖線で描かれているEG
Rシステムの冷却器112で冷却され、6サイクル機関1の掃気ポートに導かれている。
【0088】
  6サイクル機関の出力軸には直結した形で補機としての発電兼用モーター155が備え
られ、6サイクル機関の余剰出力から発電を行い、発電機151で発電された電力ととも
にバッテリーに蓄えられ、車両駆動用モーター550の駆動に用いられる。機関の出力は
、主にタービン100から出力され、6サイクル機関は補機としての過給機200と発電
兼用モーターを駆動しているのみなので、6サイクルガスタービンの一形態でもある。当
該車両は、モーターからの出力を変速機520で適切な回転数に変え、ドライブシャフト
522、522bにより前輪を駆動することにより走行する。(B)図ではモーター55
0と変速機520は1点鎖線で示されている。
【0089】
  シリーズ型ハイブリット車両では、車両駆動用モーター550が大きく、機関を横置き
にした前輪駆動車両への搭載は困難であった。しかし、本実施例のパワープラントでは過
給することとV型に配置したことにより、機関幅を短縮し、発電用モーター155は始動
に必要なトルクが得やられれば良いので薄く設計されているので、更にその脇に車両駆動
用モーター550を配置することができる。発電機151も回転数が高く小型化可能なの
で、小型乗用車などに適用できる利点がある。
【0090】
  図12は当該実施例の制御システム図である。6サイクル機関の部分は分かりやすくす
るため片バンクで表している。車両駆動用モーター550はアクセルセンサ24に合わせ
てモーター制御機560により駆動され、車両の加減速を行う。
【0091】
  制御コンピュータ610はバッテリー580の充電量を感知する手段と、可変ノズル数
タービンのノズルの数を変える開閉バルブを回転させる回転アクチュエータ360を動作
する機能が備えられている。制御コンピュータ610はバッテリーの充電量の検出値によ
り発電量を決める6サイクル機関の回転数を決定し、主に排気タービンのノズル数を制御
することにより回生圧を変化させて、6サイクル機関の回転数を制御している。ノズル総
面積を広げると、実施例5や6で説明した原理で回生圧が下がり、6サイクル機関の出力
が上がることにより6サイクル機関の回転数が上がり、機関全体の出力が上がる。
【0092】
  さらに精密な機関の出力制御は、制御コンピュータがモーター制御機560を制御し、
発電兼用モーター155の発電量により6サイクル機関の負荷を変え、回転数を調整する
ことにより行う。本実施例ではスロットルバルブは無い。制御コンピュータ610は、発
電が必要なくなれば燃料供給を停止して、モーター155の負荷を高め機関を停止する。
機関の再始動も当該発電兼用モーター155により行う。
【0093】
  更に、制御コンピュータ610は、触媒の状態を排気センサ68からの信号を感知する
手段と、掃気ポートにある第2バルブと掃気バルブをそれぞれ開閉するアクチュエータ9
1と掃気バルブアクチュエータ94を動作する手段を備えている。排気センサの検出値に
より、排気温度が高いと判断した場合はアクチュエータ91により第2バルブを開き、掃
気の量を増やす。酸素濃度が高いと判断した場合には、掃気バルブを閉じる方向に動作す
る。このとき6サイクル機関の直噴インジェクターからの燃料供給を増加することも出来
る。また既に第2バルブが全開で、6サイクル機関自体が熱的に限界状態であれば、燃料
供給機75から排気ポートの燃焼室に燃料を供給することにより酸素濃度を下げる。
【実施例10】
【0094】
  図13は第8の課題解決手段による移動体の動力システム図を示している。1は過給機
200を備えた直列4気筒の回生機付6サイクル機関である。本実施例では回生機100
としてガスタービンを採用している。回生機の出力は発電機151で電力に変換され、モ
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ーター制御機560で車両駆動用モーター550を駆動するのに適切な電圧と周波数の交
流にされ、再度モーター550で駆動力となり変速機520で適切な回転数に変えられ、
ドライブシャフト522、522bを介して左右の駆動輪525、525bに伝達される
。6サイクル機関1の出力軸はモーター550と共通しており、その出力はモーターの出
力とともに変速機520を介して駆動輪に伝達される。
【0095】
  本6サイクル機関1はモーター250で駆動される過給機200を備え、運転者の指示
に合わせてモーター制御機により過給機の回転数を制御し、過給圧により機関全体の出力
を制御している。回生機の出力の一部は補機用減速機152、補機用クラッチ153を介
してエアコン用のコンプレッサーなどの補機150を駆動している。本移動体の実施例は
車両であり、バッテリー580を備えている。バッテリーは最低限、過給機200を加速
するだけのエネルギーを持っていれば良いので、必ずしもハイブリット車両用のバッテリ
ーの大きさは必要ない。
【0096】
  余剰電力が生じた場合にはバッテリー580に蓄え、不足する場合はこのバッテリー5
80に蓄えられている電力により補うことができるので、何等かの理由で機関に出力段差
が生じた場合や、過給圧が上昇する間の一時的な駆動力の不足を補う事ができる。図8、
9、10、11の実施例も同様であるが、回生機100に取り付けた発電機151の発電
量をモーター制御機560により制御することにより、回生機としてのタービンを常に効
率の良い適正な回転数に保つことができる。車両停止時や低速走行時の機関停止や走行エ
ネルギーの回生を望む場合には、バッテリー580を大きくする事によりハイブリット車
両とすることができる。
【0097】
  本実施例の機関では回生機で補機を駆動しているので、図9にある補機駆動用のベルト
154の必要性が無くなり、その分機関1の全長が短縮でき、ハイブリット用の車両駆動
用モーター550のスペースを確保できる利点がある。
【0098】
  本実施例の減速機152の変わりに補機駆動用の別のモーターを備え、発電機151で
発電された電力でそのモーターを駆動することによっても同一の目的が達せられる。本実
施例のモーター550と変速機520を、特許文献6にあるシリーズ型とパラレル型の両
者の特性を備えたハイブリットシステムに代替することによっても、走行中の機関停止を
実現し、更なる実用燃費の向上を図ることが出来るものである。
【実施例11】
【0099】
  図14はW型6サイクル6気筒機関のシリンダー方向とクランクピン配置図である。1
点鎖線a、b、cはW型に配置された3つのシリンダーブロック内のシリンダー中心線を
示し、51は当該シリンダー内を摺動するピストンである。実線で示した50a1、50
b1、50c1が1組のWバンクのクランクピン配置となり、実線で示したピストン51
a1、51b1、51c1はそのピン位置に対応した位置で描かれている。点線で示した
クランクピン50a2、50b2、50c2とピストン51a2、51b2、51c2は
もう1組のWバンクの位置を示している。1つのシリンダーブロックの2つのピストンに
対するクランクピン配置は、180度位相となっており、カップルも含めた1次バランス
の釣り合いが取れた、180度等間隔爆発の6サイクル機関となる。
【0100】
  クランクの軸受け数は、Wバンクの1組のクランクピン3つに対してその両側に軸受け
を配置した3軸受けか、クランクの剛性や強度を考慮し2つのクランクピンごとに軸受け
を備えた4軸受けとする。本実施例のW型6気筒6サイクル機関は、図11のFF車両の
動力部の実施例の機関に対して、車体幅方向の長さは変わらず、置換可能な機関である。
【産業上の利用可能性】
【0101】
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  本発明による回生機付6サイクル機関の用途は、燃費の優れた内燃機関を必要とするす
べての利用用途に対して存在する。
【0102】
  本発明は容積型機関の排気に残るエネルギーを、シンプルに効率良く回生利用するため
のもので、燃費の向上に寄与するものである。排気騒音も低く抑えられる利点がある。回
生機付6サイクル機関は比較的高い圧力で過給しても効率が低下せず、過給によるコンパ
クト化のメリットが大きいシステムである。また、6サイクル機関と回生機の出力割合を
変化させることが可能であるので、この原理を利用して2つの出力軸を駆動する機関とし
て利用できる。また6サイクルガスタービンは制御性の高いガスタービンとして利用でき
る。
【0103】
  回生機としてガスタービンを用いた場合、発電の用途に対して発電機を含めたパワープ
ラントを特にコンパクトに構成できる利点がある。大型の機関では発電所用の機関から、
船舶や高速バスや大型トラックや車両などの移動体に搭載する機関として利用可能である
。小型の発電機としても6サイクル機関が内部から冷却できる特性から、冷却システムを
シンプルにすることができ、発電システム全体をコンパクトに構成できる。これらのこと
は増加傾向にあるハイブリット車両用の動力源として利用可能性が高いことを意味してい
る。
【図1】

【図2】【図3】

【図4】

 

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【図5】

【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】

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【図11】

【図12】

【図13】

【図14】